寝ても疲れがとれないのはなぜ?2つの原因とそのメカニズムとは

ココカラネクスト
「寝ても疲れがとれない」
「朝起きると、体が重い」

なんてことはありませんか?実は、その本当の原因は、ストレスでも仕事でも加齢でもなく、頭の筋肉、側頭筋の疲労にあるかもしれません。

今回は、そんな寝てもなかなか疲れがとれないーそんな悩みを抱える方に、なぜそのような事象が起きるのか、考えられるメカニズムについてお話します。

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寝てもとれない疲れをもたらす、2つの大きな原因

寝てもとれない疲れをもたらす原因としては、さまざまなものが挙げられますが、中でも特に重要なのは、「頭の筋肉(特に側頭筋)の疲れ」と「自律神経の乱れ」の2つです。

私たちの頭(頭蓋骨と頭皮の間)には、

・前頭筋(頭の前方、額あたりの筋肉)
・側頭筋(頭の横、耳の上あたりの筋肉)
・後頭筋(頭の後方の筋肉)

という3つの薄い筋肉があり、体内のほかの筋肉同様、使いすぎたり緊張状態が続いたりすると、頭の筋肉も疲労し、硬くなり、こりが生じます。

筋肉が硬くなると何が良くないかといえば、筋肉中や筋肉周辺の血管や神経などが圧迫され、血液やリンパなどの流れが悪くなり、筋細胞に十分な栄養や酸素がスムーズに運ばれなくなったり、二酸化炭素や「疲労物質」とよばれる乳酸などの老廃物が排出されにくくなり、たまっていったりします。

その結果、筋肉はますます疲労して硬くなり、こりがほぐれにくくなります。

一方、自律神経は、意思とは関係なく働いている神経であり、「交感神経」と「副交感神経」によって成り立っています。両者がシーソーのようにバランスをとることにより、生命を維持するために必要な胃腸の働き、心臓の動き、代謝、体温の調節などが行われているのですが、どちらかが極端に優位になりすぎると、心身に様々な不具合が生じます。

本来、夜、寝ている間は副交感神経が優位になり、側頭筋の緊張が緩んで、こりや疲れが解消されるはずなのですが、過度の疲れなどにより、交感神経から副交感神経への切り替えが上手くいかないと、心身の緊張状態が続き、側頭筋のこりや疲れも解消されません。

これが、寝てもとれない疲れの大きな原因であり、時には頭痛をもたらすこともあります。

寝てもとれない疲れをもたらす2つの原因は、互いに密接に関係し合っているのです。

ストレスは側頭筋を疲れさせ、自律神経を乱す

なお、ストレスは、頭の筋肉の疲れと自律神経の乱れの両方に大きく関わっています。

ストレスがかかり続けると、筋肉が疲労して硬くなり、血管が収縮して血流が悪くなり、こりが生じるからです。

ストレスを感じた時、それを処理するのは脳であり、頭の筋肉はどこよりもストレスの影響を受けやすく、こりやすいのです。

しかも、ストレスを感じていると、人は無意識のうちに、歯を食いしばったり歯ぎしりをしたりしてストレスを発散しようとしますが、食いしばりや歯ぎしりは側頭筋に過大な負担をかけます。

さらに、過度なストレスを受けていると、交感神経優位な状態が続くため、自律神経も乱れます。

このように、ストレスは側頭筋を疲れさせ、自律神経を乱します。
そして、側頭筋をはじめとする頭の筋肉の疲れやこり、自律神経の乱れが、様々な心身のトラブルを招き、それが新たな疲れやストレスの原因になるという悪循環が発生してしまうのです。

次回は、これらの悩みを解消できるかもしれない、「神マッサージ」のやり方についてご紹介します!
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【参考文献】
『寝てもとれない疲れをとる神マッサージ』(アスコム刊)

【著者】
寺林陽介(てらばやし・ようすけ)
六本木・寺林治療院院長。

※この記事は2024年8月10日の再投稿(再編集)記事です
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