PGAツアー開幕戦は松山英樹が記録的V 勝負は3日目についていた?
死闘を繰り広げた2人。スコアの伸ばし合いは大会を大いに盛り上げた。(写真は2025年ザ・セントリー 撮影/Getty Images) 【ゴルフサプリ】
アメリカPGAツアーの2025年開幕戦「ザ・セントリー」は松山英樹がツアー最多アンダー記録を更新する通算35アンダーで優勝した。最終日は世界ランキング4位のコリン・モリカワと一騎打ちの様相となったが、実は勝負の大勢は3日目に決まっていたのかもしれない。
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最終ホールのバーディで最多アンダー記録を更新
「決めて35アンダーにすれば(最多アンダー)記録なのかな、という感じはしていた」という約2.5メートルのウィニングパットを決めると松山は力強いガッツポーズ。
このバーディで、2022年大会でキャメロン・スミスが作った通算34アンダーを更新するPGAツアー最多アンダー記録を樹立しました。
2位のモリカワに1打差でスタートした最終日は、松山が3番パー4で残り107ヤードからの2打目を直接決めるショットインイーグルで強烈に先制。常にリードを奪う展開。ですが、勝負の大勢は前日に決まっていたのではないか、と思わせるシーンが3日目にありました。
あわやロストボール、の状況から
打ち下ろしとはいえ550ヤードの距離がある17番パー4で松山のティショットは大きく右へ。
さらにカート道で大きく跳ねて「(ボールは)ないと思った」と本人が言うほどのミスショットでしたが、ボールはぎりぎりでブッシュに入らず済みました。
とはいえ、残り194ヤードの2打目はペアグラウンドから谷越えのグリーンを狙う必要がある状況。少しでもミスれば前のホールまで3連続バーディのいい流れを切ってしまいます。
17番ホールの難易度は3番目。この日全体で3つしか出なかったダブルボギーのひとつはここで記録されています。
ボールがあと1メートル右に行っていたらロストボールかアンプレヤブルとなっていたのを回避できた幸運を活かすためにもピンよりも右を狙ってセーフティーなエリアから攻めると思われました。
先にフェアウェイからの2打目をグリーンに乗せていたモリカワも同じように予想したのではないかと思います。
それが松山は迷わずグリーンを狙うとモリカワの9メートルより近い6メートルに乗せます。
このホールのスコアはともにパーでしたが、この状況でリスクを恐れずピンを狙ったプレーは、強烈なインパクトを与えたはずです。
このバーディで、2022年大会でキャメロン・スミスが作った通算34アンダーを更新するPGAツアー最多アンダー記録を樹立しました。
2位のモリカワに1打差でスタートした最終日は、松山が3番パー4で残り107ヤードからの2打目を直接決めるショットインイーグルで強烈に先制。常にリードを奪う展開。ですが、勝負の大勢は前日に決まっていたのではないか、と思わせるシーンが3日目にありました。
あわやロストボール、の状況から
打ち下ろしとはいえ550ヤードの距離がある17番パー4で松山のティショットは大きく右へ。
さらにカート道で大きく跳ねて「(ボールは)ないと思った」と本人が言うほどのミスショットでしたが、ボールはぎりぎりでブッシュに入らず済みました。
とはいえ、残り194ヤードの2打目はペアグラウンドから谷越えのグリーンを狙う必要がある状況。少しでもミスれば前のホールまで3連続バーディのいい流れを切ってしまいます。
17番ホールの難易度は3番目。この日全体で3つしか出なかったダブルボギーのひとつはここで記録されています。
ボールがあと1メートル右に行っていたらロストボールかアンプレヤブルとなっていたのを回避できた幸運を活かすためにもピンよりも右を狙ってセーフティーなエリアから攻めると思われました。
先にフェアウェイからの2打目をグリーンに乗せていたモリカワも同じように予想したのではないかと思います。
それが松山は迷わずグリーンを狙うとモリカワの9メートルより近い6メートルに乗せます。
このホールのスコアはともにパーでしたが、この状況でリスクを恐れずピンを狙ったプレーは、強烈なインパクトを与えたはずです。
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まるで“心を折る”ような勝ち方
1打リードでスタートした最終日も3番でのショット・イン・イーグルで松山のスコアが先に動きます。
2人揃ってバーディのホールのプレーを振り返ってみると、8番は松山が6メートルのバーディパットを4メートルに付けていたモリカワより先に決めます。
167ヤードと短いものの海に向かって打ち下ろすため風の影響を大きく受ける11番パー3では、先にティショットを打ったモリカワが3メートルのチャンスに付けたのに対して松山は9メートルでした。
それがこのバーディパットを先に決められると、相手にしてみれば「心を折られる」ような心境だったのではないでしょうか。
実際にホールアウト後のモリカワは「ここで勝つには72ホール最高のプレーをしなければならない。自分は65ホールしか持たなかった」と、このホールで“白旗”を挙げたような心境だったと語っています。
世界ランクでは上のモリカワの心を折るような勝ち方をしたことは、他の選手にも脅威を与えることになったはずです。
記録に名前を刻んだ
PGAツアー記録の35アンダーを樹立したのに加えて、次戦の「ソニー・オープン」とのハワイで開催される大会の両方に勝ったのは7人目、の記録にも名前を刻みました。
ちなみに同じ年に連勝したのは2002年のアーニー・エルスと17年のジャスティン・トーマスがいます。
この時のトーマスは「ソニー・オープン」初日に59をマーク。この勢いでメジャーの「全米プロ」も制覇しました。
松山も続きたいですね。
(文/森伊知郎)
2人揃ってバーディのホールのプレーを振り返ってみると、8番は松山が6メートルのバーディパットを4メートルに付けていたモリカワより先に決めます。
167ヤードと短いものの海に向かって打ち下ろすため風の影響を大きく受ける11番パー3では、先にティショットを打ったモリカワが3メートルのチャンスに付けたのに対して松山は9メートルでした。
それがこのバーディパットを先に決められると、相手にしてみれば「心を折られる」ような心境だったのではないでしょうか。
実際にホールアウト後のモリカワは「ここで勝つには72ホール最高のプレーをしなければならない。自分は65ホールしか持たなかった」と、このホールで“白旗”を挙げたような心境だったと語っています。
世界ランクでは上のモリカワの心を折るような勝ち方をしたことは、他の選手にも脅威を与えることになったはずです。
記録に名前を刻んだ
PGAツアー記録の35アンダーを樹立したのに加えて、次戦の「ソニー・オープン」とのハワイで開催される大会の両方に勝ったのは7人目、の記録にも名前を刻みました。
ちなみに同じ年に連勝したのは2002年のアーニー・エルスと17年のジャスティン・トーマスがいます。
この時のトーマスは「ソニー・オープン」初日に59をマーク。この勢いでメジャーの「全米プロ」も制覇しました。
松山も続きたいですね。
(文/森伊知郎)
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