JTの無敗Vか、NECの連覇か Vリーグ“最後の女王”に輝くのは? 2023-24 V1女子ファイナル見どころ
皇后杯準決勝でも対戦した両者。JTはリベンジなるか、それともNECが再び退けるか 【(C)JVA】
舞台は高崎アリーナ。3月2日には久光スプリングスとデンソーエアリービーズによる5位決定戦、埼玉上尾メディックスとトヨタ車体クインシーズによる3位決定戦が行われる。そして、翌3日は今季V・レギュラーラウンド無敗のJTマーヴェラスと今年度皇后杯女王のNECレッドロケッツによるファイナルが実施される。
攻守でハイレベルなJTは完全優勝に王手
安定感抜群のサーブレシーブと得点力を備える林琴奈(JT)はVリーグの舞台でもいぶし銀の活躍 【(C)JVL】
今季の強さの要因は単純明快で、攻守で高いレベルにあること。V・レギュラーラウンドにおけるチーム全体の数字では、アタック決定率42.0%、サーブ効果率9.4%、サーブレシーブ成功率61.7%はいずれもリーグトップだ。
まず攻撃面に関しては、オポジットでアメリカ代表のアンドレア・ドルーズが2シーズンぶりに復帰。チームにとっては2019-20シーズン優勝の立役者であり、その実力は知ったところ。もちろん今季も高いアタック力を武器に得点を量産し、埼玉上尾とのセミファイナルではチーム最多19得点をマークして勝利に貢献。さらには自身2度目となるサーブ賞(サーブ効果率13.8%)を受賞している。
加えて得点源となっているのは、今季移籍加入したミドルブロッカーのアライジャダフニ・サンティアゴ。2018-19シーズンに埼玉上尾に入団して以降、日本でのプレーは6季を数える。新天地でもそのパフォーマンスを遺憾なく発揮し、今季はスパイク賞(アタック決定率55.0%)とブロック賞(セットあたりブロック決定本数0.87本)の個人二冠を獲得した。
ドルーズとサンティアゴの外国籍選手の活躍が光る一方で、守備の面では日本人選手の存在も見逃せない。とりわけリーグトップのサーブレシーブ成功率を支えるのは、個人ランキング4位の林琴奈(68.3%)、同5位の目黒優佳(64.9%)、同8位の西崎愛菜(63.3%)たちである。
V・レギュラーラウンドでは開幕から連勝街道を突き進んだが、年末の令和5年度皇后杯ファイナルラウンドでは準決勝敗退。「まだまだ対応力や修正する力が足りていない」と吉原知子監督は振り返り、林も「ドルーズが決定打を放ってくれますが、そうではないときに、周りの選手がいかに決められるかが試される」と敗因を分析していた。明確な課題と向き合い、克服し、そのうえで勝ち星を着実に積み重ね、今季のVリーグではついに無傷のままファイナルを迎える。