倉田珠里亜の決意 父の日にV

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【<Photo:Ken Ishii/Getty images>】

 2020-21シーズンJLPGAステップ・アップ・ツアー第14戦『ユピテル・静岡新聞SBSレディース』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会第2日が6月19日、静岡県御前崎市の静岡カントリー浜岡コース(6,516ヤード/パー72)で行われた。首位スタートの倉田珠里亜が好調をキープ。通算9アンダーで独走態勢をかためた。5打差の通算4アンダー、2位タイは新田彩乃、森井あやめ、廣田真優。
(天候:雨 気温: 21.3℃ 風速:2.1m/s)

 倉田珠里亜が堂々のプレーを展開。これまで未勝利ということが信じられない内容だった。「きのう同様、平常心でプレーできた。また、スタートホールでLEDボードへ映る、ギャラリーの方々が見送ってくださった。気持ち良かったです」。ステップ初のリモートギャラリーの試みは大好評だった。

 この日は、「アイアンショットがよかったです。カップに蹴られ、チャンスをものにできなかったホールもあったけど、パーオンしなくても、パーも取れた」という。ただし、予想外のことも起こる。雨の影響で、飛距離が落ちることを考慮。15番の第1打は1Wを選択した。しかし、「マネジメントミス。第2打で、木がジャマなところへ行ってしまった」という。今大会、初のボギーを叩いた。それでも、続く16番でバウンスバックに成功。パー5の595ヤードは後半、最も難しいホールだが、第3打を5Iで4メートルにつけた。難しいラインも冷静にカップインさせている。

 ゴルフを始めたのは13歳。小学6年生で「プロゴルファーになりたい」と決意して、横峯さくらの父が主宰するさくらゴルフアカデミーへ体験入学した。そして、中学校入学を期に、故郷の奈良県を離れて単身で鹿児島へ。だが、中学2年でよもやのアクシデントに見舞われた。練習のしすぎで、腰椎を骨折。「両親から、ゴルフをあきらめて奈良へ帰ってくるようにーと。でも、絶対に帰らないと言い張った。仕方なく、父は仕事の関係で残り、母と妹の3人で高校卒業まで暮らした」と打ち明けた。家族の後押しを忘れない。

 さらに、「私の意見を尊重してくれた両親へ、感謝を忘れたことはない。特に父は、私のために5年間、奈良でひとり暮らし。照れくさいからあんまり言わないけど、優勝を報告できれば最高の恩返しができます」。そういえば、最終日は父の日だった。

(ステップ・アップ・ツアー担当=新納 智明)

【<Photo:Ken Ishii/Getty images>】

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