大谷翔平、今永昇太、山本由伸ら日本人選手の“心理”をディープに考察!【五十嵐亮太×井口資仁のMLB対談2024】

柴山高宏(スリーライト)

大谷翔平に表れた“変化”とは?

 第2回のテーマは「大谷翔平」。打者に専念している今季はオープン戦から好調をキープ。なかでも4月は打率.356、7本塁打、OPS 1.126という好成績を残した。

「キャンプを見ていると、今季は打率を残すことを意識したバッティングに変わっている気がする」と井口さんが指摘するように、目を引くのは打率の高さだ。2004年のイチロー以来となる首位打者のタイトル獲得に期待が集まるが、今季の大谷のバッティングと打席に入るときの心境の変化、高打率を残すことができている要因を、動画の前半から中盤にかけて井口さんが詳しく解説している。

 また、第2回は五十嵐さんがまるで記者のように、井口さんに質問を投げかける点にも注目してほしい。なかでも、「見送ってもいいようなインハイのファストボールに、打者がつい手を出してしまう理由」に対する答えは必見だ。韓国で行われたパドレスとの開幕シリーズで、ダルビッシュ有と対戦したときに打ったファウルを例に、声にならない18.44mの投打の駆け引きと、そこに潜む思惑を語っている。

開幕戦で見られた大谷とダルビッシュの直接対決。大谷は3打席ノーヒットに抑えられた 【Photo by Masterpress/Getty Images】

 話題はポストシーズンの戦いにも及んだ。現役時代、2度の出場経験がある井口さんは「8月の終わりから9月にかけて、チームが異常なほど興奮してくる。急にみんなヒゲを生やしたり(笑)」と、チームに表れる変化を語る。大谷はまだ出場経験がないが、この戦いに向けてチームの士気が高まってきたときに、自身の成績も比例して上がっていくのか。

「ロバーツ監督は主力選手も休ませるなど、しっかり管理できている。見据えているところが他のチームとは違う」(井口さん)

「エンゼルス時代の昨季は夏場以降、体力がもたなかった。今季はある程度、体力を保ちながら、終盤を迎えられる可能性が高い」(五十嵐さん)

 ワールドシリーズに出場して、チャンピオンリングを手にすることはできるか。そして、動画後半でも語られるタイトル争いの行方にも、注目していきたい。

<次のページ:ダルビッシュ有 編>

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