松井大輔氏が『MONDAY FOOTBALL on TVer』出演! 世界6カ国13クラブを渡り歩いた男が選ぶ「究極の選手」と「今後のプラン」とは?
中田英寿の体の強さは「すごく理詰め」だった
今年7月には日本フットサルリーグの新理事長に就任した松井氏。新たな方法を取り入れながら日本サッカー&フットサルの発展に尽力するつもりだ 【写真:三和直樹】
「ヘディング=中澤佑二」の答えに松井氏は、「やっぱり代表で佑二君が点を取っていたし、(中村)俊さんとのホットラインにすごく助けられましたからね」と感謝の言葉。そして「俊さんが『頭が出てくる』ってよく言ってました。ヘディングの強さはいろいろありますけど、(中澤の場合は)ボールのコースとか軌道が変わっても、それに合わせて、うまく頭を出していく。佑二君はそれが一番うまい。“頭が出る”っていうのは面白い表現だなって思ってました」と続けた。
そして「体の強さ=中田英寿」の評価には、「代表で一緒になっている時に『やっぱ体強いな』って思いましたし、テレビで観ていてもそう思った。フランスもですけど、セリエAなんて体の強さをすごく求められるリーグですし、そういう時代でしたけど、僕と背丈もそんなに変わらなくてもやれていた」と脱帽。現役時代は「なかなか教えてくれなかった」とのことだが、引退後に当たり負けしなかった理由を尋ねた際には「どこに体が当たったら(相手を)抑えられて、どこだったら抑えられないっていうのを練習中に分析していたって聞いた。僕の場合はその辺のことは感覚でやってたんですけど、(中田は)すごく理詰めで、分析しながらやってたんだなと思いましたね」と明かした。
最後に聞くことになった「スピード=メッシ」については、「速い!」のひと言。そして「めっちゃ速い。速いし、ボールが(体から)離れない。離れないから取れない」と解説した。松井氏がポーランドのレヒアに加入した直後、2013-14シーズン開幕前の練習試合でネイマールを加えたばかりのバルセロナと対戦したとのこと。「とにかく速い。そしてボールが取れない。取れるって思って足を出しても取れなくて、足を出さなければそのまま抜かれる。もう無敵でしたね」と当時の光景を思い浮かべながら、改めて舌を巻いた。
今後のプラン、やりたいことは?
番組終了後の松井氏は、引退試合のテーマと同じく「楽しくできたのでよかった」と笑み。そして『MONDAY FOOTBALL』について「ホント、僕も観ていた番組ですし、その番組に僕も出ることができてすごく光栄でしたし、(選手紹介の)あの音楽が鳴るとすごく頑張らないといけないなって思いますね(笑)。でも当時は僕を入れて(海外リーグ所属の日本人選手が)4、5人ぐらいしかいなかったのが、今は扱われる人がすごく増えていますからね」と日本サッカー界の成長にも目を細めた。
気になる引退後のプランだが、当面は今年7月に就任した日本フットサルリーグの理事長として尽力するつもり。日本のトップリーグの発展について「スポンサーやJリーグにも協力してもらって進めていきたい」とした上で「(フットサルの)アリーナ競技っていうのは暑い中でも寒い中でもできる。来年はいろんなものが仕掛けられれば」と意欲を見せ、YouTuberなどを巻き込んでの施策なども思案中とのことだ。
さらにフットサル、Fリーグのだけでなく、自身が現役時代に最も自信のあったドリブル、そして高度なテクニックなどを伝えて行くために日本全国、クラブの垣根を越えた活動を模索しているという。
「スーパーテクニカルコーチみたいな形で、いろんなクラブに技術を教えに行くようなことができればと思ってます。今はクラブ毎に壁があると思うんですけど、そこを分け隔てなくやりたい。フリーの立場として、選手個人に教えるようなことできればと思ってます」
日本が誇るファンタジスタ、松井大輔――。選手としての役割は終えたが、まだまだ“やりたいこと”は多い。第二の人生も、サッカーとフットサルの普及、発展を同時に行いながら、自分自身も存分に“楽しむ”つもり。現役時代のプレー同様に引退後の活動も、多くの人間が惹き込まれることになりそうだ。
(取材・文:三和直樹)