強打を誇る名門・常総学院は基本も徹底 社会貢献の大志を抱く選手も
センバツ出場が決まり喜ぶ常総学院の選手たち 【和田大典撮影】
「どの打順からでも点を取れる」
その一方で、基本も怠らない。若林主将が「ユニークな練習」で回答したのは「キャッチボール」。野球の基本中の基本を、正確な投球と捕球を徹底しつつたっぷり時間かけて反復している。打撃力がクローズアップされがちだが、今年のチーム特色は「守備からリズムを作って攻撃へつなげていく野球」といい、根底には守りがある。
主将としてもっとも骨を砕いたのは、「オフシーズンもどれだけ気を抜かずに練習できるか」。冬場の練習では、新しい基準の低反発な金属バットに対応するため、球を芯でとらえる技術の向上に取り組んできた。
教育目標として「社会に貢献するリーダーの育成」を掲げている常総学院。名門を束ねる若林主将は、象徴的な存在だ。日ごろから「目配り、気配りを大事にしている」といい、視野が広い。島田直也監督も「頑張り屋」と信頼を寄せている。
垣間見えた堅実さと社会貢献への意欲 選手たちの夢
大会前に主催者が常総学院の選手20人に実施した「将来の夢」のアンケート調査結果 【毎日新聞】
プロ野球選手を掲げたのは、秋季大会で中軸を担った片岡陸斗選手、武田勇哉選手ら4人。公務員と消防士は、それぞれ2人ずついた。池田翔吾選手が「貧困問題解決」という大きな夢を描くなど、具体的な職業ではないが、社会や他者に役立つ仕事をしたいと考える選手も散見された。副主将の渡辺翔太選手は、海外での活躍も視野に入れてか、「英語をペラペラにする」と答えた。
対戦したいチームの項目では、昨秋の関東大会準決勝で敗れた作新学院へのリベンジを7人が希望。リードオフマンとして打線を勢いづけた丸山隼人選手は、「次は勝つ」と力強く宣言した。次いで多かったのは大阪桐蔭の4人。この4人は、プロ入りを夢見る4人と一致した。対戦したい選手としては、豊川のモイセエフ・ニキータ選手を3人が指名した。
趣味はドラマや映画鑑賞に音楽鑑賞、ゲームの回答が多く、屋内でリフレッシュする選手が多かった。