低迷する名門に新たな風は吹くのか。大学ラグビー界屈指の才能がいざ初陣へ
世界一のコーチ陣に加え、多くの日本代表選手をそろえるトヨタVが低迷している要因は、キャプテンの姫野和樹をはじめ、多くの選手が負傷離脱してしまったことも理由の一つ。前節も試合中に松田力也が骨盤を負傷し長期離脱が確定。さながら野戦病院と化しているが、それでも楽しみな選手が次々と出てくるのが、トヨタVの強みである。
今節、初めてリザーブメンバー入りを果たしたのは、アーリーエントリーの青木恵斗と小村真也。ともに大学選手権で4連覇を達成した帝京大学の主力で、およそ3週間前にトヨタVに合流した。激闘を制したばかりでボロボロだったコンディションを急ピッチで整え、先週のMIRAI MATCHで猛アピール。ベンチ入りの切符をつかみ取った。
恵まれたフィジカルを武器に、大学選手権決勝でもトライを挙げるなど大活躍だった青木は、「ベンチ入りを伝えられたときは素直にうれしかったし、トヨタVは本当に選手層が厚いので、絶対にこのチャンスをつかみたい」と眼をギラギラと光らせる。彼のポジションであるフランカーには、ワールドラグビーが選出する男子15人制年間最優秀選手のピーターステフ・デュトイがおり、時には姫野が務めることもある。彼らが戻ってくるまでに自分の立ち位置を確立しておきたい。それは選手として当然の思いだろう。
試合2日前の練習で青木は、遠征の出発時間ギリギリまで一つ年上の奥井章仁とタックル練習に勤しんでいた。「大学ではやっていませんでしたが、トヨタVに来てからはずっと練習をしています。いろいろな先輩たちも個人トレーニングをしていて、自分も絶対にやらないと試合には絡めないと思ったので毎日やっています」と、すでに危機感をもって取り組んでいる。
世界を知るスティーブ・ハンセン ヘッドコーチ/D.O.Rからも「まだ完成されていないし、楽しみだ」と大きな期待を寄せられている青木はどんなファーストキャップを刻むのだろうか。
(斎藤孝一)
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