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高橋学

【フットサル日本代表/WEB取材】41歳で叶える「子どものころの夢」。10万人に1人の難病を乗り越え、ピレス・イゴールが悲願のW杯へ。

SAL

ワールドカップ本大会の開幕まで、あと1カ月半。Fリーグは中断期間に入り、日本代表は現在、千葉県・高円宮記念JFA夢フィールドで行われているトレーニングキャンプを含め、国内合宿、スペイン・ポルトガル遠征を経て、一気に“W杯モード”へと入っていく。

そのメンバーのなかに、41歳にして自身初となるW杯出場を目指す選手がいる。ピレス・イゴールだ。

2016年1月、来日から7年目に日本国籍の取得が承認され、晴れて日本人になったイゴールは、その年の秋に開催されるコロンビアW杯の出場を目指す“はず”だった。しかし、日本代表は2月に行われたW杯出場権をかけたAFCフットサル選手権で敗退し、同時に、イゴールのW杯出場の夢も断たれた。

それから5年は、彼にとって“茨の道”だった。

度重なるケガに加え、2020年1月には、10万人に1人の確率で発症すると言われる、筋力低下や遠位部感覚消失を伴う神経障害を伴う難病ギラン・バレー症候群を罹患。「もうフットサルができないと思った」という絶望の淵を味わった。それでも、イゴールは不屈だった。

今年7月に41歳を迎えたとは思えない、圧巻のパフォーマンスで、日本の守護神に君臨している。5年前に叶わなかった「小さい頃からの夢」。28日、イゴールがオンライン取材で募る想いを口にした。

世界に日本のフットサルのレベルを見せたい

──ここまでキャンプをしてきてどうですか?

間違いなく、とてもいい雰囲気です。選手も毎回の合宿で素晴らしいパフォーマンスを見せています。いつもすごく練習をしていますし、毎回、毎日、ちょっとずつ成長しています。すごくいい雰囲気です。自分としても、今ままでいい練習ができていますが、もっともっとレベルを上げないといけないと思います。なので、毎日、うっちーさん(内山慶太郎GKコーチ)や監督に見てもらい、練習して、レベルアップしたいと思います。

──自身初のW杯を目前に控える心境は?

本当にうれしいです。子どものころからの夢が現実になっています。だからすごくワクワクしています。W杯でいいパフォーマンスをしたい。本当にうれしいですが、メンバーに入ってワクワクする気持ちだけではなく、日本代表として世界に日本のフットサルのレベルを見せたい。いいパフォーマンスをしたい。それが一番の気持ち。本当に子どものころの夢がかなうのは、とてもうれしいことです。 

──日本としては2016年のW杯を逃してしまいました。そのとき、どう見ていましたか?

さびしくなりました。あのときはすごくもったいなかった。あのメンバーは素晴らしいメンバーですごく強いチームだったので、W杯に行けなくて、すごく悔しかった。それに、日本のフットサルがもっと世界を盛り上げられたと思うので、もったいなかった。もしW杯に行けていたらいいパフォーマンスができたと思うのですごく悔しかったです。

──日本のフットサルを世界に見せたい気持ちが強い。

日本のフットサルリーグは、海外ではあまり見られていないと思います。僕はブラジルの友達といつも話しています。どんなリーグで、どんなレベルか、と。だから世界で一番大きな大会で、日本代表の素晴らしいプレーを見せたら、もっともっと、世界がリスペクトして、日本のフットサルをもっと知ってくれると思います。 

──町田で一緒にプレーする毛利元亮選手へのアドバイスは?

彼とは少しずつ話をしています。町田の(金山)友紀さんも元亮にアドバイスしています。若いけど、すごく気持ちがあって、アツいものがある。僕から伝えたいのは、素晴らしい気持ちがあるけどもう少しコントロールできたらいいということ。彼はいいプレ、パフォーマンスを見せ、早い成長を見せています。

──攻撃面と守備面でチームの成長はどうですか? 成熟してきていると思いますが。 

みんな、セットプレーや戦術は、もう大丈夫です。毎日練習していますし、いつもビデオミーティングやスタッフとも話して頭もリフレッシュしているので。あとは細かいタイミングなど、もっと練習でうまくなると思います。

──海外遠征ではいろんな国と対戦します。W杯を前に楽しみな試合は?

その通りですね。僕は今からW杯までではなく、2016年からずっと、すごく楽しんでいます。日本代表のユニフォームを着て国を背負うことがすごく光栄で、楽しんでいます。これから大会が近づいていきますが、世界の強い代表チーム、スペインやアルゼンチン、ポルトガルもそうですし、大会で対戦する相手も、毎回特別な試合だと思います。

SAL編集部

──これまで、日本への帰化、病気、第一子誕生など、さまざまなことがありました。家族からは何か言われましたか? 

そうですね。今、思い出しても感動します。本当に、みんなサポートしてくれました。僕の夢は子どものころからのものですが、病気やケガも多かった。本当に今まで、外国人でしたが……うん、そう、サポートしてくれて……家族からもサポートしてくれているので、すごく感謝しています。みんなのおかげでここまでプレーできています。(感情が込み上げてしまい)すみません。 

──W杯において、ゴレイロの役割も変化しています。カザフスタンのイギータ選手なども足元がうまく攻撃的な選手がいます。イゴール選手はその辺りのプレーや、大会で見せたいプレーはありますか?

自分のプレーで見せたいものはありません。僕の考えとして、日本代表がすごく活躍してほしい。もし、自分だけが活躍して日本の結果が出なければ意味がありません。みんなでいいところを出して戦い、ラウンド16、準々決勝、準決勝、決勝、優勝……それが一番大事な目標です。

──ゴレイロとして大切にしていること。他の2人と話していることは?

(関口優志、矢澤大夢と)いつも話していますし、加えて、うっちーコーチからいつもアドバイスをもらっています。大夢からも優志からも、それをやったらいいとか、もっといいプレーをするためにたくさん話していますし、ゴレイロの細かい部分がうまくなるためにコミュニケーションを本当に大事にしています。優志からは、どのタイミングでボールを投げているのかのアドバイスをもらい、大夢からはブロックのことなど、毎日、毎日、話をしています。

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