センバツLIVE! 全32校アンケート分析

「とにかく明るい」学法石川 33年ぶりの春へ、名将が成長後押し

毎日新聞

センバツ出場が決まり、気勢を上げる学法石川の選手たち 【手塚耕一郎撮影】

 3月18日に開幕する第96回選抜高校野球大会には全国から32校が出場します。多彩な個性を持つチームに大会前、主催者はアンケートを実施しました。回答内容には、チームの魅力や今どきの球児事情が詰まっています。

「うちは善叶のチーム」

 33年ぶりに春の甲子園への切符をつかんだ学法石川。佐々木順一朗監督の自主性を大切にする指導法が選手たちの成長を後押しした。小宅(おやけ)善叶(よしと)主将を中心としたチームのまとまりのよさが特徴で、雰囲気は「とにかく明るい」という。

 小宅主将がチーム自慢として挙げたのは「仲の良さ」。部員は約70人。学年に縛られない部員全員の団結力がチームの魅力の一つだ。輪の中心は小宅主将。東北大会では出場機会がなかったものの、ベンチから声をかけて仲間を鼓舞し続けた。チームメートも「うちは善叶のチーム」と全幅の信頼を寄せる。心がけていることは「何事もチームのお手本となる行動をする」で、仲間を思い、常に自身を律する主将が「縁の下の力持ち」としてチームを支えている。

 チームについて、佐々木監督は「いい意味であきらめが悪く、最後まで粘りがある」と評価する。秋の福島県3位から東北4強まで上り詰めた自信とともに、夢舞台に挑戦する。

監督の「人生訓」胸に勝ち取った全国舞台 甲子園は夢への第一歩

大会前に主催者が学法石川の選手20人に実施した「将来の夢」のアンケート調査結果 【毎日新聞】

 全国の舞台を勝ち取った球児たちが主催者アンケートに記した「好きな言葉」には、佐々木監督の教えが色濃く反映されていた。

 「運命を愛し、希望に生きる」(回答:小沢陸蒔選手)、「本気になれば世界が変わる」(回答:岸波璃空選手、佐藤翼選手)。いずれも佐々木監督が、仙台育英を指揮していた当時から語っていた言葉だ。「いい親父になれ」(回答:小宅善叶選手)を含め、野球だけにとどまらぬ佐々木監督の人生訓に、令和の高校球児たちも心をゆさぶられているようだ。

 そんな選手たちの多くが掲げた将来の夢は「プロ野球選手」だった。アンケートに回答した20人のうち約半数の9人が挙げていた。野球関係の仕事に就きたいと考えている選手も3人おり、 甲子園は「夢」への第一歩と捉えているようだった。坂本奏都選手のように「いい親父になる」を自らの夢とした選手もいた。

 「趣味」に関する質問では、回答が分散。バスケットボールやサッカーといった他競技や散歩、読書、グラブ磨きなどバラエティーに富んだ内容となった。攻守の中心となる大栄利哉選手は「バレーボール」を挙げており、特技を「リフティング」と記載。捕手と投手の「二刀流」をこなす身体能力とともに器用さをうかがわせた。大河原千晟選手の「入浴」のようなユニークな回答もあった。

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