F1ドライバー角田裕毅の成長と素顔 父・信彰氏に独占インタビュー

柴田久仁夫(auto sport)

サウジアラビアGPでは、予選Q3に進出し9番手スタートとなった。「予選がいいと、決勝ではダメなことが多いから、サウジは見られなかったです」と親ならではの心境も語ってくれた。 【Red Bull Content Pool】

 そんな角田選手の変化は、どこから来たのだろう。F1で3シーズンを過ごし、それなりに実績も積んできたからなのか。

「F1ドライバーとしてパフォーマンスが上がっていくにつれて、(私たちに対しても)寛容になってきた気はします。でも多分ですけど、ヨーロッパの文化に触発されてもいるんだと思います。特にガスリーが親に接する姿とか、そういうのをレースのたびに見て、変わっていったように思います。ガスリーは末っ子で、両親だけじゃなくて兄たちにもすごく可愛がられてますしね。モナコでは、露店で家族がガスリーグッズを売ったりしています。その近くのカフェに両親が座って、その様子を眺めてる」

 角田選手が兄のように慕うガスリーが、温かい家族関係を築いている。確かに彼の影響は小さくなかっただろう。

デビュー時にコンビを組んでいたガスリーからは、多くを学んだようだ。「ガスリーの他には、マグヌッセンとも仲がいいみたいですね」と意外(?)な交友関係も明かしてくれた。 【Red Bull Content Pool】

 では最後に信彰さんは、角田選手の今シーズンがどんな1年になってくれたらいいと思っているのだろう。

「正直なところ、あまり先のことは考えてないです。そのときそのときを追っていくだけというか。変に期待をして、そうならないとガッカリしますしね。具体的な結果よりも、とにかくチームメイトを上回ってくれればいい」

「昨年も最初の頃は、裕毅に対して”死に物狂い”という表現を皆さんされていた。今年はそんな気持ちをより強く持ってやってるのかなと思っています」

 このインタビューは、第2戦サウジGPの数日後に行われた。ケビン・マグヌッセンに抑え込まれ、レースペースも伸びないままに入賞を逃した悔しいレースだった。

「レース後は、ガッカリしていることが多いから電話は少ない」と、語っていた信彰さん。しかしインタビュー後に開催されたオーストラリアGPでは、角田選手はダニエル・リカルドに完勝し、さらに7位入賞を果たした。決勝レース直後の親子の会話は、さぞ盛り上がったに違いない。

第3戦オーストラリアGPで、今季初となる入賞(7位)を果たした。母国・日本GPでどのようなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。 【Red Bull Content Pool】

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