太田椋、大里昂生ら若手台頭も、打撃&守備に課題を残す【オリックス・バファローズ2024:野手編】

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オリックス・バファローズ 太田椋選手(左)大里昂生選手(右) 【写真:球団提供】

 4連覇、日本一奪還を目指して挑んだ2024シーズン。オリックス・バファローズは63勝77敗3分、勝率.450で5位に終わった。本記事では投手編、野手編に分け、オリックスの2024シーズンを振り返る。

チーム打撃成績が低迷。守備のミスも目立った

 今季は投手陣が健闘した一方で、チーム打率.238、本塁打数71(5位)、得点数402(5位)と野手は苦戦を強いられた。昨季の成績(打率.250、本塁打109、得点508)と比較しても、打撃成績が順位に影響を及ぼしたことがわかる。

 また、守備では78失策とリーグ最多、12球団でも3番目に多く課題が残った。

太田椋が自己最多91試合に出場 打率.288の好成績

 今季の野手陣で最も成長を見せたのが太田椋選手だ。自己最多91試合に出場し、打率.288、6本塁打、40打点といずれもキャリアハイの成績を残した。

 シーズン序盤こそ振るわなかったものの、5月には月間打率.375と調子を上げる。以降は前半戦終了時点で61試合に出場し、打率.296と打線をけん引した。初選出のオールスターゲームは右足関節痛により出場を辞退したが、8月下旬の復帰後も安打を量産。来季はシーズンを通してチームに貢献できるか。

育成出身・大里昂生は攻守で飛躍

 若手野手でもうひとり、大きな成長を遂げたのが大里昂生選手。開幕後はファームでの調整が続いたが、7月2日に出場登録。同6日の北海道日本ハム戦でプロ初のスタメン出場を果たすと、いきなりプロ初安打・初打点を含む2安打1打点の活躍を見せた。

 8月6日・埼玉西武戦ではプロ初本塁打もマーク。同23日の試合で負傷交代し、登録抹消となったが、復帰した9月には月間打率.280の成績を残す。また、守備でも二塁・遊撃・三塁とユーティリティー性を発揮。51試合に出場し、攻守にわたって自身の持ち味を発揮した。

プロ2年目から4年連続規定打席到達の紅林弘太郎

 5年目を迎えた紅林弘太郎選手。開幕3連戦は無安打に終わったが、4月中旬に7試合連続安打、5月には月間打率.338と安定感のある打撃を見せる。打率.268、2本塁打、26打点で前半戦を終え、2年連続2度目となる「マイナビオールスターゲーム2024」にも出場した。

 8月打率.226、9月打率.215と後半戦は調子を落とし、最終的に打率.247、2本塁打、38打点という成績に。飛躍のシーズンとなった昨季と比べるとやや物足りない数字だが、自己最多に並ぶ136試合に出場。遊撃のレギュラーを守り、4年連続で規定打席に到達した。

森友哉は打率リーグ3位も、本塁打数は半減

 移籍1年目の昨季は打率.294、18本塁打、64打点を記録した森友哉選手。今季は2度の離脱と序盤の不振に苦しめられながらも、近藤健介選手、辰己涼介選手に次ぐリーグ3位の打率.281をマークした。一方で本塁打は9本にとどまり、2年連続2桁とはならず。昨年と比較すると半分に減り、やや不完全燃焼のシーズンとなった。

打率.300、5年ぶりの一発も生まれたベテラン・西野真弘

 日替わり打線のなか、ベテランも存在感を示した。西野真弘選手は2年連続で開幕スタメンに名を連ねると、4月はチームが苦戦する一方で月間打率.364と奮起。7月にケガで登録抹消となるも、7月30日の復帰後もシュアな打撃を披露した。9月8日・北海道日本ハム戦では自身5年ぶりの本塁打も。規定打席未到達ながら打率.300でシーズンを終えた。

西川龍馬は真価を問われる2年目へ

 広島からFAで加入した西川龍馬選手は、交流戦前時点で打率.223と本来の力を発揮できずにいたが、交流戦打率.314と徐々に調子を上げる。最終的にチーム最多の138試合に出場し、同じくチーム最多の134安打を放った。しかし、打率は.258と昨季成績(打率.305)から大きく落とし、プロ9年目にして初めて打率.270を下回った。来季は持ち味の巧打を生かすことができるか。

昨季の首位打者ら主力が苦難のシーズンに

 太田選手、大里選手がブレイクした一方で、2023年までの3連覇を支えた主力が相次いで不振に陥った。

 昨季、打率.307で首位打者に輝いた頓宮裕真選手は、81試合の出場で打率.197と苦しんだ。主に3番を担った中川圭太選手は左太ももの負傷などで離脱を余儀なくされ、三塁手部門で3年連続ベストナイン、三井ゴールデン・グラブ賞を受賞していた宗佑磨選手も打率.235と振るわず。

 杉本裕太郎選手は終盤に復調し、4年連続2桁本塁打に到達するも82試合の出場にとどまった。福田周平選手もファーム生活が続き、69試合で打率.232。背番号1を“返上”して臨む来季は復活を期す。

 4年間指揮を執った中嶋聡監督が退任し、岸田護新監督ら首脳陣を一新したオリックス。打撃力、守備力を強化し、再びリーグ優勝を成し遂げられるか。

文・西嶋葵
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