山下美夢有が本格デビュー戦で4位! 早期Vが期待される理由とは?

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米ツアー本格デビュー戦で安定感抜群のゴルフを披露した山下美夢有(写真は2025年ファウンダーズカップ 撮影/Getty Images) 【ゴルフサプリ】

アメリカLPGAツアーのシーズン2戦目「ファウンダーズ・カップ」は山下美夢有が日本勢最上位の4位となった。今シーズンからアメリカに主戦場を移しての本格デビューでの見事な成績は早期の勝利を期待させるものだった。

4日間すべて60台は優勝者と山下の二人だけ!

今大会での山下は初日からのスコアが68、67、67、69(パー71)でトータル13アンダー。優勝したイエリミ・ノとは8打の差がありましたが、4日間全て60台だったのは出場選手で山下とノの二人だけ。

4日間のボギー数「2」はトップ10の選手 で最少という安定度でした。
それも当然、と感じさせられるのが山下の「ゴルフIQ」の高さです。

「ファウンダーズ・カップ」でも発揮された“ゴルフIQ”の高さ

それが表れるのがラウンド後の取材時です。
ゴルフのメディア対応や会見では各選手がまず、その日のバーディやボギーなどスコアが動いたホールの内容について説明するのが慣例です。

それが具体的にどのようなものかというと、「○番ホールは残り○ヤードを○番アイアンで打って○メートル(欧米の選手ではフィート。1フィートは約30センチ)につけてバーディ」といったことを順番に説明していきます。

これを元に、各メディアで皆さんが目にするゴルフ記事は書かれています。

記者なのに見ていないの?と思うかもしれません。

野球やサッカーなど、基本的に目の前で全てのプレーが起きるスポーツでサヨナラホームランや決勝ゴールを見ておらず、試合後の選手に「どんな内容でしたか?」と聞いたら、あきれて相手にされないでしょう。

ですが、ご存じのようにあれだけ広大な敷地で選手が順番にスタートしていって、コース内のあちこちでプレーが同時進行するゴルフでは全ての選手をフォローするのは物理的に不可能です。
そのことは選手も承知しているので、内容について詳細に説明するというわけです。

絶頂期のタイガーやアニカを彷彿とさせる

この時山下は立て板に水のごとくスラスラと説明してくれます。

筆者は全盛期のタイガー・ウッズやアニカ・ソレンスタムも取材してきましたが、彼らがこの説明をする時はヤーデージブックを見ることもなく、「どうだったっけ?」というように説明につまることもなくスラスラと説明していたものでした。

ツアープロでも意外とすぐに思い出せない選手はいる中で、山下の対応力は秀逸で、タイガーやアニカを彷彿とさせます。


ラウンドや練習の質に差が出る

それがラウンドや練習での質の差になります。
試合で「このグリーンは手前から速い」「思ったよりも風が左からきている」といったことを瞬時に思い出せるか否か。そもそも覚えているかで結果が変わってくることは十分に考えられます。

プロゴルファーはラウンド後も練習をしますが、その際にプレー内容を覚えていれば対応や修正すべきポイントが明確になります。
その記憶力が優れているのは強いゴルファーの条件。山下はそれを持ち合わせている、ということです。

試合後のインタビューで4日間のボギーが二つだった理由を聞かれると「このコースはすごく難しいので色々考えました」と話していましたが、考えてすぐ対応できるのはゴルフIQの高さでしょう。

その結果がさっそく4位という好成績で反映されました。
それが自信にもつながる好循環で、早い時期にLPGAツアー初優勝が達成されることに期待十分です。

(文/森伊知郎)
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