【GPSウォッチレビュー】SUUNTO 「SUUNTO RACE TITANIUM(スント レース チタニウム)」

トレイルランナー JP

ブランド最高の機能に、見やすさと操作性の良さをプラスした新フラッグシップ

【写真提供:トレイルランナーJP】

SUUNTO(スント)から新しいパフォーマンスウォッチ「SUUNTO RACE(スント レース)」が登場しました。これは、既存の最高峰モデル「SUUNTO VERTICAL(スント バーティカル)」の基本性能を引き継ぎつつ、さらなるアップデートを加え、かつ価格も抑えた意欲作となっています。

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「SUUNTO RACE」はチタニウムモデルとステンレススチールモデルをラインナップ。どちらもボディのサイズ、形状は同じで、チタニウムは重量69g、内蔵メモリーが32GB、ステンレススチールは重量84g、内蔵メモリが16GBとなっています。内蔵メモリーにはオフラインマップをダウンロードできますが、日本全土のデータを入れても6.68GBなので、ステンレススチールモデルでも実用上の問題はありません。

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「SUUNTO RACE」の外観は既存の「SUUNTO VERTICAL」と非常に似ています。ワンタッチで交換可能なストラップは22mmで「SUUNTO VERTICAL」や「SUUNTO 9 PEAK」「SUUNTO 5 PEAK」と互換性があります。また、充電器は「SUUNTO VERTICAL」と同じマグネット方式を採用。約2時間で100%まで急速充電が可能です。

「SUUNTO VERTICAL」と同じマグネットによる充電システム。 【写真提供:トレイルランナーJP】

「SUUNTO RACE」の進化の大きなポイントは、ディスプレイとデジタルクラウンです。ディスプレイは1.43インチの超高輝度AMOLED。AMOLED(Active Matrix Organic Light Emitting Diode)は、有機ELパネルの一種で、画素一つひとつのオン・オフや輝度調整が可能で、精細かつ鮮やかなのが特徴です。もちろん、通常の有機ELと同様に視野角が広く、高輝度かつ高コントラストで応答性に優れ、低消費電力というメリットも兼ね備えています。

(左)「SUUNTO RACE」(左)「SUUNTO VERTICAL」 【写真提供:トレイルランナーJP】

上の写真は「SUUNTO RACE」と「SUUNTO VERTICAL」を比べたものです。ディスプレイの明るさはどちらも「中」に設定。「SUUNTO VERTICAL」だけを見ている時には暗いと感じたことはなく、むしろ鮮明なイメージでしたが、「SUUNTO RACE」は明るさ、コントラストともに格段に優れていることがわかります。

ダイヤルとしてもボタンとしても機能するデジタルクラウン。 【写真提供:トレイルランナーJP】

デジタルクラウン(リューズ)はSUUNTOでは初採用となります。センターのボタンをデジタルクラウンに変更したことでボタンとしてもダイアルとしても機能するようになり、回転操作によってモードやメニューを選択できます。これが想像以上に便利で、濡れていたり、グローブをしていてタッチパネルを使えない時にも重宝しました。一番便利だったのはマップのズームインとズームアウトで、ストレスなく操作できました。

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上の表はバッテリー性能の比較です。バッテリーのもちは「SUUNTO VERTICAL」の方が優れていますが、「SUUNTO RACE」でも十分な持続時間を誇ります。

インターフェイスも新しくなっています。ホーム画面から上にスワイプするか、デジタルクラウンを回すと、頻繁にアクセスするウィジェットをピン留めできる画面が表示されます。

新たに搭載されたのはHRV(心拍変動)、つまり心拍の間隔の変化の測定です(「SUUNTO VERTICAL」にもアップデートで搭載されました)。心拍間の時間変化を測定するHRVは今注目されている新しい生体指標で、一般にHRVが高ければ副交感神経系が優位で、リラックスし肉体的にも良い状態となります。HRVのデータは、ウォッチのミニウィジェットやSUUNTOアプリのトレーニングゾーンで確認できます。

新しく表示可能になったHRV。 【写真提供:トレイルランナーJP】

エクササイズの記録には95種類以上のスポーツモードをデフォルトで用意していますが、SUUNTOの他のモデル同様にカスタマイズしたスポーツモードを作るのがマストと言えるでしょう。例えば、ルートナビゲーションを使用する場合としない場合では表示したい情報も変わるのでトレイルランニング用として複数のスポーツモードを作るといいと思います。

オフラインマップは「SUUNTO VERTICAL」と同等の機能が提供されます。ディスプレイにマップを表示できるのはSUUNTOでは「SUUNTO RACE」と「SUUNTO VERTICAL」のみです。

ルートナビゲーション。青がコース、水色はこれから進むルート。赤は実際に走ったルート。 【写真提供:トレイルランナーJP】

現在位置表示。マップは半径25m(左)から2km(右)の範囲で表示可能。 【写真提供:トレイルランナーJP】

マップは事前にスマートフォンのアプリ経由でウォッチにダウンロードする必要があります。時間がかかるので余裕を持って準備したいところですが、一度ダウンロードするだけなので大きな問題ではありません。ルートナビゲーションでマップを使用する場合は「パフォーマンスモード」に設定する必要があります。そのほか、単に現在位置を示すこともできます。

「SUUNTO RACE」をルートナビゲーションで使用しましたが、精度は最高レベル。定評のある「SUUNTO VERTICAL」と同様の信頼性がありました。



バッテリーモードは「SUUNTO VERTICAL」と同様で「パフォーマンス」「エンデュランス」「ウルトラ」「ツアー」です。各モードの詳細は下の表にまとめてあります。

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SUUNTOの特徴と言えば便利な機能をアプリのように追加できるSuuntoPlus™がありますが、こちらももちろん使用可能で二つまで同時に起動できます。トレイルランに有効なのは安全性の観点からは経緯度情報がわかる「SAFE」や天候の情報がわかる「WETHER」など、また、大会でのサポートに使用したいのが、距離ごとに自分のメモを表示できる「RACE COMPANION」や現在のペースからゴールタイムを予想する「ULTRA RACE TIME」などです。

(左)RACE COMPANION。(右)ULTRA RACE TIME。 【写真提供:トレイルランナーJP】

近年は大会でもコースのGPXデータを提供してくれることが多く、選手自身のデバイスにコースのデータを入れて安全を担保するのがスタンダードとなりつつあります。精度が高いナビゲーションができて、バッテリーもしっかり長持ちする「SUUNTO RACE」は、トレイルランナーのパートナーとしてお勧めできる信頼性の高いウォッチです。

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SUUNTO RACE(スントレース)
チタニウム1モデル、ステンレススチール1モデルの計2種類で展開
・価格:チタニウム 95,480円(税込)、ステンレススチール 82,280円(税込
・ベゼル素材:グレード5チタン製(チタニウムモデル)
・ステンレススチール製(ステンレススチールモデル)
・ガラス素材:サファイアガラス製
・時計の直径:49mm
・時計の厚さ:13.6mm
・ストラップ幅:22mm
・重さ:チタニウムモデル69g、ステンレススチールモデル83g
・耐水性:100m
・内蔵メモリ:32GB(チタニウムモデル)16GB(ステンレススチールモデル)
・天気予報、気圧高度、コンパスと気圧計による高度表示、暴風雨アラーム
・軍用規格の最高峰であるタフネス試験(MIL-STD-810H)を実施
・毎日のアクティビティ追跡:歩数、心拍数、睡眠、カロリー、ストレス、HRV、血中酸素測定
・OTAソフトウェアアップデート
・95種類以上のスポーツモードが選択でき、カスタムモードを作成することも可能
・急速充電(約2時間でバッテリー100%)
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