「とにかく明るい」学法石川 33年ぶりの春へ、名将が成長後押し
センバツ出場が決まり、気勢を上げる学法石川の選手たち 【手塚耕一郎撮影】
「うちは善叶のチーム」
小宅主将がチーム自慢として挙げたのは「仲の良さ」。部員は約70人。学年に縛られない部員全員の団結力がチームの魅力の一つだ。輪の中心は小宅主将。東北大会では出場機会がなかったものの、ベンチから声をかけて仲間を鼓舞し続けた。チームメートも「うちは善叶のチーム」と全幅の信頼を寄せる。心がけていることは「何事もチームのお手本となる行動をする」で、仲間を思い、常に自身を律する主将が「縁の下の力持ち」としてチームを支えている。
チームについて、佐々木監督は「いい意味であきらめが悪く、最後まで粘りがある」と評価する。秋の福島県3位から東北4強まで上り詰めた自信とともに、夢舞台に挑戦する。
監督の「人生訓」胸に勝ち取った全国舞台 甲子園は夢への第一歩
大会前に主催者が学法石川の選手20人に実施した「将来の夢」のアンケート調査結果 【毎日新聞】
「運命を愛し、希望に生きる」(回答:小沢陸蒔選手)、「本気になれば世界が変わる」(回答:岸波璃空選手、佐藤翼選手)。いずれも佐々木監督が、仙台育英を指揮していた当時から語っていた言葉だ。「いい親父になれ」(回答:小宅善叶選手)を含め、野球だけにとどまらぬ佐々木監督の人生訓に、令和の高校球児たちも心をゆさぶられているようだ。
そんな選手たちの多くが掲げた将来の夢は「プロ野球選手」だった。アンケートに回答した20人のうち約半数の9人が挙げていた。野球関係の仕事に就きたいと考えている選手も3人おり、 甲子園は「夢」への第一歩と捉えているようだった。坂本奏都選手のように「いい親父になる」を自らの夢とした選手もいた。
「趣味」に関する質問では、回答が分散。バスケットボールやサッカーといった他競技や散歩、読書、グラブ磨きなどバラエティーに富んだ内容となった。攻守の中心となる大栄利哉選手は「バレーボール」を挙げており、特技を「リフティング」と記載。捕手と投手の「二刀流」をこなす身体能力とともに器用さをうかがわせた。大河原千晟選手の「入浴」のようなユニークな回答もあった。