【九州電力キューデンヴォルテクス・猿レポ】選手がレポート!NTTリーグワン2024-25 D2 第6節 対花園L戦

チーム・協会
初めましての人もこんにちは。
試合後レポートを担当させていただきますプロップの猿渡です。

2月22日(土)、NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 ディビジョン2第6節目、花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)との試合が、長崎県にある"べネックス総合運動公園かきどまり陸上競技場"で行われました。

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

花園Lは昨シーズンまでディビジョン1に所属し、今季からヴォルテクスと同じディビジョン2で戦う強豪。
各国の代表選手が多く在籍し、フィジカルの強さはもちろん、個々のスキルも高く、圧倒的なアタック力を誇るチームです。
直近2試合で連勝し、勢いに乗る花園L。
対するヴォルテクスは、自分たちの持ち味であるディフェンスを武器に、積み上げてきたものをすべて出し切り、勝利を掴みにいきます。
そのための準備はすべてやってきた。あとは、自分たちを信じて戦うだけです。

また、試合の応援ゲストとして、ラグビー芸人の"しんや"さんと"青木マッチョ"さんにお越しいただき、試合前から会場を大いに盛り上げていただきました。

ラグビー芸人でゲストのしんやさん 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

"しんや"さんは私と同じ帝京大学ラグビー部の同期。
共に過酷な環境で4年間を戦い抜いた戦友です。
進む道は違えど、こうして再びラグビーを盛り上げられることが本当に嬉しく思います。
しんやさんは高校生をはじめ、多くのラグビーファンに声をかけられ大人気。

そしてさらに会場を沸かせたのが"青木マッチョ"さん。

芸人でゲストの青木マッチョさん 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

朝の生放送に出演されていることもあり、ラグビーファン以外の方々からも大注目。
そんな光景を見て、しんやさんは強がりつつも嫉妬していました。

さまざまなきっかけを通じて、より多くの方に試合を観に来ていただき、その中でラグビーへの関心を深めてもらえたら嬉しいです。選手としては、一人でも多くの方に試合を観ていただき、応援の声を届けてもらうことが何よりの力になります。きっかけは何でもいいと思います。ぜひスタジアムへ足を運び、熱い声援をよろしくお願いします!



花園L戦の試合メンバーはこちら
https://www.kyudenvoltex.com/game/p135


《試合内容・結果》

小高い場所に位置するかきどまり陸上競技場。風は方向を定めず吹き荒れ、時折顔を出す日差しも頼りにならない。芯から冷えるような寒さが肌を刺す。
天気予報は7度を示していましたが、体感はそれを大きく下回る。それでも、この試合の行方を見届けようと集まった観客の熱気は、時間が進むごとに熱を帯びていきます。
キックオフが近づくにつれ、スタンドには緊張感と高揚感が入り混じる。そして陽が高く昇った12時ちょうどにヴォルテクスのキックオフで試合が開始しました。


ヴォルテクスは試合の入りから積極的にプレッシャーをかけ、相手に主導権を渡さないよう攻め続けます。確実にエリアを意識しつつも、荒れ狂う強風により風上・風下の判断が難しい中、両チームが巧みなキックの応酬を展開。しかし、じわじわと花園Lに陣地を押し込まれ、ヴォルテクスは粘り強いディフェンスを強いられる中、トライラインに迫る花園Lは、自慢のフィジカルを活かして執拗なアタックを仕掛け続けます。
それに対してヴォルテクスも魂のタックルで食い止め、何度も起き上がりボールを奪い返す。互いに一歩も譲らぬ攻防が続き、前半15分までスコアは動かず。そして迎えた前半17分。
ついに試合が動き出す。

強烈なタックルで何度も相手のアタックを止めたキャプテンのウォーカー・アレックス拓也選手【8番 ナンバーエイト】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

相手のキックをキャッチすると、一気にカウンターアタックを展開。何度もフェーズを重ね、テンポよく細かいパスをつなぐと、最後は14番・齊藤剛希選手が大外を突破!そのまま中央まで駆け抜け、先制トライを決めると、ヴォルテクスらしい“ディフェンスからチャンスを活かすラグビー”に、会場は大歓声!コンバージョンも成功し、スコアを7-0とします。

相手を抜き去りトライまで一気に駆け上がる齊藤剛希選手【14番 ウイング】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

勢いに乗ったヴォルテクスは追加点を狙い、果敢にアタックを仕掛けますが、花園Lの堅守に阻まれ得点には至らず。逆に、花園Lにインターセプトからの独走トライを含む3トライを奪われる逆転を許してしまいます。
前半終了時点でスコアは7-19。
前半最後で立て続けに得点を許したものの、激しいコンタクトの応酬で、確実に消耗し合う試合展開。ヴォルテクスは、後半で逆転をするためにハーフタイムで再び意識を整え、逆転への準備を進めます。


後半2分、試合は再び動き出します。花園Lがラインアウトを起点にじわじわと前進し、最後は大外のスペースを突かれてトライを許してしまうと、さらに直後のペナルティキックも決められ、スコアは7-27と一気にリードを広げられることになります。

そんな苦しい展開の中、ヴォルテクスは要所で何度も鋭いタックルを決め、徐々にプレッシャーをかけ返していく。そしてついに、ヴォルテクスが自陣からアタックを仕掛け、確実に前進を重ねて相手のトライライン目前へ迫ります。
連続するアタックでタッチライン際で密集が生まれ、そこからこぼれたボールに誰よりも素早く反応したのは7番・山添圭祐選手でした。転がるボールをしっかりと掴み取ると、そのまま一気に押さえ込み、トライ!

トライを決める山添圭祐選手【7番 フランカー】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

自身の出身地・長崎での凱旋試合で、自らの公式戦初トライを決める劇的な瞬間に、会場のボルテージは最高潮に!スコアを12-27とし、反撃の狼煙を上げる。
この勢いでさらなる追撃を狙いたいヴォルテクスだったが、自分達のミスと相手の固い守備を崩しきれず、なかなか追加点に繋げることができず。
逆に23分、35分にトライを奪われ、スコアは12-39。最後まで果敢に戦い抜きましたが、試合終了のホイッスルが響きました。


《個人的見解と次戦に向けて》

試合の立ち上がりはディフェンスの時間が長くなる場面もありましたが、粘り強くプレッシャーをかけ続けたことでチャンスを生み出し、見事に先制点を奪うことができました。
全体として良い入りができたと思います。

しかし、試合を通してヴォルテクスのミスやペナルティがやや増え、相手に有利な状況を与えてしまったのも事実です。
また、接点の部分では相手の勢いを受けてしまう場面もあり、ディフェンスでしっかりと止め切ることができなかった点も課題として挙げられます。

相手ディフェンスのスペースへアタックする中靏憲章選手【22番 センター】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

細かい部分の修正や、やろうとしていたことを実現できなかった要因を一つひとつ改善し、次戦に向けて万全の準備を進めていきます。

《今週の個人的Pick up Player》

今回、私が選ぶPick Up Playerは2人。
1人目は、韓国出身のキム・ギヒョン選手(以下、キム選手)。ラグビーでは内に秘めた闘志を隠すことなくプレーに繋げ、チームの"激しさ"を引き出す仕事人。自分に必要だと思うものには努力を惜しまない、まさにストイックなプレーヤーだ。
2人目は、今回の試合会場の地・長崎出身の吉田隼人選手(以下、吉田選手)。どんな相手にも臆することなく、低いタックルで突き刺さる。
スローイングも上手でその泥臭くも愚直なプレースタイルは、まさに職人技だ。

今回は、そんなキム選手と吉田選手の2人にスポットを当てていきます。

まず最初に紹介するのはキム選手。

プロフィールはこちら。
https://www.kyudenvoltex.com/player/311

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

韓国出身、ソウル大学附属高校から日本の流通経済大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した選手。
ヴォルテクスに加入して2シーズン目になる選手です。


彼のプレースタイルを一言で表すなら「とにかく熱い!」体の強さはもちろん、思いっきりの良さと激しさが持ち味。
ポジションはフランカーとナンバーエイト。
タックルにボールキャリー、そしてスティールと、接点での仕事が求められるポジションですが、キム選手にとってはむしろそこが楽しくて仕方がないらしい。
まるでテーマパークにでも来たかのように、相手とのぶつかり合いを全力で楽しみます。しかも、どんなに大きな相手でも怯みません。
普通なら一瞬迷うような場面でも、キム選手は勢いそのままタックル&スティール。
チームの流れを変えるプレーをバンバン決めてくれます。

そんなキム選手の意外な一面が釣り好きということ!釣りを始めたのは昨年の秋。
ヴォルテクスの同期・竹下選手や江里口選手などと一緒に行ったのがきっかけだとか。
最近ではその輪もどんどん広がり、後輩や先輩まで巻き込んでヴォルテクス釣り部を結成!
竹下選手の地元・糸島まで遠征することもあるそうで、春には船釣りまで計画中とのこと。
本人からは「大漁狙ってます!」と宣言をもらったので、ぜひ釣果の報告にも期待したいところです。

そして、もう一つのキム選手の“強さ”の秘密は 食!母国・韓国の辛い料理が大好きだが、日本食も寿司・焼肉・ラーメンとなんでもイケる。
とにかく食べることが大好きとのこと。「強い体は強い食事から」とは言いますが、彼の場合は“強い胃袋”も持ち合わせているのかもしれません。ガッツリ食べて鍛え上げた体から繰り出される激しいプレーは、間違いなくチームに勢いをもたらしてくれるはずです。
これからのキム選手の活躍に乞うご期待!





次に紹介するのは吉田選手。

プロフィールはこちら。
https://www.kyudenvoltex.com/player/302

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

長崎県出身、長崎北陽台高校から筑波大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した選手。
ヴォルテクスに加入して5シーズン目になる選手です。


彼のプレースタイルを一言で表すなら 「愚直」。常に自分と向き合い、やるべきことを堅実にやり抜く姿勢が持ち味。
ポジションは フッカー。スクラムの中心として戦い、ラインアウトではスローイングを担います。プレッシャーのかかる大仕事をこなしつつ、タックルやサポートも一切手を抜かない。
先に紹介したキム選手の激しいタックルも見応えありますが、吉田選手のタックルは低く鋭く突き刺さるものでまた別の味わいを見せてくれます。セットプレーでは 微調整→実践→微調整 を繰り返し、精度を極限まで高め、その探求心とひたむきな姿勢が、チーム全体を底上げしていると考えています。


そんな吉田選手、もともとガジェット好きだった彼。ある日 RICOHの「GR IIIx」 を抽選で見事引き当てたことをきっかけに、カメラ沼へと足を踏み入れます。「まだまだ勉強中」と言いつつ、すでにその魅力にどっぷりハマっている様子。
また、彼は猫好きでもあります。実家や親族の家で猫と暮らしていたこともあるそうでその愛はとても深い。先日も福岡の新宮町から船で渡る「相島(通称:猫の島)」へと足を運び、自由気ままに生きる猫たちを堪能したそうです。
「猫カフェとかの狭い空間じゃなく、野生のままの姿がいい」とのことで、すでにカメラと猫という 沼 × 沼の二重苦(?) にハマっているのかもしれません。
これからも色んな魅力をカメラで切り取って欲しいと思います。そして僕もいつ被写体になってもいいように、笑顔の練習しておきます!

人間と猫、それぞれの世界があり、時には同じ世界で暮らしていく。必要があれば手を取り助け合う。
まさに ラグビーと同じ「ノーサイド」の精神。戦うときは徹底的に戦い、私生活では全力で楽しむ。そのメリハリの良さが、彼のセットプレーの精度や鋭いタックルにつながっているのでしょう。
「愚直」だけど ただの真面目な男じゃない。吉田選手の活躍に注目です!


《最後に》

次のリーグワン第節は、3月1日(土)に千葉県にある「柏の葉公園総合競技場」でNECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)と対戦予定です。

GR東葛は、かつてディビジョン1で戦っていた 実力派の強豪です。フォワード・バックスともに強力なフィジカル を誇り、攻守のバランスに優れたチームです。
昨シーズン、ヴォルテクスは GR東葛に対して2戦2敗。初戦は 24-41 で大差をつけられましたが、2戦目では 8-12の4点差 まで詰め寄り、あと一歩で逆転というところまで追い詰めました。
あれから1年。
ヴォルテクスは さらに進化し続けています。昨季の悔しさを胸に、 今度こそ勝利を掴むため、全力を尽くします!

試合後にインタビューを受ける長崎出身の竹ノ内 駿太選手【21番 スクラムハーフ】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

ぜひ会場にて引き続き皆様の熱い応援の程、宜しくお願い致します!




『猿渡 康雄ってどんな人?』
と思われる方もいらっしゃるかと思いますのでこの場を借りて私のInstagramのURLを貼らせて頂きたいと思います。
興味のある方はぜひチェック&フォローをお願いします!
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

国内最高峰のラグビーリーグ「リーグワン」に所属するラグビーチーム。九州全域(全県)をフレンドリーエリアとし活動しています。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント