2025センバツLIVE! 全32校アンケート分析

【市和歌山】オフに全員で海 育んだ「一体感」で秋の全国王者に挑む(和歌山県)

毎日新聞

大黒柱は川辺主将 エース・土井投手は制球力が光る

主将としてチームをけん印する川辺謙信選手 【松田雄亮撮影】

 昨秋は和歌山大会3位校ながら近畿大会4強に進出。21年の小園投手、松川選手のバッテリーのような飛び抜けた選手はいないものの、半田監督は「65~70点の子が多い。つながりという面ではスムーズ」と評する。

 チームの支柱は正捕手の川辺主将。入部間もないころからリーダーシップを発揮し、チームをまとめてきた。前チームでは4番を任されるなど打力もあるが、昨秋は負担を減らすために6番に。それが奏功したのか、近畿大会準々決勝・立命館宇治(京都)戦で本塁打を含む4打数4安打3打点と活躍し、コールド勝ちに貢献した。

 投手陣は、エース右腕・土井投手が安定している。制球力に自信を持ち、近畿大会全3試合に先発し、計19回3分の2を投げ、与えた四死球はわずか1だった。変化球は縦に落ちるカーブ、チェンジアップに加え、昨秋の和歌山大会の直前に習得したカットボールが有効だった。試合によっては「(投球の)7割がカットだった」と言うほど信頼している。中学時代は小園投手、松川選手と同じ貝塚ヤング(大阪)に所属し、先輩超えを狙う。2番手には最速140キロ超の本格右腕・丹羽涼介投手も控える

 打線では川辺主将のほかに、半田監督が「あんなにコンタクトできる確率が高い打者はなかなかいない」と絶賛する石山大翔選手に期待が掛かる。2年生ながら中軸を任される森本選手、井上漸晟選手は好機での一打が持ち味だ。連打を望むのは容易ではないことから冬の間は走者、守備をつけたケースバッティングに時間を割き、細かな作戦を実行できるように練習を積んできた。

集大成の夏見据え 春4強目指す

近畿大会の準々決勝で勝利し、笑顔で駆け出す市和歌山ナイン 【松田雄亮撮影】

 川辺主将、土井投手らも出場した昨夏の和歌山大会では初戦で田辺に敗戦。実戦練習を繰り返した。センバツ出場決定も選手に浮かれた様子はない。昨秋の和歌山大会準決勝では和歌山東、近畿大会準決勝では智弁和歌山に敗れているからだ。半田監督は「センバツで勝ち上がって、夏にぶつけていきたい」と青写真を描く。

 川辺主将は「一戦一戦をしっかり戦って、ベスト4に入りたい」と準優勝した1965年の37回大会以来のセンバツ4強入りに意欲を示す。

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