全日本卓球選手権を6年ぶりに制しパリ五輪へ好スタート 張本智和が「100倍価値がある優勝」と胸を張る理由
「100倍価値のある優勝」
日本代表では戸上(左)が頼もしいチームメイトになる 【写真は共同】
「6年前はがむしゃらにただボールだけを見て打っていた少年が、6年間色々なものに巻きこまれました。試合をしているだけなのにそれ以外のものが気になったり、声援が逆に苦しいなと思ったときもあったり、プラスのものをプラスと感じられない時期もありました。疑心暗鬼があったり、自分を信じられないときもありました」
勢いで勝ち取ったタイトルと、様々な試練を乗り越え、2歳差のライバルとの激闘を乗り越えてつかんだタイトルでは「重み」が違う。張本はこう口にしていた。
「今日は本当にあのときの喜びの何倍もあります。本当に、冗談抜きで100倍くらい価値のある優勝だったと思います」
兄妹でパリへ
「やはりオリンピックですね。3年前のリベンジですし、何としても(シングルス、ダブルス、団体の)3種目でメダルを取る――。その達成が今年のテーマです。これで選考会も終わりですし、いよいよこの瞬間から世界に100%目を向けられます。今大会は優勝しましたけど、自分が一番努力することを忘れず、そこで油断したら足をすくわれてしまうので、気を引き締めて頑張りたい」
今回の全日本選手権では15歳の妹・美和選手が女子シングルスで準優勝を飾った。
「試合は見られていないんですけど、1ゲーム目は9-5から逆転されてしまいました。そのゲームを取られて0-4で負けるということは、まだ早田選手の方が強いということです。でもまだ彼女は15歳なので、本当に大成果だと思います。喜んでいい2位ですし、オリンピックの(団体戦/シングルスのメンバーになる)3枠目は妹に出てほしい。兄としてと、男子の1選手として、妹が3枠目にふさわしいと思っています」
2024年2月16日には韓国・釜山で団体の出場権を懸けた世界卓球が開幕する。
「今年は第5シードとして迎えるので、メダルを取れるか難しい位置ではあります。前回のようにメダルを取るのが目標ですけど、まず予選リーグを1位突破するためには今できることは台湾対策。僕も戸上選手も、相手選手の対策は明日から始めていいと思います。3-0で勝てれば一番いいですけど、不測の事態に備えて2勝できるように、準備を頑張っていきたいです」