ラグビー界の"あびこ工房戦隊"を知ってるか?鬼監督・吉廣広征に迫る。【後編】
どことなく哀愁漂うメッセージもさることながら、実はこの発信元は選手達であり、『新生あびこ工房戦隊』…なる名称もついている。
前編では『あびこ工房戦隊』の変遷やグッズ制作への想い、戦隊として苦労した闘いにも触れたが、
(前編はこちら:https://sports.yahoo.co.jp/official/detail/202009110053-spnaviow)
後編では鬼監督・吉廣選手の奮闘記や今季への想い、絶対に叶えたい理想の姿に迫った。
※NECグリーンロケッツは9月17日に所属選手の新型コロナウイルス感染者陽性判定を受け、陽性者については保健所の指導を得ながら然るべき医療処置を施し、濃厚接触者についても保健所の指示のもと、感染拡大を防止するために自宅待機となった。
新シーズンの日程もトップリーグから発表された後、10月8日にチームは活動を再開し、NECグリーンロケッツだからこそできること・すべきことを語ってくれた。
2週間の自宅待機ののち、全員の陰性が確認されチーム活動が再開されることとなりました。
元々手洗い、うがい、消毒などだけでなくクラブハウス内の動線や滞在時間の制限など細かいルールも決まっていました。それでも出てしまったことからさらにいくつかのルールを設けて活動しているところです。
活動自粛中にはSNSも発信を停止していましたが多くのファンの方々から投稿やコメントをいただき選手もとても励まされました。こういったファンの方々のためにもグラウンドでしっかり戦う姿をお見せしたいですし、グラウンド外のところでも徐々にグリロケ色を取り戻して以前のようにファンの方々とたくさん交流できればと思います。
ーーありがとうございます。それではファンもお待ちかねかと思いますので、あびこ工房戦隊の真なる部分に迫っていきたいと思います。
チームにとっての大きな財産
しっかり届いています!本当にうれしくて鬼の目にも涙です。(笑)
ファンの皆さんに喜んでもらえるものを一緒に作っていきたいので、こういった声は作っている選手たちもとても喜んでいます。
SNSなどグラウンド外の活動から興味を持ってグッズ購入までしていただけるファンの方がいることはチームにとって大きな財産だと思います。
『ファンの皆様にも競争に入り込んでもらいたい』
『競争』です!
マスクは1〜15番まで制作し、それぞれの番号に該当する選手が告知動画をSNSに上げていて、販売開始後は定期的にどの番号が何枚売れているか選手に伝えることにしています。一番早く売り切れた番号の選手には賞品も考えていて競争心を煽っているので、ファンの皆様にも途中経過をどんどん公表して競争に入り込んでもらいたいと考えています。
形としては今年はファン参加型のグッズ販売を目指しています。
買ってからだけでなく買うところから楽しんでもらいたいと思っています。
そのためマスクケースもマスク同様、FWとBKの2デザインを制作しました。FW、BKそれぞれ告知動画でPRして、どちらが売れるか勝負します。「FW派?BK派?結婚するならFW?付き合うならBK?」などラグビー界でのこの永遠のテーマに終止符を打ちたいと思います(笑)
エコバックは大盛況で早期に売り切れてしまったので追加しました!10月18日までキャンペーンが延長になったので随時結果を皆さんに公表して動向を楽しんでもらいたいと思っています。
選手のギャップにも反応してくれるファン
やはり1〜3番は普段から人気があるので優勝候補だという意見が多かったです。
《1番:瀧澤、前島、タキタキ/2番:川村、佐藤、新井、カイ/3番:土井、田中、足立、當眞》
蓋を開けてみると15番が10時間ほどで完売一番乗りだったので総監督のメンツが保たれたかなと思っています(笑) 《※15番は鬼監督・吉廣選手自身の番号》
私がどうこうというよりはグッズ作成経緯やグッズに対する想いなどをSNSでしっかりと拾ってくれるファンの方が多いので、その結果だと思っていますし、非常にうれしいです。あとは15番の告知動画で普段おとなしい高平選手の大きな叫び声と私の土下座効果が少しあったかなと思います。(笑)
昨年の年間売上を初日で半分達成という過去にない偉業。
マスクは全番号購入いただいたスーパーファンの方がいらっしゃいます!全番号の入ったスペシャルBOXを作成しておけばよかったかなと思ったくらいです。
全体的なことで言うと…具体的な数字は言えませんが(笑)
昨年の年間売り上げをキャンペーン初日で半分達成しました。本当に普段からSNSで応援していただいている方々のおかげで感謝しかないです。試合で勝つことはもちろん、いろんな形でファンサービスをして還元させていただきたいと思っています。
『コロナの影響を他の選手に背負わせるわけにはいかない』
マスク、マスクケース、エコバック、トートバック、リップ(廣澤選手と共同)ですね。
2021シーズンのトップリーグの日程は発表されましたがコロナの関係でリーグとしての動員人数には変動要素があって集客状況が見えず、商品が余った時の責任を他の選手に背負ってもらうわけにはいかないので今年度は多く私自身が手掛けましたが、これから冬にかけては各選手プロデュースの商品がどんどん出てきますのでお楽しみに!
ーーNEWERACAPは前作も大人気で今回も好調とのこと。一方でバスケシャツはInstagram Tシャツで時の人となった廣澤選手プロデュースとのことですが…(笑)
より細かなところはこの【後編】の反響次第で廣澤選手が語ってくれると思いますので、是非SNSにコメントを寄せてください(笑)
形にしたいものが沢山あるからこそ、困難は山ほどある。
プロ野球やJリーグ、Bリーグのグッズ展開や価格設定はいつも参考にしていて、暇さえあればサイトを見ています。
困難は毎回山ほどあります!(笑)一番は価格設定とロットの部分ですね。
買っていただける金額と、より多くの方にお届けしながら在庫が出ないようにするロットの間でいつも揺れています。
コロナの関係もあり手洗い関係のグッズを作りたかったので、泡で出るタイプのハンドソープの先端に取り付けるもので、取り付けることで泡がラグビーボールの形で出てくるというものを作ろうと思いました。作成出来ることにはなりましたがロットが1万個と言われました(笑)それでも作りたいと思いましたが、さすがに断念せざるを得ませんでした。
手洗いがより大事になってきているこの世の中で、泡がそのまま出てくるよりラグビーボールで出てきた方が、手洗いの時皆さん楽しいですよね??(笑)
陽性者を出してしまった我々だからこそ日々更に気を付けて、少しでもリスクを減らせる行動を示し続けていきたいと思います。
ーー山ほどある困難を超えてつくったグッズ。今回はファンにどう使ってほしいですか?
試合の時はもちろんですがとにかく普段から使ってほしいです!
仕事や出かけるとき身についていることでテンションが上がる、部屋にあるだけでなんとなく明るい気持ちになる、そんな使い方になっていたらとてもうれしいです!
グッズの背景にある<個性>こそ価値なり。
まずはあびこ工房戦隊のブログを見てほしいです。
文章はすべて選手自身で書いているので個性がとても出ています。グッズの中身もそうですが選手の内面もチェックしてもらえると面白いと思います!
『地域の憧れや誇りでありながら身近に話しかけられる存在に…』
今は「グッズ販売でとにかく利益を!」というスタンスではありませんが、将来的にはグッズの利益で地域や子供たちに還元したいと思っています。
具体的にはグッズの利益をうまく活用して公園でグリーンロケッツの帽子を被った子供たちがラグビーボールでパスをしたりキックをしたりして遊んでいる光景を作りたい。そこに選手も混ざって一緒に遊ぶ。
週末試合があった次の月曜日に学校で『○○選手強かったな!今週はホームゲームだな!お前何時に行く?』という会話が生まれる。地域の憧れや誇りでありながら身近に話しかけられる存在になる。簡単ではありませんがいつかそういう光景にしたいという夢があります。
ーー最後に一言お願いします!
とにかく試合で勝つこと、感動してもらうこと。そして、喜んでもらうこと。これに尽きると思います。
ファンの皆さんがグリーンロケッツのグッズを身に付けていることが誇らしくなるような集団になりたいと思っています。また、グリロケグッズを身につけている人同士でなんとなく連帯感が生まれたりコミュニティが生まれたらうれしいです。そのためにこれからもグリロケらしく選手からどんどん主体的に取り組んでいきたいと考えています。
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