日本初!フットサルクラブによるオフィシャルカフェ。なぜフウガドールすみだは飲食店経営に乗り出したのか?
【フウガドールすみだ】
プロジェクト責任者はクラブのレジェンド
【フウガドールすみだ】
「いらっしゃいませ!」
元気の良い声でお客さんを迎えているのは、今回のプロジェクトで責任者を務める金川武司だ。フウガのキャプテンとしてチームを長年引っ張り、2016年に惜しまれながら第一線を退いた。その後も下部組織やスクールのコーチ、トップチームのテンションコーチとして働いてきた。エプロンをつけたクラブのレジェンドがオープンまでの流れを説明する。
「ここが空きテナントになっていたので、墨田区が事業者を公募することになったんです。そこで『フウガさん、やってみませんか?』と声をかけていただいて」
とはいえ、金川は飲食店については「学生時代にアルバイトをしていた」程度の経験しかない、いわば素人だ。クラブのスタッフにも、専門的な知識を持った人間はいない。完全に未知の領域ではあったが、金川の中には「面白いことができるんじゃないか」という予感があった。「やってみよう」。そう決めるとアドレナリンが湧き出てきた。
【フウガドールすみだ】
がむしゃらに走って、誰よりも汗をかく──。現役時代からまったく変わらないエネルギッシュな姿勢は実を結んだ。数社によるコンペの結果、フウガが事業者に選定されたのだ。とはいえ、喜んでいる暇はない。文字通り、ゼロから立ち上げるため、やることは山積み。金川と個人的なつながりのある飲食店経営者や、デザイン事務所などの協力を得ながら、頭の中にあるイメージを一つずつ具現化していった。
【フウガドールすみだ】
「大画面でスポーツを見られる環境がどうしてもほしかったんです。例えば、ホームゲームの時は、その日の試合を見ながら語り合ってもらったり、地方でのアウェイの時はパブリックビューイングをしたり。もちろん、僕らの試合だけじゃなく、スポーツのイベントがある日はみんなで見るイベントも企画したいです」
カフェとしての営業時間は基本的には11時から19時まで。ただ、19時以降はイベント会場としての利用に切り替える予定だという。そこには、この墨田区総合体育館という立地ゆえの事情もある。
「公園のど真ん中にあるので、どうしても夜になると人が少なくなります。だから、夜に関してはイベントをどれだけできるかが勝負になると思っています」
【フウガドールすみだ】
「選手が働いていて、コミュニケーションをとって、試合を見に来てもらう。エプロンを着ていた人が試合会場で目の色を変えてやっているのを見てもらう。そんな風になれば最高だなと思います」
かつて、「すみだ」がチーム名についていなかったころのフウガといえば「ジャイアントキリング」が代名詞だった。自分たちより強い相手になればなるほど燃えて、怖いもの知らずの若さと勢いで倒していった。2009年、地域リーグ時代に名古屋オーシャンズを下して日本一になったのは、その象徴だ。
それから10年が経った今のフウガに、「ジャイアントキリング」という言葉は良い意味で似合わない。地域に寄り添い、自分たちにできることを一つ一つ積み重ねて、みんなの幸せを創り出す。この「SWITCH ZERO CAFE」は、地域密着型クラブ・フウガドールすみだを象徴する場所になるはずだ。
【フウガドールすみだ】
施設名称 : SWITCH ZERO CAFE with FUGADOR SUMIDA
施設住所 : 〒130-0013 東京都墨田区錦糸4-15-1 墨田区総合体育館2F
アクセス : 「錦糸町駅」北口より徒歩約3分、錦糸公園内
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