マリーンズ広報のよもやま話 第7話

千葉ロッテマリーンズ
チーム・協会

【千葉ロッテマリーンズ梶原 紀章広報メディア室長 撮影 加藤夏子】

 早いものでシーズンも残り40試合となった。103試合が終わった事になる。光陰矢の如し。つい最近、石垣島で春季キャンプを開始した感じがする。首位のソフトバンクホークスと5・5ゲーム差の5位。苦しい立場には変わりはないものの、夢は広がる。

 広報としては様々な局面を想定しておかなくてはいけない。それは良い事も悪い事もである。そのために大事なのは大局観を持つ事である。目の前の勝利に浮かれず、1敗に落ち込まず。最低でも1週間単位。出来れば1カ月単位で千葉ロッテマリーンズというチームの状況と見どころ、今後の推移を推し量る必要がある。

 今、この時期にどのような情報や話題を投入すべきか。そして9月に向けてどのような情報の準備を進めたりすべきか。様々な可能性がある中である程度、すべてに対応できるように頭でシュミレーションをする必要がある。

 プロ野球広報の一番の難しさは実はここにあると思う。どんなベテランでも試合展開やペナントレースの予想を当てるのは不可能だから。野球は意外のスポーツ。いくら何年もプロ野球に携わり、2000試合以上のプロ野球を見て来ても、「まさか」の事態と直面することばかりである。その時の臨機応変の対応をするためには「大局観」ではないが、今後の展開を決めつけないことである。

 今日は新人選手が先発だから勝っても5イニングだろうと決めつけて完封勝利することもある。8連勝中で相手は最下位だから大丈夫だろうと思っていたら大敗し、そこから連敗が始まる事もある。「まさか」だから野球は面白いのだが、情報発信のビジョンや方針を作る広報としては想像以上に難しい選択と判断、対応が要求されることが多い。

 ペナントレースもいよいよ佳境に突入する。選手たちは心身ともに疲れながらも力を振り絞り、魂を燃やしいてる。12球団の広報も様々な思惑や今後の想定を行いながら、色々な局面に合わせた心構えをしている。そのほとんどが残念ながら日の目を浴びることはないのは寂しい限りだが、広報もまた戦っていることをぜひ知っていただきたいし、そんな舞台裏を想像して楽しんで欲しい。

文・千葉ロッテマリーンズ広報メディア室 梶原 紀章(かじわら・のりあき)
 
 1976年8月18日生まれ、大阪府吹田市出身。東京都私立郁文館高校〜関西大学。99年に産経新聞社に入社後、サンケイスポーツ運動部に配属し、00年にオリックス担当、01年から04年まで阪神担当。05年に千葉ロッテマリーンズに入団し主に広報業務を担う。11年にはチケット営業も経験。現在は広報メディア室室長。
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