「“アイコン”になるには勝つだけじゃダメ。IWGP女子を獲って防衛ロードでも結果と内容で、岩谷麻優を超えていかなきゃなって思ってます」1.4東京ドーム、IWGP女子王座奪取へ決意表明!! スターダム・AZM選手にインタビュー!

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【新日本プロレスリング株式会社】

2025年1月4日(水)東京ドームで岩谷麻優の持つIWGP女子王座に挑戦するスターダムの“高速爆弾娘”AZM選手にインタビュー!

撮影/笹井タカマサ 聞き手/鈴木 佑

■『JR東海 推し旅 Presents WRESTLE KINGDOM 19 in 東京ドーム』
2025年1月4日(土) 14:45開場17:00試合開始
東京・東京ドーム
※「アリーナA」は残りわずかとなりました
※「ロイヤルシート・最前列」「ロイヤルシート・2列目」「ロイヤルシート・3-6列目」「アリーナA」「バルコニースタンド」「ソファーシート」「ファミリーシート」「逸材シート」は完売。

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■『JR東海 推し旅 Presents WRESTLE DYNASTY』
2025年1月5日 (日) 11:00開場13:00開始
東京・東京ドーム
※「アリーナA」は残りわずかとなりました
※「ロイヤルシート・最前列」「ロイヤルシート・2列目」「ロイヤルシート・3-6列目」「バルコニースタンド」「ソファーシート」「ファミリーシート」は完売。

■次に挑戦表明するときは大きい舞台がいいなとは思ってはいましたけど、それが東京ドームという明確なビジョンはなかったです。

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――AZM選手は1.4東京ドームで岩谷麻優選手のIWGP女子王座に挑戦されますが、あらためて11.17大阪『Historic X-over』の挑戦アピールについて振り返っていただけますか。

AZM 私は今年、スターダムのシングルの祭典の『5★STAR GP』で岩谷麻優に勝ってるんですね(8.18神戸)。そのあとすぐに挑戦のアピールはしてたんですけど、その順番を抜かされていくかたちだったというか。

――まず9月にAEWのトニー・ストーム選手が岩谷選手に挑戦を表明。岩谷選手は10.5名古屋でトニー選手に防衛戦で勝利し、AZM選手との王座戦実現への機運が高まりますが、渡辺桃選手が強引に割って入り11.17大阪で挑戦しました。

AZM そのあとに私はカッコつけて挑戦表明したかったというか、また麻優さんに直接勝利を収めてからアピールしようと思ってたんですけど、渡辺桃との『Historic X-over』での闘いを見て、「ここで出ていかなかったらダメだな、私は岩谷麻優に挑戦したい」と強く思って。

――岩谷vs桃の激闘に刺激を受けたわけですね。そのお二人はAZM選手にとっても関わりが深い選手ですが、試合の率直な感想は?

AZM もともと渡辺桃は私のタッグパートナーで、そして麻優さんは“スターダムのアイコン”として誰もが憧れ、超えたいと思う存在。私はいままでのIWGP女子王座戦は「すごいな、カッコいいな」ってファン目線のような気持ちで観てたんですけど、あの岩谷vs桃だけはすごく悔しくて。あんなに会場も盛り上がりましたし、「私もIWGP女子を懸けた闘いをしたい!」と思いました。

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――岩谷選手のほうも次の防衛戦の相手として、AZM選手を指名するつもりだったそうですね。そして満を持して実現する決戦の舞台は1.4東京ドームとなりましたが、これはAZM選手も狙っていた部分があるのか、それとも偶然という感じなのでしょうか?

AZM 次に挑戦表明するときは大きい舞台がいいなとは思ってはいましたけど、それが東京ドームという明確なビジョンはなかったです。でも、あの場で挑戦アピールをして、もし麻優さんが東京ドームって口に出してなかったら、私から言ってたんじゃないかなって思います。

――AZM選手は東京ドームには、2021年の1.5東京ドーム(林下詩美&上谷沙弥&AZMvs舞華&ひめか&なつぽい)に出場されているので、今回は4年ぶりとなりますね。
AZM 前回出たときの私は18歳で、女子プロレスラーでは最年少ということでうれしかったんですけど、第0試合だったんですね。でも、今回は本戦なのがすごくうれしくて。東京ドームは麻優さんにとっても大舞台で、「2024年のドームに出られなくて悔しかった。絶対に来年は出る!」って発言してましたけど、そこで私を挑戦者に選んでくれたのもうれしかったです。まさか東京ドームでタイトルマッチができるとは思ってなかったので、プロレスラーとして誇りに思います。

――一度だけ出場した東京ドームにはどんな印象をお持ちですか?

AZM いやもう、そのときはパニックで(苦笑)。東京ドームで新日本プロレスのリングに立つという実感がわかなかったというか、当日も「私はセコンドかな」みたいな感覚で。実際にリングに立ってみたら緊張はなかったんですけど、それ以前に意識がないというか(笑)。いや、意識はあるんですけど、なんか「これは夢かな?」みたいな感じでした。あとは第0だったからか、本戦よりも会場の照明が明るかったんですね。だからお客さんの顔がちゃんと見えて、「これが本戦だったら、また違う感覚なんだろうな」って思ったのを覚えてます。

――2020年頃から新日本の国内のビッグマッチなどでスターダムの提供マッチが組まれるようになりましたが、やはりスターダムの選手にとっても東京ドームは大きな意味合いを持つ会場でしょうか?

AZM もちろんです! とくに新日本さんのリングでIWGP女子のベルトを懸けた試合ができるのは、これ以上にない大舞台だと思ってます。

■SNSでは「女子はいらない」っていう意見も見ますし、そういう意見があってもしょうがないと思うんですけど、実際にリングに立つとお客さんも楽しんでくれていて、ありがたいなと感じてます。

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――AZM選手はスターダムの旗揚げイヤーである2011年に小学3年生で入門し、5年生でデビューしました。22歳の若さでキャリアが豊富という部分で、あまりプレッシャーも感じないタイプなのかなと思ったのですが、いかがでしょうか?

AZM 私は強がるというかカッコつけたりするタイプなので、周囲には「緊張? べつにしないよ」みたいな感じなんですけど、本当に緊張する試合のときは夢で見るんですよね(笑)。メルセデス・モネの持つIWGP女子に挑んだときも(※23年の4.8両国。葉月を含めた3WAYマッチで挑戦)、「私なら大丈夫」みたいなスタンスだったんですけど、実際は毎晩のようにモネと闘ってる夢を見て。いまも夢で岩谷麻優としょっちゅう闘ってるので、たぶんプレッシャーを感じてるんだろうなって思います。

――その1回目の挑戦と今回の挑戦で、ご自分の中で気持ちの違いはありますか?

AZM 1回目の挑戦のときはモネから逆指名されたんですけど、スターダムのファンのかたからも「いや、AZMじゃないよ」っていう声が多くて、悔しい思いをしたんですね。でも今回、『Historic X-over』で挑戦表明して、どんな反応が来るのかなと思ったら「待ってたよ」という声が多かったですし、「東京ドームはこの試合がふさわしいよね」って言ってくれたかたもいて、すごくうれしかったです。1回目はファンのかたの声に「見返さなきゃ!」っていう気持ちでしたけど、今回はファンのかたの思いも背負ってリングに立ちたいと思ってます。

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――今回はAZM選手のこれまでのキャリアの中でも、特別な試合になるのでは?

AZM そうですね……。たぶん私が一番、スターダムの中では岩谷麻優とすごした時間が長いと思っていて。子どもの頃にデビューしたときは、こんなに長くプロレスを続けるとは思ってなかったですし、それがIWGP女子を挑戦できるくらいになって、しかも麻優さんから逆指名するつもりだったっていうのは、本当に感慨深いというか。麻優さんには私の成長を、あらためて実感してほしいなって思います。

――AZM選手は何度か新日本マットに参戦されていますが、会場の雰囲気や、スターダムとのリングの違いなどはいかがですか?

AZM 新日本のファンのかたはすごく優しいというか、毎回盛り上がってプレイヤーとしてはやりやすいです。SNSでは「女子はいらない」っていう意見も見ますし、そういう意見があってもしょうがないと思うんですけど、実際にリングに立つとお客さんも楽しんでくれていて、ありがたいなと感じてます。リングの違いに関しては、新日本さんはスターダムより一回り大きいんですよ。ふだんの私は3歩でロープワークするのが、4歩必要になったり、ロープの位置もちょっと高かったりするんですけど、そんなに気にならないですし、それもお客さんの声援のおかげなのかなって思います。

■岩谷麻優は毎回ビッグマッチで対戦相手が誰だろうと記憶に残る試合をして、ベルトを守り続けて。私はプロレスって勝敗だけじゃないと思っていて、自分が勝っても気持ち的には負けのときがあるんですよね。

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――IWGP女子のベルトへの思いを伺いたいのですが、いつあたりから気になるようになりましたか?

AZM 新しくIWGP女子ができるってなったときに、最初は「私には縁がないベルトだろうな」って思っていて。IWGPというのは新日本さんの看板ですし、その名のついたベルトに私は絡む自信がなくて。でも、そうしたらメルセデス・モネの逆指名があったんで、「私も挑戦していいんだ!」と思ったんです。それまで自分の中には「私はここまでしかいけない」っていう固定概念があって、自分で自分の首を絞めてたというか。モネの発言で意識が変わった部分はありますね。

――あの世界的レスラーから高評価を受けたのが、一つのきっかけになったと。

AZM そのときは結局ベルトを獲れなかったんですけど、そのおかげで私に対するファンのかたの見方も変わったと思いますし、それから明確に「IWGP女子のベルトがほしい!」って思うようになりました。

――スターダムには“赤いベルト”ワールド・オブ・スターダム王座や、 “白いベルト”ワンダー・オブ・スターダム王座がありますが、AZM選手にとってIWGP女子はどのような位置づけとなりますか?

AZM イメージ的に赤と白はスターダム内で争われるイメージで、それはそれで当然だと思うんですけど、IWGP女子はわりと他団体の選手も名前を出してるんですよね。それがすごいなと思いますし、自由度が高いベルトなのかなと。

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――実際に岩谷選手は防衛ロードで他団体の選手とも闘ってきましたが、先ほど挙げた渡辺桃戦以外でAZM選手が印象的な試合は?

AZM 全部が印象的なんですけど、渡辺桃以外だとトニー・ストームとの試合もすごく印象に残ってます。以前、トニーがスターダムにレギュラーで参戦していた頃に、麻優さんが赤いベルトを懸けた試合で負けたんですね。そのときも私は現場にいましたし、今回のトニーとの防衛戦を観て「プロレスって、長い時間をかけて見るものだな」みたいな気持ちになったというか。あと、単純にIWGP女子はAEWのトップレスラーも狙うベルトっていうのが、シンプルにすごいなと思いました。

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――岩谷選手がIWGP女子のベルトの価値を上げて、“おいしい獲物”になったという実感は?

AZM メチャクチャありますね! それまでのチャンピオンが防衛を重ねられなかった中で、岩谷麻優は毎回ビッグマッチで対戦相手が誰だろうと記憶に残る試合をして、ベルトを守り続けて。私はプロレスって勝敗だけじゃないと思っていて、自分が勝っても気持ち的には負けのときがあるんですよね。それこそ私がハイスピード王座(※速く動き、高く飛び、高度なテクニックを競うベルト)を保持しているときに防衛に成功しても、「あっちに持っていかれたな」って思うときがあって。でも、岩谷麻優は勝ったら全部持っていくのはもちろん、たとえ負けても試合後に「岩谷麻優がすごかったな」って言われるというか。そこが麻優さんのすごいところだし、そういう人が持ち続けたからこそIWGP女子の価値が上がっていったんだと思います。

■こういうレスラーになりたいって思う先には必ず岩谷麻優がいるんですよ。何か困ったときに、岩谷麻優の試合を観たり。

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――岩谷選手はやられてもやられても立ち上がる姿から、“ゾンビ”とも言われてますよね。

AZM 私は岩谷麻優をゾンビって表現した人も天才だなって思っていて(笑)。あの人は本当にゾンビで、こっちが攻めて明らかにダメージで弱ってるのに、なんか笑いながら立ち上がってくるんですよ。技が効いてるのか効いてないのかわからなくなって、それで翻弄されます。あれはすごい恐怖(苦笑)。

――そんな岩谷選手に自分が勝っていると思うところは?

AZM う~ん、なんだろうな……。いま話をしてたら、岩谷麻優への尊敬モードに入っちゃって(苦笑)。私が練習をしているときとか、こういうレスラーになりたいって思う先には必ず岩谷麻優がいるんですよ。何か困ったときに、岩谷麻優の試合を観たり。べつにマネをするわけじゃないんですけど、刺激を受けるというか。エ~ッ、自分が勝ってるところってなんだろうな……、なんだと思いますか?(苦笑)。

――具体的なものとして、岩谷選手の保持していたハイスピード王座の最多防衛記録を塗り替えたのはAZM選手ですよね。

AZM 塗り替えました! 岩谷麻優の防衛記録を超えたいと思ったのは、ハイスピードの闘いが大好きだったからで。私が記録を塗り替えた試合を岩谷麻優も観ていて、試合後に「すごい! 私にはできない」って言ってたんですよ。よく岩谷麻優は天才って言われてますけど、私も自分のことは天才だと思っているので。

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――実際、AZM選手も天才と言われることが多いですよね。今回の大一番について、AZM選手は「誰もがほしいあのベルト、そして誰もがあの地位がほしいスターダムのアイコン。ダブルで私が獲って、スターダムのテッペンに立つんで楽しみにしていてください!」と、強い意気込みを示していましたが、あらためてアイコンという言葉への思いも伺えれば。

AZM 岩谷麻優がアイコンって呼ばれるようになってけっこう経ちますし、言われはじめたときに「ああ、そうだよね」ってみんなシックリ来たんですよ。それってすごいことだなと思って。私もアイコンになりたいし、スターダムの選手たちは岩谷麻優超えを狙っているので。もちろん、アイコンになるには岩谷麻優に勝つだけじゃダメだと思いますし、IWGP女子を獲って防衛ロードでも結果と内容で、岩谷麻優を超えていかなきゃなって思ってます。

■スターダムが13年前に旗揚げしてから、私は岩谷麻優がずっとセンターにいると思ってるんですけど、さすがにその景色も見飽きたなって。

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――1月の東京ドームというのは新日本プロレス年間最大の舞台で、多くのファンが詰めかけますが、まだスターダムのことをよく知らない人もいると思います。その中でどういう試合を見せたいですか?

AZM 勝ちたいのはもちろんなんですけど、多くのお客さんは新日本さんの試合を観にきているでしょうし、中には「女子の試合はいいや」っていう人もいると思うんですよ。それを見返すような試合をしたいですし、私にとって対戦相手は岩谷麻優だけじゃなくて、お客さんもだなって思ってます。そういえば昔、新日本さんの東京ドーム大会で女子の試合が組まれて、中西百重さんがメチャクチャ盛り上げたっていうお話を聞いたことがあって。

――2002年5月2日の大会ですね。全日本女子プロレスの提供試合(中西&伊藤薫vs豊田真奈美&堀田祐美子)で、中西選手が持ち前の躍動感あふれるファイトで会場を大いに沸かせました。

AZM 私はそのときの中西百重さんを超えたいと思っていて。それはIWGP女子を狙う以前、その話を聞いたときから目標として掲げていたことなんです。だから今回は、岩谷麻優超えと同時に中西百重超えも狙っていきたいと思います。

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――あと、今回の東京ドーム大会は新世代の選手たちが大一番に臨むカードが中心で、22歳のAZM選手もリンクする部分があると思うのですが、そのあたりはいかがですか?

AZM やっぱり、スターダム=岩谷麻優っていうのは変わってないんですよね。話題になるのは結局、岩谷麻優というか。スターダムが13年前に旗揚げしてから、私は岩谷麻優がずっとセンターにいると思ってるんですけど、さすがにその景色も見飽きたなって。周囲もそう感じているでしょうし、それを変えるのは私しかいないと思ってます。

――では、IWGP女子を奪取したあとのビジョンは何かありますか?

AZM 私は海外志向が強いんですけど、海外に行ってみて感じたのが、相手にとって私と闘うメリットが必要だなって思ったんです。すごいベルトを持っていれば、みんなが私と闘いたくなるじゃないですか? だからIWGP女子を獲って海外に行きたいですね。メルセデス・モネやトニー・ストームにもリベンジしたいですし。あと、私はスターダムの中ではわりと昔から他団体の選手と闘いたいと声に出していて、実際にハイスピードの防衛ロードでも倒してきて。なので、IWGP女子を獲ったらスターダムにとどまらず、外の選手とも積極的に闘っていきたいです。

【新日本プロレスリング株式会社】

――それでは最後に、あらためて岩谷選手へのメッセージをお願いします。

AZM 岩谷麻優、あなたが夢見た東京ドームの舞台で、私が最後に完膚なきまでに勝利して、必ずあなたを超えます! 
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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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