【オリックス】ファームスタジアムDJ浜崎剛 マイクに込める願いと決意 「ワクワク感をお届けするために」
【オリックス・バファローズ】
バファローズのファーム名物イベント「YMCAダンスコンテスト」でマイクを握っているのは、浜崎剛。ファームスタジアムDJとして今年も熱い夏を過ごしている。
「YMCAダンスコンテスト」でマイクを握る浜崎 【オリックス・バファローズ】
◆夏休みといえば野球観戦
中学で野球をし、高校、大学では放送部に所属。トーク力とアナウンス技術を磨いた。新卒で銀行に就職したものの「自分の言葉と声で誰かの心を明るくする仕事がしたい」と、思い切って退職。ラジオパーソナリティになるための養成所に通い、コミュニティラジオでDJを務めるなど経験を積んだ。
2018年にファームスタジアムDJに就任して以降、試合運営のアナウンスやスタメン発表、イニング間のMCなどの仕事をこなしている。今年4月からは、ラジオ大阪で放送中の「チキチキジョニーのいただきました!3時間!」でレギュラーを務めるなど、活躍の幅を広げている。
開門ウェルカムで選手にインタビューする浜崎 【オリックス・バファローズ】
◆時には関西弁でアナウンス
選手がファンを出迎える「開門ウェルカム」や試合後のヒーローインタビューでは本領を発揮する。インタビュアーとして緩急をつけながら選手の話を広げ、時にはツッコミも入れて笑いを誘う。「スタンドとグラウンドって壁があるように感じがちですが、実は選手も僕たちと似ている部分がたくさんあります。ハイチュウが好きだったりピザポテトが好きだったり。休みの日にはスタバに行ったり。そういう親近感ある一面や選手の色をうまく引き出せたらなと思っています」
ヒーローインタビューをする浜崎 【オリックス・バファローズ】
◆壁を乗り越えてわかった自分の「色」
その時、先輩アナウンサーからはこんな声をかけられた。「浜ちゃん(浜崎)は浜ちゃん。無理せずに浜ちゃんのキャラでやったらいいよ」。その先輩をはじめ、周囲の意見を積極的に聞き、納得したことはどんどん取り入れるように心掛けた。ファンや選手と前向きに接する中で徐々に自分の色を自覚していった。
「僕は周囲をぐいぐい引っ張るタイプじゃないし特別キャラが濃いわけでもない。でも、その分みんなが居心地良く笑顔になれる空気感を作ったり、主役の選手をうまく引き立たせたりできるんじゃないかと思っています。僕に色があるとしたら『和』。僕らスタッフもファンもチームも、みんなが一緒になって、楽しいファームになっていくのが理想です」
スタジアムDJとしての盛り上げ方に正解はない。人前でマイクを握る楽しさと難しさ、どちらも知っているからこそ今の浜崎の姿がある。
アナウンス室で笑顔を見せる浜崎 【オリックス・バファローズ】
◆球場には全てが詰まっている
浜崎は言う。「球場には、憧れも楽しみも僕がやりたかったことも全てがぎゅっと詰まっています。来てくれた人に、幼い頃の僕が感じていたようなワクワク感を届けたい」
その日、スタンドで笑顔を弾けさせる我が子を見て、浜崎はふと思った。「この子も今日のことを、覚えていてくれるだろうか」。グラウンドを背にする浜崎の姿とともに刻まれたであろう我が子の記憶。それを確認するのはもう少し先のことである。(西田光)
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