「2024-25シーズン後半戦の巻き返しへ。」マイナビ仙台レディース 須永純監督インタビュー
「けがやコンディション不良から選手が戻ってきました。競争が生まれ、やる気に満ち溢れている状況です。リーグ戦前期は納得できる結果ではなかったのですが、少し上向きになってきたところで中断に入りました。少しだけ自信になっている部分もあります。良い部分はそのまま、そうでない部分は修正して、『後期こそいくぞ!』という気持ちがみんなの中で高まっています」
――トレーニングでも、実際に前期での課題を取り上げながら、失点シーンなど具体的に再現して修正を行っています。一つ一つ克服しながら前進していく過程ですね。
「良い部分を伸ばしつつ、一つ一つ課題をつぶしています。自分たちがやられてしまうところははっきりしているので、そこを修正しています。具体的に取り組んでいくことでチーム力は上がっていると思います。『去年の試合が終わったからもういい』ということではなく、成長できるようにアプローチしていかなければいけません。チームとしてもそうですし、チーム全体の課題を克服するために、個人もレベルアップしていかなければいけません」
「まず、GK横堀美優(国士舘大学)は、ダイヤモンドの原石だと思っています。身長が183cm。山根恵里奈以来のポテンシャルの高さです。これからトレーニングで磨いていかなければいけないところはたくさんありますが、キックの飛距離とハイボールの高さは、今の時点でもかなりレベルが高いと思います。代表レベルで注目されていく選手だと思います」
「彼女は守備範囲が広く、ボールを奪う能力が高い選手です。うちに今いる選手の中には、あまりいないタイプの選手です。MFの中でディフェンシブなポジションの選手なので、チームに安定をもたらす守備力があると思います。ここまで我々は失点してしまう試合が多かったので、それを少なくすることによって、より攻撃的な選手が生きてくると考えています。彼女がどのくらいフィットしてくるか、2月はそういうところを考える時間になりますね」
「キャラクターも含め、すっかりチームに溶け込んでいますね。インカレですごく活躍していました。彼女の得点能力は間違いないです。WEリーグでもすでに2点決めています。我々にとっては、ポジティブな攻撃力を持っていると思います」
「はい。彼女は技術レベルがものすごく高いので、自信を持ってその力を出せるようにしていくことです。WEリーグの選手たちはフィジカルが強い選手も多いので、守備面でどう適応していくか。適応が進んでいけば、中盤の競争に食い込んでいける力があると思います」
「前期もそう考えていたのですが、自分たちで主導権を取れる戦いを目指しています。今の時点では、まだまだ未熟でボールも簡単に取られてしまうかもしれませんが、そこで粘り強さや組織的に守るということはできるようになってきています。あとは切り替えのところですね。自分たちが準備しているところでは守れています。その上で、切り替わって組織化されていないところでの守りも成長させていかなければいけないと思っています」
――セットされていない状態でも守るためにはどういうことは必要になってきますか?
「守備のことではあるんですが、実は重要なのは攻撃なんです。奪われ方や攻撃時に陣形をどう取っていくか。どうやって攻撃するかというところなんです。攻守に関して、フットボールの世界ではどんどん“シームレス化”していて、攻守は一体化していると考えています。我々もそこは目指していて、攻撃しながら、攻撃に関与していないボールから遠い選手が何をするか。そういうところがすごく重要になると考えています」
――攻撃が、守備が、と分けて考えることはできないですよね。
「割合はありますが、攻撃の時に攻撃のことだけを考えていると、どうしても遅れてしまうんです。そういうところが課題なのですが、良くなってきているところもあるので伸ばしていきたいですね」
――キャンプでは3月のリーグ再開に向けて、どのように取り組んでいますか?
「開幕に向けてはメンバーを選んでいくこと。選手の組み合わせを複数持つことです。メンバーを固定してはいけないし、選手それぞれの良さがあると思っています。例えば左サイドには佐々木里緒の良さがあるし、高平美憂の良さがある。2月はそういう組み合わせを試していくことがメインになると思います。それぞれの長所、良さを調和させていく。バリエーションを増やしていくことですね」
――前期の開幕前にはけが人が増え、人のやりくりも大変でした。今度は同ポジションに複数の選手がいる中で、選ばなければいけないという嬉しい悩みもありますね。
「そうですね。それぞれの良さを発揮してもらいながら組み合わせのバリエーションをより多く作ります。そうすることによって、選手交代で“加速する”ことができます。ここまで戦ってきた中で、“加速させる”というよりは、戦いを“安定させる”タイプの選手が多かった。試合の状況に応じて、勝っているシチュエーション、負けているシチュエーションそれぞれの時にはどんな組み合わせが有効かなど、新加入選手も加わった中で考えていきたいと思います」
(取材:マイナビ仙台レディースオフィシャルライター・村林いづみ)
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