創設37年目にして初めて阪神開催となるマイルCSを展望する
【2020/10/24 東京11R 富士ステークス(G2) 1着 5番 ヴァンドギャルド】
年齢別成績
■表1 【年齢別成績】
牡牝・東西別成績
■表2 【牡牝・東西別成績】
前走1着馬・前走距離別成績
■表3 【前走1着馬・前走距離別成績】
表3は、前走1着馬に限った前走距離別成績。「今回延長(前走1500m以下)」「同距離(前走1600m)」「今回短縮(前走1700m以上)」を比較すると、明らかに同距離の成績がいい。つまり、前走で1着になるような好調馬にとっては、距離が変わらないほうが好都合なのではないか。一方、前走1着でも今回延長・短縮の好走率はだいぶ下がる。距離が異なる今回、勝った前走のような走りを見せられるとは限らない、ということを意味しているのかもしれない。
前走2、3着馬・前走距離別成績
■表4 【前走2、3着馬・前走距離別成績】
前走4、5着馬・前走距離別成績
■表5 【前走4、5着馬・前走距離別成績】
前走6〜9着馬・前走距離別成績
■表6 【前走6〜9着馬・前走距離別成績】
2020年マイルCS登録馬
■表7 【2020年マイルCS登録馬】
【結論】
上位人気が予想されるグランアレグリアは今回延長、サリオスは今回短縮となり、前走1着馬としては歓迎材料にならない。また、いずれも関東馬で、前者は過去10年で連対例がない牝馬でもある。今回のデータでは思いのほか順風満帆とはならなかったが、ともに阪神芝1600mのG1を制した実績があるだけに、例年とは異なる阪神開催を味方につけて過去の傾向を覆したいところだろう。
前走2、3着の場合、距離が今回延長・短縮となる馬の好走が多い。該当するのはスワンS3着のアドマイヤマーズとスプリンターズS3着のアウィルアウェイ。ともに関西所属の4歳馬だが、牡馬のアドマイヤマーズのほうがデータ的にはより有望で、この馬も阪神芝1600mのG1を勝った実績を有している。
前走4、5着になるとそもそも好走率が下がってくる。可能性があるとすれば同距離か今回短縮で、該当するのはタイセイビジョンとペルシアンナイト。激走傾向のある前走6〜9着も無視はできないが、該当するスカーレットカラーは好走率が低い牝馬、ベステンダンクも好走例がない7歳以上に合致してしまっている。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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