【浦和レッズスペシャルインタビュー】絶対女王ベレーザとの試合は、いつだって楽しみが待つ。女子プロサッカーリーグの幕開けにふさわしい極上の一戦をレッズレディースらしく“楽しんで”勝つ!
【©URAWA REDS】
三菱重工浦和レッズレディースを率いて3シーズン目。今年から総監督となった森栄次は日テレ・東京ヴェルディベレーザ(以下ベレーザ)と対戦する前、この言葉を使うことが多い。
迎える2021年9月12日。日本初の女子プロサッカーリーグが開幕する日に、レッズレディースはベレーザと対戦する。この日、どんな“楽しみ”が待っているのだろう。
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それでも“サッカーのまち”に生まれた女子チームだ。たくさんの情熱とおもいに支えられ、再び栄光をつかむために、2019シーズン、新たな監督を招き入れた。それが森栄次、その人である。
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女子サッカー界における名将で名伯楽。そんな森栄次が2018シーズンの終わりに大きな決断をする。それがこれまでライバルチームであったレッズレディースへの“移籍”。
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2019年1月。レッズレディースの指導を始めた森総監督は、「技術は裏切らない」と『止める』、『蹴る』という基本技術を徹底して繰り返すことを選手たちに求めた。さらにトレーニングの最後はゲームで終える。技術の習得と実戦の積み重ねを両輪で鍛えながら、人とボールがよく動くポゼッションサッカーを短期間で構築し、「見ていてもプレーをしても楽しい」唯一無二のレッズレディースのサッカーが形を表すようになっていった。
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森監督もまた「選手たちも楽しそうにやってくれるし、一生懸命についてきてくれる」と、少しだけ表情を緩ませる。だからこそ、チームの現在地がどこにあるのか。それを確認するためにも女王・ベレーザに対峙する試合は、一つの指針になっていた。
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それから約半年後。2019年9月に、味の素フィールド西が丘で再びベレーザと対戦した。菅澤優衣香、柴田華絵という主力を欠きながらも、ピッチに立つ全員が躍動。3-2で勝利をつかんだ。女子サッカー史上に残る白熱の好ゲームの末に、リーグ戦における約4年ぶりの勝ち星。言葉にならないおもいが溢れて、選手たちの目から涙がこぼれた。
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そんなふうに2019年の躍進が翌2020シーズンにつながった。コロナ禍に揺れたが、大きな自信を手に、開幕から堂々とした戦いぶり。特に第3節のホームゲームでベレーザに1-0で競り勝つと、チームは波に乗って首位を走り、優勝にたどり着いた。
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そして2021シーズン。追っていた背中に並び、女子サッカーの頂点に立つために、見えたもの。
そのひとつは、チーム一丸。
「ベレーザは個でも戦える力がある。そこに対向していくには、組織と個を伸ばしていくことが大事」
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そして、それはピッチに立つ11人が織りなすものではなく、毎日、全員で行うトレーニングで培われていくものだ。それがレッズレディースのチーム一丸で、そこにファン・サポーターの大きな後押しがあることで、より揺るぎないレッズレディースの輪が広がっていく。
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レッズレディースが紡ぐサッカーの真髄は、そうした個々のつながりやおもいの連鎖にある。
さらに、もうひとつ。
「レッズレディースに入りたいと思う選手を増やしたい。それには、トップチームが魅力あるサッカーをしていかないと」
森栄次は、2021シーズンから総監督となりアカデミー選手を含めたレッズレディース全体を見ることになった。今夏の東京五輪に出場したなでしこジャパンの池田咲紀子、塩越柚歩、南萌華を始め、チームにはアカデミー出身選手が大半を占める。だからこそ、クラブとして「見ていてもプレーをしても楽しいレッズレディースの攻撃的なサッカー」を一貫して作り上げることで、さらなる強さと魅力を持ったチームに変貌させていくのだ。
左から、池田咲紀子、塩越柚歩、南萌華 【©URAWA REDS】
「選手が楽しそうにやってくれるよね」
森総監督は、アカデミーの選手たちにも、トップの選手たちと同じ言葉を投げかけた。
今、真の日本一を目指すレッズレディースは、進化の途中にある。
楠瀬直木監督 【©URAWA REDS】
“初代女王”へ挑戦は、“絶対女王”を倒すことで始まっていく。
だからこそ……「楽しみだよね」。
森総監督の言う“楽しみ”の形は、年々少しずつ変化しながら、迎えた3シーズン目。記念すべき女子プロサッカーリーグの幕開けに、どんな楽しみが待っているのだろう。
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