センバツLIVE! 全32校アンケート分析

明豊が「一球への執着を持って」鍛えた球際 伝統の堅守で見据える日本一

毎日新聞

1、2番コンビが攻撃起点 目指すは初めての全国制覇

打撃練習をする主砲の的場航輝選手 【神山恵撮影】

 昨秋の九州大会は、盗塁、エンドランなどの小技を駆使したバリエーション豊かな攻撃で着実に得点を重ねて勝ち進み、決勝進出。センバツで準優勝した2021年以来の選出となった。

 攻撃の起点となるのが木村留偉選手、高木選手の1、2番コンビだ。秋の公式戦ではいずれも打率は4割を超え、盗塁は9試合で2人合わせて17と自慢の俊足で好機を作った。そつのない攻撃も得意としており、九州大会準決勝の東海大福岡戦では一回に木村選手が四球で出塁すると、盗塁などで三塁に進み高木選手の犠飛で生還。無安打で先制に成功した。4番には秋の公式戦で2本塁打と長打力が光る的場航輝選手が座っており、好機で中軸に回せば大量得点が期待できる。

投手リレーで着実に勝利積み重ね エース争いはし烈

投手陣の柱となることが期待される野田皇志投手 【矢頭智剛撮影】

 投手陣は九州大会の全4試合を継投で戦い、準優勝に導いた。絶対的なエースがいない分、チーム内競争は激しく、互いに刺激し合ってきた。野田投手は直球の最速が142キロの右腕で、スライダーやカーブ、チェンジアップなどを操る。昨夏の甲子園1回戦ではタイブレークの延長十回に登板し2安打を許してサヨナラ負けを経験しており、「夏の甲子園を思い出しながら投球練習をしてきた。センバツでは相手を抑えたい」と雪辱を期す。身長182センチと上背のある一ノ瀬翔舞投手はコントロールが持ち味で、秋の大会7試合で計30回を投げ防御率0.60と存在感を示した。

 守りでは1試合の平均失策が出場校中3番目に低い0.44という安定感を見せ、明豊伝統の堅い守備が受け継がれている。それでも「記録には残らないミスがかなりあった」(川崎監督)と満足せず、冬には基礎練習を繰り返しこなしてきた。

 21年春に準優勝した後も3年連続で夏の甲子園に出場するなど常連だが、初戦敗退が2度、3回戦敗退が1度と、いずれも8強入りはできなかった。川崎監督が「常に上に行っている強豪校とはまだ差がある。もう一つ上のレベルに行ってほしい」と期待すると、主将の山内選手も「入学した時から日本一をずっと目標にしてきた。(センバツ出場という)スタートラインには立てたので、優勝を狙いたい」。視線の先には、春夏通じて初となる全国の頂点がある。

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