前走・皐月賞(G1)は終始、荒れた内の馬場を走らされて初黒星(4着)。最内枠がアダになったが、直線で一旦は先頭に並びかけて見せ場を作った。東京コースでは新馬戦→共同通信杯(G3)と連勝しており、適性は十分。1週前に美浦Wで6ハロン77秒9、ラスト1ハロン11秒0の好時計を叩き出すなど、仕上がりも万全だ。逆転戴冠を果たし、堂々と世代の頂点に立つ。

皐月賞(G1)では好位から直線で一旦は抜け出す形。ゴール寸前でジオグリフに強襲されて涙をのんだが、5カ月ぶりの直行ローテで2着を確保したのだから力はある。東京スポーツ杯2歳S(G2)を上がり3ハロン32秒9で差し切ったように、決め手が生きる東京コースはピッタリ。ひと叩きされデキは上向いており、大一番で豪脚が炸裂しそうだ。

混戦の皐月賞(G1)を制し1冠目を奪取。課題のスタートを決めて好位で折り合うと、鮮やかに差し切りを決めて気性面の成長を見せた。短期放牧から帰厩後も順調にメニューを消化しており、追い切りの気配は前走以上。父ドレフォンが短距離馬で距離延長がカギになるが、2冠達成も夢ではない。

2019年に生産されたサラブレッドは7522頭。その中から一生一度の大舞台に立てるのはわずかに18頭。オークスではスターズオンアースが3番人気に応えて2冠を達成したが、牡馬クラシック2冠目を制するのはどの馬か。過去10年のデータでレース傾向を探ってみたい。

連対馬は3−5、1−3、3−1、1−5、3−2、2−3、5−4、12−3、1−2、4−1番人気の組み合わせで決まった。1、2番人気は5、3連対で物足りない成績だが、3番人気が6連対と健闘。1〜3番人気が10回中7回で優勝し、連対率も70%とまずまずの成績を残している。

馬連配当は
3 け た......4回
1000円台...3回
5000円台...1回
7000円台...1回
万 馬 券......1回

12番人気が勝利した年に1万1200円と荒れ、そのほか5000円以上の高配当も2回あったが、7回は2000円未満で決着。荒れるか、堅いかの両極端の結果が出ている。

一方、3着に7、8、12、3、1、1、16、2、10、9番人気が入線した3連単配当は8万円台、5万円台、10万円台、1万円台、4600円、1万円台、285万円台、19万円台、5140円、5万円台。こちらは18年に285万馬券が飛び出し、10万馬券も2回と波乱含みの傾向を見せている。

連対馬のステップは
皐月賞組【7.8.5.66】
京都新聞杯組【2.1.1.19】
毎日杯組【1.0.0.5】
青葉賞組【0.1.3.19】

皐月賞組が15連対と他路線を圧倒。大きく離されて京都新聞杯が3連対で続き、毎日杯、青葉賞組1連対の順。本番と同じ舞台を前走で経験した青葉賞組に優勝はないが、馬券圏内4頭と健闘していることは見落とせない。

また、馬券対象30頭の前走成績は【13.6.4.1.1.5】(1〜5着、着外)。25頭は掲示板を確保し、残る5頭も6〜8着の入賞圏内。レースを問わず9着以下からの巻き返しは厳しい。

キャリア別は
3戦 【1.0.0.6】
4戦 【3.4.2.24】
5戦 【4.4.4.31】
6戦 【1.1.3.34】
7戦上【1.1.1.53】

連対率はそれぞれ14、21、19、5、4%。キャリアは幅広いが、率を加味すれば3〜5戦馬を狙いたい。

所属別は
関東馬【2.5.5.52】
関西馬【8.5.5.96】

連対率は11、11%。関西馬が優勝数で大きくリードしているが、連対率は互角。関東馬も侮れない。

スタート地点は先週のオークスと同じ直線の坂を上り切ったところ。枠番別成績は
1枠 【3.2.1.14】
2枠 【1.1.2.16】
3枠 【1.0.1.18】
4枠 【0.2.1.16】
5枠 【2.1.0.17】
6枠 【1.3.2.14】
7枠 【1.1.2.25】
8枠 【1.0.1.28】
(14年と昨年は17頭、14年は7番取り消し)。

内と外に大別すると、
内の1〜4枠は【5.5.5.64】
外の5〜8枠が【5.5.5.84】

1〜3着数は内外イーブンの5頭ずつ。枠の内外による有利不利は気にしなくても良さそうだ。

勝利数別は
1勝 【0.0.0.14】
2勝 【4.1.4.74】
3勝 【4.7.6.51】
4勝上【2.2.0.9】

今年4勝以上からの出走はないが、1勝馬に連対の例はなく、勝利数が多ければ多いほど連対率が高くなっている。(たま)


◎......ドウデュースは前走・皐月賞で4コーナー大外に出してメンバー最速の33秒8の脚で迫ったものの、小差の3着。先行有利な流れに泣き、あと少しのところで戴冠を逃した。昨年無傷の3連勝でG1を制し、JRA最優秀2歳牡馬に輝いた逸材。ダービー最多5勝のレジェンド武豊騎手が復活Vで世代の頂点に導く。

○......イクイノックスは新馬戦、東京スポーツ杯2歳Sを連勝し、ぶっつけで皐月賞へ直行した。その前走は5カ月ぶり、大外枠と条件は厳しかったが、積極策で直線勝負。勝ち馬の決め手には屈したが、1馬身差の2着に食い込んだ。キタサンブラック産駒で距離延長は望むところ。たたき2戦目の上積みも見逃せない。

▲......マテンロウオリオンはニュージーランドTがアタマ差、前走NHKマイルCがクビ差。勝ち切れないが、2戦とも上がり3ハロンを最速の末脚で追い込んだ。距離不安もささやかれるが、母の父キングカメハメハはNHKマイルC1着からダービー制覇。【2.3.0.0】と底を見せず、直線の長い東京コースも合う。

△1......ジオグリフは皐月賞を快勝。前走は好位の馬群の中を追走。道中同厩のイクイノックスをマークしながら直線の坂を上がると、一気に突き抜けた。レースぶりに成長が見られ、反応も鋭い。5戦中3戦でメンバー最速の上がりをマーク。決め手勝負に持ち込めれば2冠への視野も大きく開ける。

△2......ダノンベルーガは前走・皐月賞で4着。馬券に絡めなかったが、スタートから馬場の荒れた内を走らされ、スタミナを消耗しながらも勝ち馬と0秒3差と大きく崩れていない。2走前の共同通信杯は中団からメンバー最速の上がりで楽々と抜け出し、後続と1馬身半差。重賞勝ちの東京なら期待も高まる。

△3......プラダリアは初勝利に3勝を要したが、2400Mの未勝利を7馬身差で圧勝。続く青葉賞も快勝してダービーへの切符をもぎ取った。初コースの東京で本番と同じ舞台を勝ち切ったのは大きな強み。鞍上は師の兄・池添謙一騎手。昨年は兄弟参戦で14着だったが、今年も兄弟制覇を合言葉に出陣する。