単独首位の高橋彩華『1位になっちゃった』

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【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 JLPGA ツアー2020-21シーズン公式競技『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』大会第3日が5月8日、茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部 東コース(6,630ヤード/パー72)で行われた。ムービングデーのこの日、若手が躍動。高橋彩華が通算12アンダーとスコアを伸ばし、首位を守った。3打差の2位は通算9アンダーの西村優菜、大里桃子、西郷真央。通算8アンダー、5位タイから上田桃子、笠りつ子など4人が逆転を狙う。(天候:晴れ 気温:23.4℃ 風速:1.2m/s)

 高橋彩華が3バーディー、ノーボギーの69をマーク。通算12アンダーの首位で最終日を迎える。今年は特に好調期間が長い。何度も初Vへ手が届きそうになりながら、チャンスをモノにできなかった。KTT杯バンテリンレディスでは、単独首位スタートの最終日に崩れ15位タイに終わっている。

 ところが、この日の公式会見ではムードがちょっと違った。「何か、1位になっちゃった。なったからには仕方がない。そう思うようにしました」と、くだけた表現をしている。さらに、「ノーボギーのラウンドだったことを、気がついたのはホールアウトしてから」とも。それだけ集中していた証だった。

 ハイライトは、やはり難しい16番。140ヤードの第2打を9Iで3メートルにつけ、バーディーを奪った。ただし、バーディーを喜ぶよりも、ピンチのパーセーブに話題が移る。「5番や12番。ともに2メートルでも、すごく難しいパッティングでした。そういうところで耐えることができたから、本当に良かったと思います」。とにかく、渋とさが際立つ。プレッシャーのかかる難しい局面を何度も経験したからだろう。

 最終日のポイントは、「私らしいプレーができるか」という。「ショットの精度です。ムダな力が入ると、崩れてしまう。きのうまでは完ぺき。きょうは、2、3ヤード足りなかったり、大きかったりしたホールがあった。チャンスがそれほど多くなかったのは、そういうちょっとしたところです」とも。精密機械のようなプレーが生命線なのだ。好調期間が長いのも頷けた。

 一方で、今大会の話題は、遅れてきた黄金世代が上位を賑わしていることだ。最終プロテストで一発合格とはいかなかった、2位タイ大里桃子、5位タイの臼井麗香は、互いにエールを送った。すでに優勝経験がある大里は、「いつ優勝してもおかしくないプレーをしている。今回ばかりは、私が相手ですから応援するわけにはいきませんけど…」と漏らしている。

 さて、高橋は、「優勝は目の前にチラついていない。それほど、意識もしていません。きょうよりも内容が悪くならないようにしたいです」と締めくくった。セルフコントロールも上々だ。第3日・上田桃子、鈴木愛という実力者と最終組でプレー。まったく気後れせず、自然体で戦った経験は最終日に生きる。

(オフィシャルライター・宮脇 廣久)
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