侍ジャパン再始動! WBC連覇へ、その未来を占う

侍ジャパン入りが期待できるアマ球界の逸材10人 未来のスター候補はドラフト指名選手だけではない

西尾典文

宗山塁(遊撃手/明治大3年)

明大の先輩・髙山俊(前阪神)が持つ東京六大学の通算最多安打記録(131安打)の更新も視野に入る遊撃手は、今プロ入りしても十分やれるとの声もある逸材だ 【写真は共同】

 早くも来年のドラフトの目玉と見られている明治大不動のショート。侍ジャパンの井端弘和監督も下級生の頃からその守備力を絶賛し、フットワーク、ハンドリング、スローイングの全てが一級品。打っても大学3年間ですでにリーグ戦通算94安打を放ち、8本塁打と長打力も備えている。

 大学生ショートとしては鳥谷敬(早稲田大→阪神)以来の大物であり、来年のドラフトでは1位重複は間違いないという声も多い。侍ジャパンでも源田壮亮(西武)の後継者として期待できる選手だ。

金丸夢斗(投手/関西大3年)

関西学生野球連盟ではまさに無双。今秋のリーグ戦では6勝無敗、防御率0.35という圧巻の数字を残して関大を優勝に導き、MVP、最優秀投手、ベストナインに選ばれた 【写真は共同】

 来年ドラフトの野手の目玉が宗山塁なら、投手の目玉がこの金丸だ。関西大では2年春から不動のエースとなり、3年秋までにリーグ戦通算19勝2敗、防御率1.07という圧倒的な数字を残している。コンスタントに150キロを超える本格派サウスポーながら、スピード以上に素晴らしいのがその制球力で、コーナーいっぱいに投げ込み、打者にフルスイングを許さない。変化球のレベルも高く、この秋は51回で74個の三振を奪った。

 今年1位指名された大学4年生の投手と比べても上回っている部分が多く、プロでも即戦力として見込める。

西川史礁(外野手/青山学院大3年)

青学大では3年になってレギュラーをつかみ、春のリーグ戦で奮迅の活躍。一躍、大学球界を代表するスラッガーに 【写真は共同】

 今年大ブレイクした強打の外野手。東都大学の春のリーグ戦で3本塁打、10打点の活躍でMVPとベストナインに輝くと、続く大学選手権でも5割近い打率を残し、青山学院大の優勝に大きく貢献した。3年生ながら大学日本代表でも4番を務め、日米大学野球では3割を超える打率をマーク。全身を使った豪快なフルスイングは迫力十分で、対応力の高さも光る。龍谷大平安時代はショートとしてプレーし、脚力と肩の強さも申し分ない。

 秋は厳しいマークに苦しんだが、順調にいけば来年のドラフト1位候補となるに違いない。

堀越啓太(投手/東北福祉大2年)

 東北の大学球界が誇る本格派サイドスロー。花咲徳栄時代はプロ志望届を提出しながら指名漏れとなったが、大学進学後に驚きの成長を遂げた。本人も目標と話す大勢(巨人)を彷彿とさせる躍動感あふれるフォームから繰り出すストレートは、コンスタントに150キロ台中盤をマーク。練習では160キロを突破しているという。少しリズムが単調になるのは課題だが、スピード、球威に関してはすでにアマチュア全体でも1、2を争うレベルだ。

 大勢のように、早くから侍ジャパンのリリーフ陣に食い込んでも不思議はない逸材だ。

森陽樹(投手/大阪桐蔭1年)

 中学時代に軟式で140キロを超えるスピードをマークするなど、大阪桐蔭入学前から注目を集めていた大型右腕。この秋から投手陣の一角に定着すると、近畿大会では3試合、10回を投げて無失点、16奪三振と圧巻の投球を見せた。長いリーチを活かした豪快な腕の振りで、145キロを超えるストレートは数字以上の勢いがある。

 高校1年秋の時点で選ぶのは少し気が早いという声もありそうだが、素材の良さは間違いない。佐々木朗希(ロッテ)のように、高校在学中に160キロを超えるボールを投げることも十分に期待できるだろう。

(企画・編集/YOJI-GEN)

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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