明豊が「一球への執着を持って」鍛えた球際 伝統の堅守で見据える日本一
1、2番コンビが攻撃起点 目指すは初めての全国制覇
打撃練習をする主砲の的場航輝選手 【神山恵撮影】
攻撃の起点となるのが木村留偉選手、高木選手の1、2番コンビだ。秋の公式戦ではいずれも打率は4割を超え、盗塁は9試合で2人合わせて17と自慢の俊足で好機を作った。そつのない攻撃も得意としており、九州大会準決勝の東海大福岡戦では一回に木村選手が四球で出塁すると、盗塁などで三塁に進み高木選手の犠飛で生還。無安打で先制に成功した。4番には秋の公式戦で2本塁打と長打力が光る的場航輝選手が座っており、好機で中軸に回せば大量得点が期待できる。
投手リレーで着実に勝利積み重ね エース争いはし烈
投手陣の柱となることが期待される野田皇志投手 【矢頭智剛撮影】
守りでは1試合の平均失策が出場校中3番目に低い0.44という安定感を見せ、明豊伝統の堅い守備が受け継がれている。それでも「記録には残らないミスがかなりあった」(川崎監督)と満足せず、冬には基礎練習を繰り返しこなしてきた。
21年春に準優勝した後も3年連続で夏の甲子園に出場するなど常連だが、初戦敗退が2度、3回戦敗退が1度と、いずれも8強入りはできなかった。川崎監督が「常に上に行っている強豪校とはまだ差がある。もう一つ上のレベルに行ってほしい」と期待すると、主将の山内選手も「入学した時から日本一をずっと目標にしてきた。(センバツ出場という)スタートラインには立てたので、優勝を狙いたい」。視線の先には、春夏通じて初となる全国の頂点がある。