神戸スティーラーズを相手に後半7トライで逆転、復帰組が活躍し勝利する
この試合、スピアーズ初のトライを奪った二村選手(写真中央) 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
リーグ開幕まであと5週間、順調な仕上がりを見せたコベルコ神戸スティーラーズ戦
先発では、ちょうど一年前のプレシーズンマッチで負傷し、長期離脱していた谷口選手が9番でメンバー入り。2021年5月9日に静岡県・エコパスタジアムでスティーラーズと対戦したあの名勝負以降、チームとともに成長してきた男がいよいよ復帰を迎える。
また、昨シーズンの怪我が影響し戦線から遠のいていた江良選手と木田選手も後半のメンバーとして控える。
新加入選手では、昨季の静岡ブルーレヴズとの対戦で相手チームとしてスピアーズに脅威を与えたブリン・ホール選手もスピアーズに加入しての初の試合となる。
前半はスティーラーズの40分だった。
キックオフ直後から両チームの激しい接点が目立つ。
立ち上がりこそ敵陣でプレーしていたスピアーズだが、縦に突破を試みるスピアーズに対して、スティーラーズのディフェンスが押し返す。
攻守ともに激しいゴツゴツとした打ち合いを続けると、前半15分すぎにスティーラーズのアタックが右サイドにトライを決めた。その後も近場の接点から大きく横に展開する相手の攻撃で、20分にも失点を喫し追う展開となる。
ただその後の折り返しでは連続攻撃から前にでると相手反則を誘う。その後のスクラムを押し込んだところでインゴールに落とすキックを廣瀬選手が蹴り、それに走り込んだ二村選手がグラウディングを成功させて7対14で試合を折り返した。
前半はトライ数がスピアーズ1本にスティーラーズ2本。相手にリードは許しているものの、激しさと緊張感のある引き締まった展開だった。
復帰戦としてはかなりタフな状況となった谷口選手は、球際の攻防や持ち前の危機管理能力で鋭い反応を見せチームのピンチを助けた。試合途中には、珍しく膝に手を置く疲れた仕草を見せたが、そのパフォーマンスは怪我する前となんら変わりのない仕上がりだった。
谷口選手はラック際の巧みなコントロールで相手反則を誘い、体を張ったタックルでピンチを助けた 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
開始早々にバックスラインが見せる。相手陣でグラウンド中央を突破してオフロードパスを繋ぐと、右サイドのウィングの山﨑選手がライン際を駆け抜けて先制した。
その後は、逆サイドウィングの木田選手が続く。ハーフウェイ付近で右側のラインアウトでモールを押し込むと、後半のスクラムハーフであるブリン・ホール選手からバックスラインへ。一気に左サイドにボールを運ぶと、木田選手が相手をかわして左ライン際を一直線に駆け抜けて連続トライを奪った。
その後もブリン・ホール選手のインターセプトから作ったチャンスを再び木田選手が、そして後半20分に差し掛かるころにはテアウパ選手のキックをキャッチした山﨑選手がトライを決め、後半開始20分で両ウィングが2トライずつを奪い29対14と逆転に成功する。
復帰戦で2トライを決めた木田選手は絶好調のパフォーマンス 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
後半24分付近にモールからトライを決めて追加点を奪うと、ゴールラインを背負うピンチの局面で見応えのあるプレーが見られた。
ゴールラインを背負ったスピアーズは、スティーラーズの重い突進を幾度も低いタックルで食い止める。足元に突き刺さり、相手を倒し、ブレイクダウンで首や足を突っ込み球出しを遅らせる。それでもボールが出た次のフェイズには、また違う選手が相手の足元に突き刺さる。
特に復帰戦となった江良選手のタックルは、再三にわたりスティーラーズの攻撃を食い止めた。
33分には失点を与えてしまうものの、このディフェンスの粘りで相手を消耗させたスピアーズは、その後も流れを奪わせることなく35分に山﨑選手が3トライ目、そして試合終了間際にもモールでダメ押しのトライを決めて48対19で勝利した。
前後半を通じて、メンバーも展開も違うものの、80分を通して勝ち切る結果を得られたことはチームにとって非常に価値のある戦いとなった。
次戦は11月29日(金)にNSW Waratahs戦、11月30日(土)に静岡ブルーレヴズと連戦が控えるスピアーズ。
開幕に向けて、仕上げの段階に入りつつあるチームの進化に注目したい。
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復帰戦であることを感じさせない体を張ったプレーを見せた江良選手 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
写真:チームフォトグラファー 福島宏治
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