「チャレンジすることが好き」。世界一になったスターが相模原DBで抱く思い
ラグビーワールドカップ2023フランス大会、南アフリカ代表の優勝メンバー。ラグビー選手として輝かしいキャリアを持つカートリー・アレンゼが、三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)で戦ったシーズン前半をこのように振り返った。
相模原DBはここまで3勝6敗の9位。世界トップレベルのチームで活躍してきたアレンゼが、昨季は現役各国代表選手ゼロと成長過程にあるチームを選んだことには理由があった。
「チャレンジするチームが好きで、一緒に成長したいと思いました。このようなチームに、ほかのチームが甘く掛かってくることがあります。そこに対してみんなの想像以上(の結果を出すこと)に貢献するのが好きです」
グレン・ディレーニー ヘッドコーチは、プレーはもとより、アレンゼのグラウンド外でのチームへの貢献も高く評価している。アレンゼ本人もこう語る。
「練習中は自分のプレーでチームに貢献できるように意識していますが、練習後、特に若手選手が『一緒に練習したい』と言ってきたら、『いつでも自分の時間を使うよ』と伝えています。そこは選手として、人としてどんどん成長できる部分です」
その効果は第5節の横浜キヤノンイーグルス戦、小泉怜史の“チップキック”を使ったトライに表れた。小泉はそのプレーを振り返り、「アレンゼと練習していたテクニックを試合で発揮できたことは、自分の中で成長を感じます」と胸を張る。
一方で、前節の埼玉パナソニックワイルドナイツ戦は、岩村昂太キャプテンが語るように「スキルのところで遂行力が欠ける」という課題を残した。
「一人ひとりが自分のプレーに責任を取って、スキルを練習し続けること。オフの日でもできることはあるので、自分が必要だと思っていることを意識してやり続ける。回数を重ねることが一番大事だと思います」というアレンゼの言葉は重い。
リコーブラックラムズ東京戦から始まる後半戦に向けて、アレンゼは「チームは今季、すごく成長していると思いますが、まだまだミスがあったりするので、もっと一貫性を保つことが必要です。チームとしてプレーオフトーナメントに進みたいと思っていますし、実現すれば(トーナメントでも)できるだけ高いところにいきたいです。日本が大好きですし、一瞬一瞬を楽しんで、もっとみんなと仲良くなりたいです。そして、自分が帰るときに、もっと良いチームになっているように、どんどん貢献していきます」と先を見据える。
世界を知る男が最後尾から相模原の猪軍団を押し上げる。
(宮本隆介)
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