ラ・リーガ・サンタンデール、前半戦を振り返る

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第19、20節が行われた先週、ラ・リーガ・サンタンデールはシーズンの折り返しを迎えた。様々なドラマが生まれた2020/21シーズン前半戦を振り返る。

順位表は第19節終了時点 【(C)LaLiga】

「冬の王者」はアトレティコ

前半戦終了時点で首位に立った「冬の王者」はアトレティコ・マドリーだ。2試合未消化ながら、19節終了時点で勝ち点44。後半戦もこのペースを保つことができれば、史上最多タイの勝ち点100に到達する可能性がある。新加入のルイス・スアレスは即戦力として活躍。5ー3ー2の新システムもうまく機能しており、2013/14シーズン以来のタイトル獲得に向けて死角は見当たらない。

アトレティコは1月12日に行われた延期節でセビージャとの上位対決を制し、「冬の王者」に 【(C)LaLiga】

降格圏に沈むエルチェ、ウエスカとは対照的に、昇格組で唯一中位を保っているカディスは前半戦のサプライズチームだった。14季ぶりにトップリーグ復帰を果たした彼らは暫定11位につけているだけでなく、レアル・マドリーとバルセロナ相手に歴史的勝利を挙げている。

カディスは昇格1年目にしてレアル・マドリー、バルセロナの2強から勝ち点3を奪った 【(C)LaLiga】

セビージャはチャンピオンズリーグ16強入りを果たす傍ら、ラ・リーガでも好調を維持。5位のビジャレアルもウナイ・エメリ監督の指揮下で安定したパフォーマンスを見せている。同じくグラナダもヨーロッパリーグと平行して戦いながら昨季の最終順位と同じ7位につけており、ディエゴ・マルティネス監督の手腕は高く評価されている。

第19節、ビジャレアル対グラナダの上位対決は2ー2のドロー決着となった 【(C)LaLiga】

スアレス、得点王争いをリード

アトレティコの新たな得点源となったスアレスは前半戦の主役の一人だ。19節終了時点で14試合出場11ゴール。元チームメートのリオネル・メッシと得点ランキング首位タイで前半戦を終えると、第20節バレンシア戦でも1ゴールを加えて首位の座を維持している。

スアレスとメッシの得点王争いに割って入ったのは、今季に入って得点力を開花させたセビージャのユセフ・エンネシリだ。23歳のモロッコ人ストライカーは第18節レアル・ソシエダ戦で3ゴールを挙げ、3ー2の勝利に貢献。続く19節アラベス戦でも1ゴールを加え、前半戦のみで自身のシーズンベストである9ゴールを記録している。

スアレスは第19節エイバル戦で2ゴールを挙げ、逆転勝利の立役者に 【(C)LaLiga】

絶好調のエンネシリは第20節カディス戦で今季2度目のハットトリックを実現 【(C)LaLiga】

ビジャレアルとセルタの両エース、ジェラール・モレノとイアゴ・アスパスも特筆すべき活躍を見せている。やはり得点ランキングの上位につけている2人は、ゴール以外の部分でもチームに大きく貢献しており、その重要性は彼らの不在時に顕著に見て取れる。

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ビジャレアルとセルタは両エースの不在時、明確に勝率が落ちている 【(C)LaLiga】

中盤ではレアル・マドリーのルカ・モドリッチがキャリア最高と言えるパフォーマンスを見せている。35歳を迎えたにも関わらず、今季の彼はバロンドールを受賞した2018年と同等の輝きを放ち続けている。

レアル・ソシエダのミケル・メリノ、ビジャレアルのダニ・パレホの活躍も目覚ましい。新ポジションのウイングバックで生き生きとプレーするようになったキエラン・トリッピアーも、アトレティコの快進撃を支える立役者の一人だ。

35歳にして不動の定位置を取り戻したモドリッチ 【(C)LaLiga】

ラ・リーガ・サンタンデールはGKも精鋭揃いだ。ヤン・オブラク、ティボ・クルトワ、マルク=アンドレ・テアシュテーゲンらトップレベルのスター選手に加え、セビージャのヤシン・ブヌ、グラナダのルイ・シウバ、エイバルのマルコ・デミトロビッチらも素晴らしいセーブを連発している。

アトレティコの守護神オブラクはここまで18試合で8失点に抑えている 【(C)LaLiga】

注目の若手

今季もラ・リーガ・サンタンデールでは多くの若手有望株が台頭している。その一人はバルセロナのロナルド・アラウホ。ジェラール・ピケの長期離脱により、最終ラインで大きな責任を担うことになった21歳のウルグアイ人DFは、ここまでリーグ有数のセンターバックに数えられるほど高いパフォーマンスを発揮している。

新生バルサを支えるもう一人の若手はペドリだ。昨夏にラスパルマスから加入した18歳は瞬く間にメッシらチームメートの信頼を勝ち取り、並み居るディフェンダーたちを翻弄するほどのクラックに急成長している。

アラウホはピケ不在のバルセロナで先発に定着 【(C)LaLiga】

ペドリは驚くべきスピードでバルセロナの主力に成長した 【(C)LaLiga】

数々の優秀なMFを輩出してきたアスレティック・クルブのアカデミー「レサマ」からは、新たにウナイ・ベンセドールが台頭。20歳のボランチはシーズン半ばの監督交替後も先発を維持している。他にもバレンシアのユヌス・ムサ(18)、レアル・ソシエダのアンデル・バレネチェア(19)、エイバルのブライアン・ヒル(19)ら若いサイドアタッカーが活躍。1対1の突破力に長ける彼らは、それぞれのチームで貴重な戦力として重用されている。

アスレティックのボランチに定着しつつあるベンセドール 【(C)LaLiga】

レアル・ソシエダのバレネチェアは鋭いドリブル突破が持ち味 【(C)LaLiga】

ブライアンはレンタル先のエイバルで攻撃の中心となっている 【(C)LaLiga】

18歳のムサは主力を大量放出したバレンシアで貴重な戦力に 【(C)LaLiga】

前半戦のベストゴールは?

まだ延期されいる数試合が未消化ながら、19節終了時点で生まれたゴール数は451に上り、その中には素晴らしいゴラッソがいくつも含まれる。

技ありのゴールでは、アトレティコ対ベティスでマルコス・ジョレンテが角度のないところから決めた先制点、アスレティック対バルセロナでメッシがペドリとのコンビネーションから決めた逆転ゴール、ウエスカの岡崎慎司がグラナダ戦で決めたラ・リーガ・サンタンデール初ゴールなどがある。

岡崎は第12節グラナダ戦で約35メートルのロングシュートを流し込んだ 【(C)LaLiga】

中長距離からのゴールでは、バルセロナのアントワーヌ・グリーズマンがオサスナ戦で決めた豪快なボレーシュート、エイバルのキケ・ガルシアがレアル・マドリー戦で決めた鮮やかな右45度からのシュート、レアル・マドリーのエデン・アザールがウエスカ戦で決めた左足の弾丸シュート、オサスナのファクンド・ロンカグリア、ヘタフェのダミアン・スアレスがそれぞれセルタ戦で決めた強烈なミドルシュートなどが挙げられる。

また第19節のエイバル対アトレティコでは、エイバルの守護神デミトロビッチがPKのキッカーを務め、アトレティコのオブラクから奪ったゴールが話題になった。後半戦でも驚くべきゴールの数々が見られることを期待したい。

エイバルのデミトロビッチは第19節アトレティコ戦でPKのキッカーを務め、先制点を記録 【(C)LaLiga】

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