高ヘッドスピーダーの新たな選択肢 マイルドな撓りで「操作性×強弾道」を生む新『TENSEI』

GEW(月刊ゴルフ用品界)

【新『TENSEI』】

三菱ケミカルは7月、『TENSEI Pro Blue 1k』シリーズ(5万5000円)を発売した。『TENSEI』シリーズと言えば、PGAのトッププロがこぞって使用するモデル。近年はクラブメーカーの純正シャフトにブランド名が採用されることも多く、ブランド価値が年々高まっている。そんな中発売された今作をティーチングプロの常住充隆氏が試打。特徴を解説する。

打ち手の弾道イメージを再現(試打スペック:50S)

【新『TENSEI』】

常住 まずデザインの第一印象ですが非常にシャープで、手元のブルーの差し色がカッコいいです。ロゴもホログラムになっていて高級感があります。『TENSEI』シリーズと言うと私の中ではPGAのプロが多く使っていて、しっかりしたイメージがありますが今回のモデルはどうでしょうか?

【50S試打データ①】

まずは50Sを試打してみたいと思います。50g台ということもあり、1球目はそこまで出力を上げずに打ってみましたが、思った以上に左に行かずに驚きました。シャフトの挙動は全体的にマイルドに撓る感じで、ハーフウェイダウンでしっかりたまりながら、真ん中、先端と徐々に動く印象です。フェードになったのは先端の強度が影響していそうです。

【50S試打データ②】

それを受けて2球目は少しつかまえて打ったところ、イメージ通りの弾道になりました。2球打ってみて感じたことはプレーヤーの意図する弾道になりやすいということ。操作しやすいシャフトだと言えそうです。

癖のない撓りで高初速を生む(試打スペック:70S)

【70S試打データ①】

常住 続いて70Sを試打しました。私にとっては重めのスペックになるのですが、実は重量としては他社の70g台に比べてそこまで重くはなく、50S同様に全体の撓り感が自然でマイルドです。

【70S試打データ②】

急激にヘッドが走ってしまうこともないので、振り手に合わせてくれるシャフトだと思います。特に2球目はつかまえながらのフェードで、アゲインストの風に負けないような弾道をイメージして打ってみたのですが、初速も70m/s以上出て強弾道になりました。とにかく癖がなくて余計な撓りをしない。操作性が抜群なので個人的にはとても打ちやすいです。

【新『TENSEI』】

常住 私の中では大きく分けてスイングタイプは2つあると思っています。1つ目は頭を残してボディーターンで打つタイプ。2つ目はトップから関節を連動的に使っていくタイプです。

前者はシャフトの縦の動きが大きいので、先が動き過ぎるシャフトだとヘッドがトゥダウンしやすいため、タメが作れる元調子系のシャフトの方が合います。その点、今作はタメが作られつつも先端がしっかりているので、このスイングタイプのゴルファーにもマッチします。

一方、後者は関節を多用する関係で元が動き過ぎると、うまくシャフトを撓らせられないので先調子系のシャフトが合います。その点、今作の全体的な撓りによって、シャフト全体をムチのように使って打つことができるため、このスイングタイプでも振りやすい。実は私もこのタイプなのですが、球をつかまえたり逃がしたりといった操作が自在に行える印象です。

【新『TENSEI』】

とは言え、ヘッドスピードはそれなりの速さが求められます。参考までに50Rも打ちましたが、重量は軽くても振った時は通常の50Rとは違うしっかり感を感じる。最低でも42m/sくらいはほしいところです。逆に言うとヘッドスピードは速いけど軽めのスペックで打っていきたい方は50Rでも左へのミスを懸念せず十分使えると思います。いずれにしてもヘッドスピードさえマッチすれば、スイングタイプは選ばないモデルだと言えるでしょう。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

1978年2月創刊のゴルフ産業専門誌「月刊ゴルフ用品界」(GEW)を発行。2000年5月から影響力のあるコアゴルファーを対象にネット情報を発信するウエブサイト「GEW」を立ち上げた。各種業界団体と連携、ゴルフ市場活性化への活動も推進中。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント