熱中症対策に「下半身の筋トレ」と「プロテイン」が効果的!その理由とは

MELOS -メロス-
筋トレで大量の汗をかく筋トレ民。もちろんトレーニング中の水分補給には余念がないことと思いますが、熱中症が心配されるこの季節、熱中症の知識と予防法はぜひ知っておきたいもの。しかも筋トレが予防にひと役買っているというのです。

筋トレと熱中症の意外な関係について、国立がん研究センター研究所がん幹細胞研究分野長を務める医師・増富健吉先生監修の以下記事から抜粋してお届けします。

【MELOS】

熱中症を撃退! 筋肉量アップが予防対策になる?

熱中症予防には、短期的な予防と長期的な予防があると増富先生は言います。

「短期的予防は、血管内の水分の不足を予防することにつきます。すなわち水分と適度な量のナトリウムを含む電解質の摂取です。運動前の牛乳や豆乳、ヨーグルトなどのタンパク質を多く含む飲み物の摂取は、血管内に水分を引き込む力になるので脱水予防に効果的です。さらに運動中の水分と電解質のこまめな補給も熱中症の予防には重要です」(増富先生)
冒頭に増富先生がおっしゃった「血管内の水分の不足状態」を阻止することが短期的な観点での熱中症予防につながるということなのですね。

では、もうひとつの観点での予防法、長期的予防とは?

『筋肉』をつけておくことが、長期的予防方法として極めて重要である

「必要に応じて血管内に水分の移動をさせるための『貯水タンク』を準備することと、血管内に移動させた水分を効率的に体内に循環させるための『ポンプ』を準備することです。タンクとポンプの両方の機能を持つモノ、すなわち『筋肉』をつけておくことが極めて重要な長期的予防方法になります」(増富先生)

そもそもヒトのカラダの約60~70%が水分。なかでも水分を効率的に蓄えることができるのが筋肉です。筋肉は保水力が高く極めて効率のよい「貯水タンク」となるというのです。

熱中症対策なら下半身を鍛えるとよい

では、熱中症に強いカラダづくりのために、筋肉をつけておくとよい部位はあるのでしょうか?

「貯水タンク機能とポンプ機能の双方の役目を果たしてくれる筋肉は、なんといっても下半身の大きな筋肉です」(増富先生)

2本足歩行のヒトは必然的に、下半身に血液が停留しやすいという宿命を持っています。暑さによって迷走神経が働き過ぎるような状況になると、血管内の水分はますます体内を効率的に循環できなくなってしまうのだそうです。

「下半身から心臓に血液を戻してやるポンプ機能をしっかりと準備しておくことが、熱中症の予防対策としても非常に効果的です。下腿三頭筋(ふくらはぎ)や大腿四頭筋、大臀筋などは重要な筋肉ですね。貯水タンク機能だけを目指すなら上半身の大きな筋肉を鍛えることにも、もちろん意味はあります」(増富先生)
「筋肉は1日にしてならず。正しく、徐々に鍛えてやるしかありません」(増富先生)

医師として、また、筋トレに励む筋トレ民としての増富先生よりのメッセージでした!
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