「とにかく明るい」学法石川 33年ぶりの春へ、名将が成長後押し
異色の「二刀流」がけん引 持ち味のチームプレーに期待
東北大会準々決勝で金足農を接戦の末に降して喜ぶ学法石川ナイン 【滝沢一誠撮影】
投手陣は2年生2人が中心だ。チーム最多イニングを投げた右の大栄選手は本職は捕手だが、県大会の終盤に登板すると、東北大会では柱として起用され、防御率0.93と好投した。異色の「二刀流」は「捕手で勝負したい気持ちもあるが、投手を任されたら全力で投げたい」と、どのポジションでも責任を果たすつもりだ。左の佐藤翼投手は内角を厳しく攻めて打たせて取る投球が持ち味で、八戸学院光星戦では1失点で完投した。県大会で軸になった3年生右腕・大友瑠選手も控える。
佐々木監督は「まずは1戦、いい形で終わりたい」
チーム最多イニングを投げた大栄利哉投手 【藤倉聡子撮影】
東北大会の登録メンバー20人のうち、大栄選手や佐藤翼投手ら7人が系列校の石川義塾中出身。軟式だった中学時代から培ったチームワークの良さは、勝負強さにもつながっている。
選手をまとめる佐々木監督は学法石川の指揮を託されてから約5年で、甲子園へと導いた。仙台育英(宮城)監督時代には2001年春と15年夏に甲子園で準優勝。選手自ら練習メニューを考えるなど、自主性を養う指導法は当時と変わらない。「自分たちは強いチームではない。だから『協力しないとだめだ』と選手たちは自覚している」と、選手たちが持ち味のチームプレーをさらに高めていくことに期待している。
学法石川のセンバツ出場は1991年以来で、甲子園は99年夏以来。勝利は91年の春と夏に1勝ずつ挙げたのを最後に遠ざかる。佐々木監督は「まずは1戦、いい形で終わりたい」と気を引き締める。大舞台で、新たな歴史を作りにいく。