【インタビュー】生けるレジェンドリリーバーの背中を追いかけて 河野竜生「50試合登板を続けてこそ一流」

前田恵

エスコンでの投球練習時の4球目に…

エスコンフィールドでの登場曲についての裏話を明かしてくれた。エスコンで観戦する際は要注目 【写真:山下隼】

――今季もエスコンフィールドでの登場曲は去年と同じ、Little Glee Monsterの『ECHO』になるとお聞きしました。そもそも、どうしてこの曲を選んだのですか?

 僕がファイターズにドラフトで指名された2019年、ちょうど日本でラグビーのワールドカップが開催されていたんです。日本が(アジア勢初の)ベスト8進出を果たして、とても盛り上がった大会。あのとき、この曲がNHKのラグビーテーマソングに使われていて、よく耳にしていたんです。それで自分の登場曲を選ぶとき、歌詞も良くて、どんどんモチベーションが上がってくる感じのメロディーの、この曲が真っ先に浮かびました。しかもサビの部分に来るまでの長さが、僕がブルペンを出てマウンドで投球練習をし、試合が再開されるまでの尺にピッタリなんですよ。

――それはすごいですね。今季、そこも意識しながら河野投手のマウンドを見てみます!

 (マウンドでの投球練習の)4球目に足を上げるぐらいのところでサビに入ると、キャッチャーが5球目を捕ってセカンドに送球して、ボールが僕のところに返ってくるあたりでちょうどよく曲が切れるんです。エスコン以外の球場開催でブルペンがちょっと遠いところにあるときなんかは、投球練習中に自分で時間を作って、4球目でサビに入るよう調整している……つもりです。もしうまく4球目になってなかったら、すみません(笑)。

――今季、グラブにご家族と愛犬(ビション・フリーゼ2匹)の名前を刺繍で入れたとか。エスコンフィールドでは、愛犬と一緒に観戦できる日もあるそうですが、河野家もいかがですか?

 いやいや、それはたぶん妻が一人で子どもと犬を連れてくるのが大変すぎて……(笑)。来たとしても、試合どころじゃなくなってしまいそうで、気の毒です。球場に来たら、やっぱりちゃんと野球を見たいだろうと思うんですよね。

――球場に隣接していてお部屋から試合が見られる、タワーイレブンホテルに宿泊してもらうとか?

 家族だけなら、あそこもいいですね。もっと近くで見たいって言われるかな(笑)。でも、あんな豪華なホテルにいつでも家族を招待できるような選手になりたいですね。

河野竜生の“推し”チームメートは?

福島蓮:昨季ファームでは先発も経験し防御率2.79、4勝(2敗)をマークした期待の若き長身右腕 【写真は共同】

――最後に河野投手から、今季のイチオシ・チームメートを教えてください。

 育成の福島蓮投手(※)と柳川大晟投手。僕が言うのもなんですが、入団したころと比べて、ものすごく成長していると思います。成長しているだけでなく、スケールも大きくなっていますね。先日(春季教育リーグで)久しぶりにエスコンフィールドで投げたとき、僕のあとをあの2人が投げたんです。2人ともとても素晴らしい球を投げていて、「こいつら、すげえな」と驚きました。高卒3年目にして、体もしっかり大きくなっています。早いうちに支配下登録されるんじゃないかなと思います。

(※編集部注:福島投手は取材後の3月14日に支配下選手登録)

(構成:株式会社スリーライト)

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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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