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強打を誇る名門・常総学院は基本も徹底 社会貢献の大志を抱く選手も

毎日新聞

切れ目のない攻撃が武器 全員野球で狙うは全国制覇

打撃練習をする武田勇哉選手 【和田大典撮影】

 昨秋の茨城県大会では準決勝までの4試合でコールド勝ち。勢いそのままに関東大会の1回戦では専大松戸(千葉)から18安打で9得点、準々決勝では花咲徳栄(埼玉)から17安打で10得点を挙げた。島田監督は「試合をする度に選手たちが成長してくれた」と振り返る。

 切れ目のない打線をけん引するのは、昨秋に打率4割超、2本塁打13打点をマークした武田選手だ。182センチ、87キロの体格を誇る右打ちのスラッガーで、1年秋から4番に座る。「ヒットの延長線がホームランという意識でいる」と言い、関東大会の準々決勝ではソロアーチを含む5打数3安打4打点と力を存分に発揮し、4強入りの立役者となった。2番の若林主将、打率3割8分1厘をマークした3番・片岡選手を中心に小技を絡めた攻撃にも力を入れる。茨城県大会から関東大会にかけて下位打線も奮闘し、上位進出を後押しした。

 投手は最速140キロ台後半の右腕・小林芯汰投手がエース。1年時からベンチ入りし、経験を積んできた。連投できる体力と体の強さが持ち味で、秋の公式戦12試合中10試合に登板。県大会ではコールドゲームながら準々決勝と準決勝で連続完投した。制球力に課題は残るが、島田監督は勝利のキーマンに挙げる。関東大会で好投を見せた齋藤一磨投手や、左サイドハンドの平隼磨投手らで小林投手を支えたい。

一つになって戦う=全員がヒーローの可能性

メンチカツ丼をかき込む常総学院の選手たち 【川島一輝撮影】

 新チーム初の公式戦だった県南地区大会初戦は、江戸川学園取手に3-2で逆転サヨナラ勝ちする波乱の幕開けだった。昨夏に先発入りしたメンバーが多く残り、期待が大きかった分、苦戦を強いられた衝撃は大きかった。だが、そこで話し合いを重ねたことで、「自分を犠牲にしても、チームのために何ができるかを考えるようになった」と島田監督は言う。

「特別目立つ選手がいるわけではないので、全員が一つになって戦うしかない。それはある意味全員にヒーローになれるチャンスがあるということ。1試合ごとに違うヒーローが生まれたらいいなと思っている」

 前回出場した21年は2回戦で中京大中京(愛知)に5-15で敗れた。島田監督は「あの悔しさは忘れていない」。目標の全国制覇に向けて、静かに闘志を燃やす。

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