仲間を思うからこそ、厳しくなれる。キャプテンの“独り立ち”

九州電力キューデンヴォルテクス ウォーカー アレックス拓也選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

「かっこつけても化けの皮がはがれるし、自分に合わないことをやっていてもチームの信用を失うだけ。自分のカラーをしっかりと出してみんなについて来てもらえるように自分の芯をしっかりしたい」

昨季に続き、今季もキャプテンを務めるウォーカー アレックス拓也は今季の開幕前、キャプテンの在り方についてこう語っていた。ただ、4人制の共同キャプテンの中の一人だった昨季に対して、今季は単独でのキャプテン。まさに独り立ちのシーズンになっている。

今村友基ヘッドコーチは「共同制にはもともと違和感があった」と話す。そこで「共同」の冠を外した理由をこう明かした。

「社員選手とプロ選手。ベテランと若手。さまざまな角度からバランスを取るために共同制を敷いていたのだと思いますが、若い選手に立場を与えることで責任も増すでしょうし、気兼ねなく発言できるようになるんじゃないかと考えました」

開幕前には「自分のキャプテンとしてのスタイルがどういったものなのかはまだ探っている」としつつも「言葉でも人を動かせて、背中でも示すことができるキャプテンはかっこいい」と理想像を掲げていた。

九州電力キューデンヴォルテクス 【©ジャパンラグビーリーグワン】

時間の経過とともに、今村ヘッドコーチの思いを感じ取るかのようにアレックスの振る舞いにはチームに対する責任の強さがにじんでいる。今季を迎えるにあたり、社員選手からプロ選手になったことでより自分のプレースキル向上に時間を割くことができるようになったのも、好影響をもたらしているのかもしれない。

今季のチームスローガンである『BE TOUGHER』をアレックスはこう解釈している。

「仲間に良い意味で厳しくなる。それもタフになるということだと思います。自分たちはチームメートとして互いのことをリスペクトはしているんですが、やっぱり仲良しクラブではいけない。仲間のことを思うからこそ、あえて厳しいことを言わなければいけない」

その言葉どおり、アレックスは厳しい言葉を投げかけることもいとわない。言うからには自分にも責任が伴うことも分かっている。だからこそ、自己研鑽に一切の妥協はない。

すべてはこのチームでディビジョン1に昇格するため。成長するキャプテンとともにこのチームは歩みを進めていく。

(杉山文宣)

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