「エビアン王者はうま過ぎます」櫻井心那 光明の3位タイ

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【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

富士通レディース 2024 東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)最終日

 昨年に続く大会連覇を狙った櫻井心那は、最終日を最終組で回ったが、前半パープレーで伸び悩み、同組の古江彩佳、2組前を行く山下美夢有にみるみる引き離された。それでも「『行かなくちゃ』と思い、スイッチが入りました」と言う後半は、攻めのゴルフで3バーディー・2ボギー。11番パー4では、135ヤードの第2打を「イメージ通り」PWでピン横1メートルにつけ、バーディーパットを沈めた。

 首位を行く古江に2打差で迎えた最終18番では、ハプニングに見舞われた。164ヤードの第2打で7Iを振った瞬間、「突風が吹いて20ヤードもショートしてしまいました」。ボールは手前のバンカーに落ちた。

 結果的に見れば、このバンカーショットをカップに直接入れていれば、プレーオフに加われた計算だが、「とても、とても…それよりも、強く当たり過ぎて『ホームラン』にならないか、そちらの方が心配でした」と苦笑する。バンカーから脱出したものの、パーパットを外し、不本意なボギー締めとなった。それでも、試行錯誤の中で、通算12アンダーの3位タイは立派の一語だろう。

 昨季4勝を挙げメルセデス・ランキング5位で終えた櫻井は、今季未勝利と苦しんできた。ショットをフェードからドローに変え、今大会から再びフェードに戻している。「今大会はいい球が増えました。ピン筋に行きたいところで行けましたし、優勝争いもできた。このタイミングでフェードを試せてよかったです」と光明が差した思いだ。

【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 今大会のディフェンディングチャンピオンだが、昨年はコースコンディション不良で最終日が競技中止となった経緯がある。「最終日を最終組で回れて幸せでした」と満面笑みで振り返る。特に、今年7月に米メジャー大会のエビアン選手権で優勝した古江との直接対決が楽しかった様子。「古江さんはうま過ぎます。ミスショットも、本人の中ではあるのでしょうが、ミスに見えないですし、パッティングでカバーもできる。もう、私とは比べるのもおこがましいです」とホールアウト後も興奮が冷めなかった。

 3日間を通じて両手首にテーピングが巻かれていて、「少し痛みがありましたが、耐えられました」とホッと胸をなでおろした。この大会の経験をきっかけに、もう1度上昇気流に乗りそうだ。(宮脇 広久)
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