大谷翔平、今永昇太、山本由伸ら日本人選手の“心理”をディープに考察!【五十嵐亮太×井口資仁のMLB対談2024】

柴山高宏(スリーライト)

大ベテラン・ダルビッシュの真価

 第3回のテーマは「ダルビッシュ有」。冒頭でも述べたが、今季、先発勝利だけで日米通算200勝を達成したベテラン右腕について、球種、投げ方、体調管理、データ活用、若手投手への指導など、さまざまな角度から凄さを語り合った。

 ダルビッシュはキャンプで若手投手のブルペンを見てフィードバックをしたり、質問に答えたりと、まるでコーチのような役割を担っているという。今季からパドレスに移籍した松井が登板後、ダルビッシュとタブレットを見ながら行う“反省会”は、ファンにはおなじみの光景だろう。

 そんなダルビッシュを、井口さんは「チームが長期契約をしたのは、プレーヤーとしての評価だけでなく、それ以外の部分も含めているのでは」と推察。「コミュニケーション能力があるダルビッシュは、実績を含めて選手が頼る」と評価する。

 五十嵐さんは「チーム全体を見たときに、自分がいる価値は何なのか。若い選手の底上げが、チームの力につながってくる。チームにとって大きなベテラン」という。

 もちろん、選手としても高い能力をキープし続けていることは、言うまでもない。「毎年、新しい変化球を見つけて投げる。常に進化が止まらない」(五十嵐さん)ダルビッシュのピッチングを、井口さんは投手の“究極”と称賛するのだが、続きは動画で楽しんでほしい。

松井とダルビッシュの“反省会” 【Photo by Masterpress/Getty Images】

 動画の前半、プロ入り後のダルビッシュの軌跡を、これまで所属した日米5球団の写真とともに紹介しているが、その歩みは決して平坦ではなかった。

 本人が2019年5月1日、Instagramに投稿しているように、鳴り物入りで日本ハムに入団するも、早々の失態で週刊誌の“砲撃”にさらされた。東北高校時代、最後の甲子園で松本啓二朗さん(元DeNA)擁する千葉経大附との雨中の決戦で見せた、高校生らしからぬ威風堂々とした姿に魅了された筆者は、ここから立ち直って、息が長い偉大な選手になったことが、ただただ嬉しくて仕方がない。

 動画の後半、現在37歳のダルビッシュが今後、どこまで通算勝利記録を伸ばしていくか、ピッチングスタイルがどう変化していくか、冗談を交えながら語り合うシーンがある。今季は4月と6月の2度、故障者リスト入りしているが、どうか1年でも長く現役を続け、後進に豊富な知見を伝えてほしいと切に願う。

(企画構成:スリーライト)

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