寛容性とスピードを両立!キャロウェイ最新「エリート」シリーズドライバー4モデルを徹底解剖

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2025年1月、キャロウェイから2025年最新「ELYTE(エリート)」シリーズが発表されました。そこでクラブフィッターの小倉勇人さんに、エリートシリーズのドライバー4モデルをまとめて解説していただきました。

エリート シリーズの進化点

「エリート」という名前に込められたキャロウェイの思いは、実にさまざまです。

中でも特に重要なのは、寛容性とスピードという相反する要素の両立。この両立こそが、キャロウェイが考える「エリートの領域」であり、今回のモデルは、まさにその領域に踏み込んだと言えるでしょう。

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今回の進化のポイントは、AIの設計力を最大限に活かした「Ai 10x FACE」です。全モデルに搭載されています。

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前作の「Ai SMOKE FACE」では、オフセンターヒット時にフェース面が微細な震えを起こし、ボールの軌道を補正するコントロールポイントが2,500設定されていました。

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しかし、今作の「エリート」では、AI設計ソフトウェアのアップデートにより、その数が10倍の25,000ポイントにまで増加したのです。この10倍という意味を「10x」と表現して、今回のフェースは「Ai 10x FACE」になっているわけです。

まさに、エリートの進化を象徴するテクノロジーと言えるでしょう。

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フェースの進化に加え、航空宇宙分野でも使用される「サーモンフォージドクラウン」が採用されました。

このカーボン素材は、軽さと強度を併せ持つだけでなく、高い精度で設計することができます。そのため、空力性能や打感までも設計意図通りに製造することが可能になったのです。

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従来モデルではレール式だった可変ウェイトが、今作ではポート式に変更されました。ここも大きなポイントのひとつです。

エリート ドライバーの特徴

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前作のAi SMOKEはMAXがスタンダード、つかまるモデルがMAX Dでしたが、今回のエリートは、無印のエリートがスタンダードです。つかまるモデルがXで、MAX FASTとトリプルダイヤモンドは従来通りです。

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スタンダードのエリートは一番幅広いゴルファーに対応したクラブになっており、ミスを助けてくれるフェースが搭載されています。

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今作では、ウェイト部分が従来のレール式からポート式へと変更されました。ネジで固定するポート式にすることで、軽量化に成功。約13gのウェイトを、ポートの位置を変えることで自在に移動できるようになりました。これにより、約20ヤードもの左右幅で弾道を調整することが可能になっています。

従来のレール式では、レール部分にどうしても重量がかかってしまうという課題がありました。そこで、ポート式を採用することでレール分の重量を削減し、その分を余剰重量として確保。さらに、ネジ式にすることで調整ポイントを増やしています。

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さらに前方のフェース側にも約2gのウェイトを搭載し、後方のウェイトと合わせて自分好みに調整できるように設計されています。

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スタンダードモデルに関しては、より幅広いゴルファーのデータを注入して設計されていて、ミスに強いクラブに進化していると思います。

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エリート X ドライバーの特徴

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エリート Xは、ひと言でいうとドローバイアスに設計されたモデルです。

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最大のポイントはウェイトポートが、スタンダードモデルはフェード・ニュートラル・ドローの3ポジションでしたが、エリート Xはよりつかまりを考慮したニュートラル・ドローの2ポジションになっています。

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ヘッドもよりつかまりやすい形状で、しっかり右のミスを軽減するような設計になっています。

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スライサーや右へのミスの人のよく起こしやすい打点データをしっかり解析して、ミスを起こしやすいエリアに重点的にコントロールポイントが配置されたフェースになっています。

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エリート トリプルダイヤモンド ドライバーの特徴

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エリート トリプルダイヤモンド ドライバーは、従来のモデルと同じようにアスリートやしっかりボールを叩いていけるゴルファーなどに合わせた設計になっています。

フェース面もそのようなゴルファーが起こしやすい打点ミス、出て欲しくないミスなどのデータを解析して設計された「Ai 10x FACE」です。

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「トリプルダイヤモンド」モデルには、特別なカーボン素材が採用されています。クラウンにはサーモンフォージドカーボン、ソールにはフォージドカーボンを使用し、360°カーボンシャーシを構成しています。

この素材の組み合わせは、ターゲット層のゴルファーに最適な弾道特性を引き出すために選ばれたと考えられます。

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ウェイトは従来どおり前に約4g、後ろに約9gのスクリューウェイトを搭載しています。入れ替えることで重心の調整や弾道の調整をすることができます。

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エリート MAX FASTドライバーの特徴

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4本目はエリート MAX FASTドライバーです。このモデルが最も進化が大きいと思います。

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従来のMAX FASTドライバーになかった弾道調整機能、アジャストホーゼルが搭載されました。

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ウェイトに関してもXモデルがベースになっているので、MAX FASTも同様に。ウェイトポートがややつかまりと大きくつかまりの2つのポイントになってます。

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MAX FASTの「Ai 10x FACE」に関してはアジア人ゴルファーのデータを使って設計されています。特に日本人のゴルファーが起こしやすいミスに対して対応したフェースになっています。

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実際に軽くスイングするだけで、非常に安定した弾道が得られます。楽に飛ばしたいゴルファーには最適なモデルと言えるでしょう。

ただし、パワーヒッターにはあまりおすすめできません。ヘッドスピードが速いゴルファーの場合、つかまりすぎてしまう可能性があります。エリート MAX FASTドライバーは、ヘッドスピードが遅めのゴルファーが効率よく飛距離を伸ばせるように設計されていると思います。

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エリートシリーズ4モデル 試打した印象

前作「パラダイム Ai SMOKE」シリーズは、強烈なフックやスライスさえも真っ直ぐな弾道に変えてしまうほどの補正能力がありました。しかし、その強力すぎる補正能力に、私はある種の違和感を感じていました。

トゥ側でヒットした時など、ミスショットは多少なりとも曲がっていてほしい。それが真っ直ぐ飛んでしまうと、自分のミスと認識しづらく、次のショットへの修正が難しくなるからです。

ところが、エリートではその違和感が解消されました。コントロールポイントが増えたことで、ミスショットでも自然な弾道になり、自分の意図と結果が一致するようになりました。例えば、トゥ側に当たればほんの少しドローになる。この「ほんの少し」が、ゴルファーにとって非常に重要なのです。

エリートは、前作と比べて飛距離ロスも少なくなっています。安心して振り抜けるクラブになったと言えるでしょう。劇的な変化とまでは言えませんが、確実に進化しています。

特に、競技志向のゴルファーや、ドライバーで安定したショットを求めるゴルファーには、その違いを大きく実感していただけるはずです。

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各モデルは、それぞれ異なるゴルファーをターゲットに設計されています。もし、意図しない球筋が出たり、ミスショットの傾向が想定と違ったりする場合は、モデル選びを見直す必要があるかもしれません。

それぞれのクラブ特性を理解してスイングすれば、イメージ通りの弾道が得られます。私自身、その点を実感しています。

近年、各メーカーのドライバーは進化を遂げており、飛距離性能は頭打ちになりつつあります。その中で、エリートは安定性と操作性に重点を置いたモデルと言えるでしょう。

「劇的に飛ぶようになった」とまでは言えませんが、確実に進化しています。その進化を体感するためには、ぜひ試打比較をおすすめします。

エリートは、細部に至るまで進化を遂げたドライバーです。ぜひ、その進化を体感してください。

前作パラダイム Ai SMOKEシリーズのドライバーもチェック

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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