【週刊ドラフトレポート#24】大学1年春から注目、強打のサード・佐々木泰 走攻守高レベルな外野手・柴崎聖人
「走攻守全てが高レベル!長打力も備える万能外野手」
昨年12月の大学日本代表候補合宿にも招集された大阪経済大・柴崎は、今秋のリーグ戦で絶好のスタートを切っている 【写真提供:西尾典文】
【将来像】雄平(元ヤクルト)
上背はなくてもパワーがあり、外野手としての能力が高いところも雄平とイメージが近い
【指名オススメ球団】中日
広い外野を守れ、パワーのある左打者という点も補強ポイントとマッチする
【現時点のドラフト評価】★★☆☆☆
支配下での指名濃厚
関西の大学生野手では大阪商業大の渡部聖弥(4年・外野手兼三塁手)が1位候補として高い注目を集めているが、それに続く存在となりそうなのが同じ関西六大学野球に所属している大阪経済大の柴崎だ。岐阜第一では早くからレギュラーとしてプレーしていたものの、プロから注目を集めていたのは1学年下の阪口樂(現・日本ハム)であり、柴崎は全国的には無名の存在だった。しかし、大学では3年春に打率.317、2本塁打の活躍で2年春に続くベストナインを受賞。秋にはホームランこそなかったものの、打率.420とさらに成績を伸ばし、12月に行われた大学日本代表候補合宿にも招集されたのだ。
そして強烈だったのがその合宿でのプレーである。シートノックでは外野から度々強い返球を連発すると、野手を対象に行われた50メートル走の測定では全体で4番目となるタイムをマーク。紅白戦では2試合でタイムリーヒット1本に終わったものの、フリーバッティングでは広い「坊っちゃんスタジアム」(愛媛県松山市)のスタンドに軽々と放り込んで見せたのだ。その豪快なスイングと打球の勢いには視察したスカウト陣からも驚きの声があがっていた。
そのバッティングの素晴らしい点は全身を使ってフルスイングしながらも、バランスが大きく崩れないという点だ。173cmという上背だがたくましい体格で下半身も強く、ゆったりとしたステップでも強く踏み出しており、体が前に流れることがない。トップの形が安定しており、体の近くから振り出せるスイングの軌道も理想的だ。昨年12月の大学日本代表候補合宿での紅白戦でもサウスポーの宮原駿介(東海大海洋学部4年)からしっかりヒットを放っており、左投手を苦にしないというのもプラス要因と言えるだろう。
4月6日に行われた春のリーグ戦の開幕となった神戸学院大との試合も現地で見たが、厳しいマークと多くのスカウトが視察しているプレッシャーもあってか、少し本調子ではなかったように見えたが、それでも2安打を放って存在感を示した。プロでは長いシーズンで調子が上がらない時もあるだけに、このように自分のスイングができなくても結果が残せるというのはさすがである。最終的に4年春のシーズンも苦しみながら打率.333という成績を残した。
そして迎えた秋のリーグ戦、9月8日終了時点で4試合を消化しているが、その全てでヒットを放ち、17打数8安打、2本塁打で打率.471と絶好のスタートを切った。2本のホームランはいずれも打った瞬間に分かる当たりであり、昨年と比べても明らかにパワーアップしているように見える。外野手としての能力も高く、長打も期待できるというのは大きな魅力だ。おすすめ球団のところでは中日をあげたが、他にも補強ポイントにマッチする球団は多い。展開次第では早く名前が呼ばれる可能性もありそうだ。