センバツLIVE! 全32校アンケート分析

「とにかく明るい」学法石川 33年ぶりの春へ、名将が成長後押し

毎日新聞

異色の「二刀流」がけん引 持ち味のチームプレーに期待

東北大会準々決勝で金足農を接戦の末に降して喜ぶ学法石川ナイン 【滝沢一誠撮影】

 昨秋は福島県大会3位校ながら東北大会では聖和学園(宮城)、金足農(秋田)と県1位校を次々と破った。準決勝は八戸学院光星に0-1で敗れたが、強打を誇る甲子園常連校を相手にロースコアの接戦に持ち込んだ。

 投手陣は2年生2人が中心だ。チーム最多イニングを投げた右の大栄選手は本職は捕手だが、県大会の終盤に登板すると、東北大会では柱として起用され、防御率0.93と好投した。異色の「二刀流」は「捕手で勝負したい気持ちもあるが、投手を任されたら全力で投げたい」と、どのポジションでも責任を果たすつもりだ。左の佐藤翼投手は内角を厳しく攻めて打たせて取る投球が持ち味で、八戸学院光星戦では1失点で完投した。県大会で軸になった3年生右腕・大友瑠選手も控える。

佐々木監督は「まずは1戦、いい形で終わりたい」

チーム最多イニングを投げた大栄利哉投手 【藤倉聡子撮影】

 打線は上位から下位までつなぐ意識が高い。4番の大栄選手はチーム最多13打点をマークし、バットでも引っ張る。1番の渡辺大世選手は積極的な打撃で大栄選手と並んで最多13安打を記録した。チーム打率は3割8厘と決して高くなく、本塁打も佐藤辿柊選手の1本だけ。この冬は基礎体力の向上や体づくりに注力し、全国の強豪と渡り合うために土台をつくってきた。

 東北大会の登録メンバー20人のうち、大栄選手や佐藤翼投手ら7人が系列校の石川義塾中出身。軟式だった中学時代から培ったチームワークの良さは、勝負強さにもつながっている。

 選手をまとめる佐々木監督は学法石川の指揮を託されてから約5年で、甲子園へと導いた。仙台育英(宮城)監督時代には2001年春と15年夏に甲子園で準優勝。選手自ら練習メニューを考えるなど、自主性を養う指導法は当時と変わらない。「自分たちは強いチームではない。だから『協力しないとだめだ』と選手たちは自覚している」と、選手たちが持ち味のチームプレーをさらに高めていくことに期待している。

 学法石川のセンバツ出場は1991年以来で、甲子園は99年夏以来。勝利は91年の春と夏に1勝ずつ挙げたのを最後に遠ざかる。佐々木監督は「まずは1戦、いい形で終わりたい」と気を引き締める。大舞台で、新たな歴史を作りにいく。

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