早大男子バレー 全日本大学選手権直前特集『DO THE BEST』 岩本主将×大塚副将×重藤×佐藤

チーム・協会

【早稲田スポーツ新聞会】

【早稲田スポーツ新聞会】取材・編集 西山綾乃、山田彩愛 カメラ 藤田珠江

3回目の今日は、岩本大吾主将(スポ3=兵庫・市立尼崎)、大塚達宣副将(スポ3=京都・洛南)、重藤トビアス赳(スポ3=神奈川・荏田)、佐藤玲(社3=東京・早実)。個々が強いリーダーシップを持ち、3年生ながらチームを率いている。そんな4人に秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)でのチームの戦いぶりや、全日本大学選手権(全日本インカレ)に向けた取り組みについて伺った。

※この取材は11月9日に行われたものです。

【早稲田スポーツ新聞会】

「3年生はみんな個性的」

他己紹介をする重藤 【早稲田スポーツ新聞会】

――右隣の人を他己紹介してください

重藤 兵庫県の尼崎出身で、市立尼崎から早稲田に来た二人目。陸上選手のディーン元気(平26スポ卒=現ミズノ)の後釜です。大学1年生の時は市尼の疲れが出て、伸び伸びできてなかったね。

岩本主将 松井監督(松井泰ニ、平3人卒=千葉・八代台)いわくね。

――以上で大丈夫ですか

岩本主将 もうちょいあるやろ(笑)。

重藤 今は一人暮らしを始めて、自分で自分のことを律して生活しているので、そういうところがプレーに出てきていると思います。

岩本主将 佐藤玲。選手兼スタッフもやってくれていて、非常に頼りになるセッターだと思っています。下の学年が結構入っているチームで、玲はいろんな意味で言いやすいから、チーム全体が思っていることを言い合える関係にはなってきているのかなと思います。玲がセッターになってチームが揺らぐことも多々あるんですけど、彼が頑張ってくれれば優勝は間違いないと思うので、期待しています。

佐藤  大塚達宣。気さくにいつも話して、プライベートでもバレーのことでも話しかけてくれて、すごくコミュニケーション能力が高いなって思っています。みんな結構バレーのこととかを質問して、それに対していろいろ的確なアドバイスをくれるので、すごく頼りになる存在です。

大塚副将 トビアス君は、まずこのチームのビジュ枠で、顔がすごく整っていて、僕も生まれ変わるならこういう顔になりたいなと思います。バレーボールでは、チームのことをずっと考えてやってくれています。秋からはオポジットとしてコートに立って、春は一つ下の山田君(大貴、スポ2=静岡・清水桜が丘)が入っていたのですが、その山田くんを入れさせないぞというか、ここは自分のポジションだっていうのが、プレーにも気持ちにもすごく出ているので、とても一緒にやっていて頼り甲斐のある選手だと思います。

――私生活の面でお互い尊敬するところはありますか

重藤 (岩本は)一人暮らしをしているので、全般。自分でご飯を作っているのはすごいと思います。

岩本主将 私生活、あんまり分からない…。

大塚副将  このチームが他の大学と比べて、体育館でしかバレー部としての(関わり)がないので、住むところも学部とかもみんなバラバラで、私生活まで関与することがないので、あんまり分からないですね。

重藤 まあ、玲のことは尊敬してないです。

岩本主将 (笑)。同意します(笑)。

佐藤 なんで?

重藤 甘ったれてるから(笑)。

――それぞれチームでどんなキャラクターですか

佐藤 僕は今見てもらってわかるように、いわゆるいじられるタイプです。自分はいじるタイプではないです。

岩本主将 達(大塚)は、プレーしている時は、やっぱり真剣になって、試合の前とかも相手のこととかも頭に入れて試合会場に入っていて、すごくバレーでは真面目なキャラでやっているんですけど、そうじゃない時に、なんかちょけてくるというか、ふざけてるところもあって、やっと最近面白くなってきたというか…。上からの評価になるんですけど、やっと笑いを覚えてきたかなっていう。

大塚副将 僕は出身が枚方なので、大阪の本場の方じゃないというか。どちらかといえば、京都かぶれしている方というか、お上品な方なので。尼崎っていう笑いの最先端の人に面白くなってきたって言われると自信はつきますね。

岩本主将 なんでやねん(笑)。

――岩本主将はお笑い担当なのですか

岩本主将 いや(笑)。全体的にみんな面白くて、明るいチームというのは感じてくれているかなって思うんですけど、去年偉大な中村駿介(令3スポ卒=現パナソニック)大先輩がお笑い担当で抜けられて、あとを継ぐように。

――大塚副将への応援メッセージでもコウメ太夫のネタをやってらっしゃいましたよね

岩本主将 あれこそ、学年のカラーを出すという話をしていて、同期として激励する時に体張りましたね(笑)。

佐藤 ふざけられる人がまあ。トビアス(重藤)はそういうタイプじゃないので。

岩本主将 (体張ることを)させられないよね。

佐藤 させられない(笑)。

重藤 一般の前ではそういうふうにしている。松井先生(泰二監督、平3人卒=千葉・八千代)からもビジュ枠だからイメージ保てと言われています。

一同 (笑)。

――3年生はどんな学年ですか

岩本主将 入学した時から学年の人数が多くて、すごいそれぞれが個性的なので、すごくイライラする時もあったし、この人何考えてるねんっていうのもあったけど、まとまればそれぞれが大きいものを持っているので学年としても、大きくなれるというか、ちゃんとなった時はみんなで団結できる力はあるので信頼はしています。

大塚副将 これに付け加えで。自分たち(大塚、岩本、重藤)は、スポーツ推薦だったり、附属高校出身、一般だったり、指定校だったり、いろんなかたちでこのバレー部に入ってきた学年なので、チームの見え方とかもすごく幅広く、いろんな目線から考えることができる学年だと思っています。バラバラになってもおかしくないはずなのに、なぜか方向性はきちんと一致している学年です。みんな同じ方向を見てやれているので、僕としてはすごくやりやすいというか、この学年で良かったなと思います。いい仲間とバレーができているなと思います。

佐藤 今二人が言ったことが全部。本当に個性が強くて良い意味でまともな人が一人もいないので、いろんな方面にぶっ飛んでいるので面白いです。でもいろんな方面を向いているけど、達宣も言ってくれたように、見ている先は一緒だから。

――オフの日は何をされているのですか

重藤 勉強ですかね。

佐藤 絶対うそ。(笑)

岩本主将 この回を通してもさらに株を上げようとしてる(笑)。そういうのじゃないやろ(笑)。

重藤 僕は、教習行っています。

大塚副将 授業とか課題がある時はやって、終わったら一人でサイクリングとか行きます。アウトドア派です。玲は家でずっと寝てるすごいインドアなんで。

佐藤 誘われない限り自分から家から出ないって言う。

岩本主将 その誘われるっていうのは、女から。

佐藤 違う違う違う(笑)。嘘だから全然使ってもらっても(笑)。

大塚副将 僕とかがオフの日遊びに行こうって言っても、(佐藤選手は)「嫌だよめんどくさい」って言うんですけど、女の子から誘われると…。

佐藤 それは違うよ(笑)。

岩本主将 常に女の子との予定があったり(笑)。

岩本主将 僕は、風呂に入るのが好きなので、割と温泉に行きます。一人で行くときもあるし、駿(布台、社2=東京・早実)とか怜音(スポ2=熊本・鎮西)とかと行く時もありました。そんな感じです。

――早大バレー部で流行っていることはありますか

一同 そんなにないかも。

岩本主将 海外かぶれ。海外かぶれ。

大塚副将 僕が(日本)代表でずっとやらせてもらっていて、僕の試合とかをチームのみんなが見てくれていたのもあって、今海外でやっているリーグの試合を見て、プレー中のリアクションに影響されてるんかな?

岩本主将 点決まった時のリアクションとか、喜び方とか。

大塚副将 喜び方とか動作が海外の人たちを見すぎて、ちょっと海外かぶれしてるじゃないですけど、そうなってるというか。表情とかが表に出やすくなったというか。

岩本主将 インターナショナルな(笑)。

――留学に行っている同期と連絡は取っていますか

佐藤 いやあ(笑)。寂しいのかな?

重藤 僕はあんまりこないけど、個人では。

佐藤 明良(中島、法3=京都・洛南)とはするけど。DMとか。

大塚副将 連絡取っているというよりかは、勝手に向こうが。

岩本主将 向こうは、僕たちのことが結構好きなので、絡んできます。これは芳賀(雄治、商3=山形南)の話なんですけど、早稲田のTシャツを着て、あっちでテレビに(早稲田の)試合を映し出して、みんなで応援してたよみたいな。

大塚副将 秋のリーグとかね。

岩本主将 芳賀は、すごいこっちのことも気にかけてくれてるけど、明良はしょうもない話しかしてこない(笑)。

大塚副将 アメリカでの生活を楽しまれていますね。

「天皇杯予選で敗れ大きく成長」(岩本主将)

天皇杯予選について話す岩本主将 【早稲田スポーツ新聞会】

――岩本主将は3年生ながらコートキャプテンとしてチームを率いてきたと思いますが、チームとして秋季リーグ戦を振り返っていかがですか

岩本主将 秋リーグから達宣が帰ってきて、チームのカラーが少し変わったと思います。夏のオープン戦までは負けることが多くて、今まで僕たちが入学してからは早稲田は負けなしだったのですが、代が変わって勝てない時期もありました。それをチーム全体で乗り越えようという雰囲気はありましたが、まだ1段階足りないなという感じでした。それは達宣が帰ってきて加速度的に成長できたのかなと感じています。リーグ戦からは公式戦ということで、勝ちに貪欲になってプレーできていたのかなとは思います。また、10月にあった天皇杯予選(天皇杯全日本選手権関東ブロックラウンド)も僕たちの成長に大きくつながった試合になったので、すごく内容の濃いリーグ戦になりました。

――大塚副将が帰ってきてからチームはどのように変わったのですか

岩本主将 チーム全体が25点を取る上での点数の重みというか。前までは1点を重ねていくという感じでしたが、達宣が帰ってきてからは25点の中での1点の重みが変わる場面がありました。最初の1点と最後の1点は意味が違っていて、それの取り方はチーム全体を通して分かってきたというか、6人で戦えるようになったかなと感じています。

――天皇杯予選で敗れてどのような成長を感じられたのですか

岩本 筑波に負けて、次の週にリーグ戦でもう一度筑波と対戦するとなって。天皇杯予選の時は最後にこっちがマッチポイントを握っていたにもかかわらず逆転されてしまいました。5セットマッチではなく3セットマッチといういつもと違う戦いの中で、1セット目を取って2、3セット目を取りきれずに負けて、プレーでもプレー以外のところでも自分たちの詰めの甘さが出ていたと思います。その1点で後悔はしたくないので、その後の練習から全体的にメンタルの持ち方が変わったと思います。

――やはり悔しい敗戦でしたか

岩本主将 そうですね。結構落ち込んでいました。悔しい負け方だったので。1セット目は大差で勝って2、3セット目は接戦で負けて。勝ち試合を落としてしまって、「こういう試合はしたくないね」とみんなで話していました。

佐藤 自分も落ち込みました。ここ最近天皇杯(ファイナルラウンド)に出続けていたので。全日本インカレが終わった後に天皇杯があって、勝っても負けても4年生にとってはこれが最後の試合だというサイクルだったので、それを途切れさせてしまって「やってしまったな」と感じていました。

――松井監督(泰二、平3人卒=千葉・八千代)に喝を入れられてチームの雰囲気が締まって切り替えられたと聞きました

岩本主将 めちゃくちゃ怒られましたね。木曜日に25点のゲームをやるんですけど、そのときは点数も雰囲気も良くなくて。疲労が残っていたというのと、やはりまだ切り替えられていない選手もいました。その2日後もまた同じ結果になると言われて、自分たちの中では頑張っていたつもりでしたが、負けたことを引きずっていて熱を入れにくい感じがありました。先生に喝を入れられて次の日の練習からはちゃんと切り替えて筑波戦に臨めました。

――以前岩本主将は「経験値がない中でコートに立っている」とおっしゃっていました。主将として周りを見ないといけない立場でありながらも、「自分のプレーに集中したい」という葛藤があったと思います

岩本主将 結構ありました。先輩もいて後輩もいるという立場で自分がトップになって。それが達宣みたいに1年生からプレイヤーだったら話は変わってきますが、今年からちゃんと試合に出るようになりました。自分はどういうふうに引っ張っていけばいいのかなと思っていて。健人さん(宮浦、令3スポ卒=現ジェイテクト)だったらプレーで引っ張って、堀江さん(友裕、令2スポ卒=現堺ブレイザーズ)だったら声で引っ張るようなキャプテンで。自分がリーダーであるので軸をぶらしたらあかんなと思っています。自分が自分でいつづけることで他のメンバーがいつも通りやってくれれば、いいチームになると思いますし、変に力を入れずにいつも通りやるというのを意識しています。

――秋季リーグ戦の最終戦で日体大に敗れました。優勝を目指していただけにすごく悔しかったと思いますが、切り替えられましたか

大塚副将  僕たちはインカレでの優勝を目標にしているので、そこは大丈夫です。インカレに向けての力試しが秋リーグだと思っていたので、自分たちの現状も課題も分かったので、最後にインカレでいいかたちで終われればいいかなと思っていました。自分はそんなに落ち込んでいないです。

佐藤 負けたときはさすがに落ち込みましたが、もうインカレまで1カ月を切っているので、今は切り替えられています。練習が楽しいです(笑)。

――岩本主将は敢闘選手賞を受賞されましたね

岩本主将 そうですね。みんなにいじられるとうか…(笑)。僕のことをちゃんと知っている人ならキャプテンをやるようなタイプではなくて、いつも真面目な人の裏でふざけているような人間なので(笑)。キャプテンをやって「かっこいいな」といじられることが多いです。立場をわきまえて行動するようにしています。

――次は大塚副将に伺います。秋季リーグ戦のご自身のプレーを振り返っていかがですか

大塚副将 先ほども言ったように、チームに合流してすぐにリーグ戦が始まったので、コミュニケーションを取ることをまずは大事にしていました。チーム事情もあって岩本君がキャプテンをやってくれて、彼自身が去年までコートに立っていないこともあって、上の学年もいて、すごくやりづらいこともあると思います。その中でも僕は代表の活動にも参加させてもらっていて、その分早稲田に帰ってきたらチームに還元しようと思っていました。でも(代表の活動でチームを離れていた)自分がどこまでチームのことに口を出したらいいか分かりませんでした。キャプテンをやってくれている岩本君に、プレーや戦術について自分が思ったことを言ってもいいか聞いたら「助かる」と言ってくれて。そこで自分がやりやすい環境になっているのも岩本君のおかげだと思いますし、一緒にコートに立っている同級生もいてくれてすごく心強いです。

――先ほど代表の活動で学んだことをチームに還元したいとおっしゃっていましたが、どのようなことを還元できたと思いますか

大塚副将 このチームの役割としては精神的な柱で。プレーでもそうですが、声掛けや雰囲気作りなど代表で見て学んだことはたくさんあったので、そこは自分がこのチームでできることだと思っています。プレーだけでなく、強いリーダーシップを発揮することを個人的には目標としています。

――今年から早稲田のエースとしてチームを引っ張る立場になると思います。プレーでも気持ちの面でもエースとして意識していることは

大塚副将  難しい状況でのトスをセッターの佐藤君は託してくれるので、それを決め切るのが僕の役割だと思います。バレーボールってミスで終わるスポーツなので、どうしてもミスをしてしまった場面に目が生きがちですが、ブロックアウトを取られたとしても、「位置取りは良かったよ」と一言かけるだけでも「今のは悪くないんだ」って次のプレーに切り替えることができるので、そういった声掛けは意識しています。また、先ほど岩本君が言ったように、25点をどう取るかを考えながらチームを動かす声掛けや雰囲気作りを意識しています。今年のチームは20点以降の勝負になることが多いので、そこで勝ち切るためにも20点以降の1点は特に大切にしながらプレーしています。

春から正セッターを務める佐藤 【早稲田スポーツ新聞会】

――次に佐藤選手にお話を伺います。秋リーグを通して自分のプレーを振り返っていかがですか

佐藤 全然ダメだったと思います(笑)。足を引っ張ってしまったなと思っています。

――逆に良かったところはありますか

佐藤 良かったところか。あんまりないです。

大塚副将 佐藤君はネガティブに考えてしまう傾向があるので、もう少し自分を褒めてあげてもいいのになと思います(笑)。

――小さい頃からずっとネガティブだったのですか

佐藤 ネガティブというか考えてしまいますね。試合前も、例えばですけど、大吾が途中で足をけがしたらどうしようとか、トビアスが足つったらどうしようとか。

重藤 つったことないって言ってるじゃん(笑)。

佐藤 まあないけど、最悪の想定をして試合に臨むのは昔からずっとそうです。それが心配でというよりは、そうなったらこうしなくてはいけないっていうことは昔から自然と考えてしまいます。

岩本 スポーツマンとして良くなくない(笑)。

佐藤 良い意味でも悪い意味でも(笑)。小さい頃から人数が少ないチームにいることが多かったので、そういうふうに考えてしまいます。

――それって自分でコントロールできる問題ではないと思うのですが(笑)

一同 ほんとそう(笑)。

佐藤 自分でコントロールできる問題ではないですけど、それを考えておくだけでも、もし本当にそうなった時に対処できるっていうか。それが悪い方面にいってしまうこともあるのですが、良い方向に向かうときもあるので。

――良い方向でちゃんと対処できたことはあったのですか

佐藤 中学校の時の全国大会で、エースが試合の途中で、指を切って血を出して、出られなくなってしまった時や、高校の時に足をつりかけている子がいた時は、対処できたと思います。

重藤 それお前の仕事じゃなくない(笑)。監督がすることでしょ。

佐藤 いや、そういうことがあったから自然とそういうふうに考えるようになったということです。

――秋季リーグ戦を通してセッターとしての課題は何かありましたか

佐藤 トランジションからの攻撃が課題として残ったので、全カレまでに解決していかなければいけないなと思いました。あとは、バタバタする場面が多かったので、リズムをしっかり作るのが課題です。相手が速い攻撃をするチームだと、相手に合わせてしまうことがあったので、まずはしっかり自分たちのコートでリズムを作っていきたいです。

――春から正セッターですが、まだプレッシャーはありますか

佐藤 はい。大吾と一緒で、自分は今まで2年間を通してユニフォームを着て公式戦に出たことがなくて、今年からだからということもあります。また、早稲田は今までずっと勝ち続けていて、松井先生も今まで勝ってきていることは関係なく、自分たちの力を出し切ることが第一だとおっしゃっているのですが、それでもやはり今まで先輩たちが築いてきたものは嫌でも自分の中にあるので、プレッシャーになっています。

――スタッフや副務としても活動されていますが、全日本インカレ前は忙しくないですか

佐藤 今は会計もやっているので、それを次の学年に引き継がないといけないので、それを教えたり一緒にやったりしています。また、このままいけば主務になるのでその引継ぎもあるし、他の仕事もあるので少し忙しいです。

――次に重藤選手にお伺いします。まず秋のご自身のプレーを振り返っていかがですか

重藤 ビギナーズラックの範囲内なのかなって思います。夏前にけがをして、8月下旬くらいから動き始めました。9月の中旬に大貴(山田)が少し肩を痛めて代わりに入ったらハマっちゃって。そのままいい感じに11月まで来ましたね。

――オポジットは今までやっていたのですか

重藤 はい。1年生の東日本インカレのときです。楽しかったですね(笑)。よく分からないまま終わったっていう感じでしたね。

――秋季リーグ戦からすごく声を出すようになったと思ったのですが、何か心境の変化があったのですか

重藤 自分でもあんなに声出るとは思ってなかったですね。

一同 (笑)。

重藤 一つは、もともとアウトサイドで、サーブレシーブをやらないといけなくて。(オポジットになってサーブレシーブをしなくなって)何をしていようかなって。じゃあ声出していこうかなという感じですね。別に僕に(トスの)本数も集まってこないですし、やることといったら限られてしまうので(笑)。サーブカットをやらない分を声で補おうということですね。

――1、2年の時にピンチサーバーとして出ていたと思いますが、途中からピンチサーバーで出る時と、最初からコートにいる状態でサーブを打つ時は違いますか

重藤 途中からピンチサーバーで出るときも、1年生の時は1年生の仕事があるので、急に次行くぞって言われても、体ができあがっていないことがありました。2年生になってベンチワークを分担するようになって、そして今はずっと試合に出ていて。それでも特に変わらないですけどね。

――ご自身のサーブはどう評価していますか

重藤 僕は割と前跳びするので、ネットから離れる方がちゃんと打てるタイプです。フロントのスパイクよりバックのスパイクの方が、バックのスパイクよりサーブの方がうまく打てます。なので、サーブが一番良いんじゃないですか。

――スパイクをそんなにミスしているという印象はないのですが

重藤 置きにいっているからですかね(笑)。

――次は岩本主将にお聞きしたいのですが、今のチームの雰囲気はどのような感じですか

岩本主将 秋リーグ終わって、次のインカレまで1カ月を切っていて、もう一回見直すところを見直して、課題をつぶしていくというシーズンの中で、いい雰囲気の中でできていると思います。それぞれが前を向いて全カレの優勝という、今年ずっと掲げてきた目標に向かって進めているのかなと感じています。

――3年生はチームの中心的な存在だと思いますが、やはり荷が重いですか

岩本主将 それはあまり感じていないです。大塚がいないシーズンで、4年生が教育実習中に3年生主体で試合をしていく時に、自分がまとめる立場で。その流れでやっているというところがあるんですけど。その時から、大塚はイタリアにいる時からいろいろ助けてもらっていましたし、みんな同期が助けてくれるので全くやりづらさは感じていないです。

――次にみなさんにお聞きしたいのですが、個人的に力を入れている練習を教えてください

重藤 二段トスですね。チーム事情的に僕が最後打つ人じゃないので。ライトの健人さん(宮浦、令3スポ卒=現ジェイテクト)がいないので、今年はレフトの選手が最後に打つ場面が多いです。もしセッターの玲が一本目を触って、二本目リベロがいなくて、自分のところまで来た時に、天皇杯では違うところにあげてしまったので、しっかりとレフトにあげたいです。あとは、トスが好きだからです。このチームで一番オーバーはうまいと思います。

佐藤 トビアスうまいですよ。

重藤 確実に玲よりうまいです(笑)。胸張って言えます。

「チームを鼓舞する熱いプレーを見てほしい」(大塚副将)

全日本インカレの意気込みを話す大塚副将 【早稲田スポーツ新聞会】

――岩本主将はいかがですか

岩本主将 このサイズのミドルになると、そんなに大きい方ではないので、つなぎのところや派手な一点ではなく、チームの一点になる動きが必要になると思います。いいタイミングで相手のミドルを引きつけたり、攻撃選択のところでのブロックのつき方だったり、そういうところでチームのために動くということを考えています。そのために、大きい選手ではない分、ブロックの横移動や出し方だったり、クイックの打ち方や打ち分けなどできていないところがあるので頑張っていきたいと思っています。

佐藤 自分はセッターなのでトスはもちろんなのですが、あとはサーブですね。自分はみんなと違ってジャンプサーブではないので、秋リーグを通して自分のサーブで相手を崩せず、そこから攻撃されてしまう場面が多かったと思います。自分もしっかり攻撃できる1人として、強いサーブを打てるようにということを目標に今やっています。あと、レシーブはこの身長なのでできなければいけないというところがもちろんあるので、つなぐという意識の中で、レシーブも強化していきたいです。

大塚副将 僕は全部のスキルを上げることを目標にしています。代表でずっと活動してきた中で、個人的なスキルを伸ばすことを第一に考えています。それがチームとしての早稲田でのインカレ優勝にもつながっていくと思うので、まずは自分のスキルをしっかり上げるというところですね。あと個人的に特に力を入れているのが、サーブやブロックとかで、1本サービスエースやシャットアウトが出ると、流れをぐっと引き寄せられます。そういう1本を僕はなかなか出せない選手だったのですが、今年の秋リーグでは今までと比べてだいぶ多くなりました。流れをつかむためにも大事にしたいと思っています。

――最後に全日本インカレで注目してほしいところと意気込みをお願いします

重藤 先ほども言ったように、サーブが自分の1つの武器でもあると思うので、サーブに注目してほしいです。全カレ優勝を目標にやってきました。チームが秋リーグを終えるまでずっと不安定なことが多かったですが、それを乗り越えて、チームがまとまっている姿を見せて、優勝したいと思います。

岩本主将 このチームは全カレでの優勝をずっと目標にしていて、優勝できる力はあると思っているので、それを自分たちが出せるか出せないかというところが勝負になると思います。そのために、あと3週間いい準備をするだけだと思います。個人的には、キャプテンをやる上での働きかけや、チームの雰囲気づくりをしていきたいです。早稲田の他の競技の知り合いもたくさんいて、そういう人から期待や応援をもらうことが多いので、応援してくださっている人のためにも頑張りたいと思っています。

佐藤 全カレ優勝という目標でこの1年間やってきているので、達成できるように一つ一つのプレーをしっかり頑張りたいと思っています。自分はそんなに上手ではないので、しっかり1本目をどんなボールでも打ち手につなげられるように必死に頑張るので、そこを注目してほしいです。

大塚副将 個人としてはチームを鼓舞する熱い全力プレーを見てほしいです。チームとしては、一つ一つの試合を大切にして、勝ち進んでいくことが大事になると思うので、まずは目の前の一戦を勝ち抜く気持ちを持って、しっかりやっていきたいです。僕たち3年生が今こうやってコートに立っている分、コートに立っていない4年生の選手もたくさんいます。4年生にとっては最後の大会になるので、4年生のためにという気持ちをしっかり持って、チームの代表として戦いたいと思います。

【早稲田スポーツ新聞会】

◆佐藤玲(さとう・れい)(※写真左)
2001(平13)年2月13日生まれ。175センチ。東京・早実出身。社会科学部3年。正セッターとして出場する傍ら、副務として会計の仕事もこなす佐藤選手。プレーでもスタッフとしても、チームをつなぐ存在になります!色紙は『繋ぐ』。

◆大塚達宣(おおつか・たつのり)(※写真中央左)
2000(平12)年11月5日生まれ。194センチ。京都・洛南出身。スポーツ科学部3年。日本代表として活動し、早稲田のエースを担う大塚副将。チームを鼓舞する熱い全力プレーに注目してほしいそうです!色紙は『魂』。

◆岩本大吾(いわもと・だいご)(※写真中央右)
2001(平13)年2月10日生まれ。191センチ。兵庫・市立尼崎出身。スポーツ科学部3年。3年生ながらチームをまとめる立場にある岩本主将。チームを盛り上げる雄たけび、弾ける笑顔は必見です!色紙は『元気印』。

◆重藤トビアス赳(しげとう・とびあす・たけし)(※写真右)
2001(平13)年2月8日生まれ。190センチ。神奈川・荏田出身。スポーツ科学部3年。秋からはオポジットとして出場している重藤選手。相手守備を吹きとばすサーブやスパイクでたくさんの得点を取りました!色紙は『爆発力』。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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