【特別コラム】スポナビ野球速報アプリ10周年記念 プロ野球10年史(前編/2013年~2018年)

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2016年

栗山英樹監督率いる日本ハムが2016年にリーグ優勝&日本一。「二刀流」大谷翔平の伝説が本格的にスタートした 【写真は共同】

 夏にリオデジャネイロ五輪が開催されたこの年、プロ野球界を沸かせたのは広島と日本ハムだった。

 緒方孝市監督に率いられた広島は、タナキクマル(田中広輔、菊池涼介、丸佳浩)に加えて、鈴木誠也の「神ってる」活躍で逆転勝ちを続け、チーム&ファン一丸となって25年ぶりのリーグ優勝を果たした。この年限りで現役を引退した黒田博樹と新井貴浩の抱擁シーンは多くの人々の涙を呼んだ。

 一方、栗山英樹監督が率いた日本ハムは、6月から7月にかけて破竹の15連勝をマーク。大谷翔平が二刀流として10勝&22本塁打の活躍を見せた中、ソフトバンクに付けられた最大11.5ゲーム差を覆しての大逆転劇で4年ぶりのリーグ優勝を飾った。迎えた日本シリーズでも4勝2敗で広島を下し、10年ぶりの日本一に輝いた。

 記録も多く生まれ、ヤクルトの山田哲人が2年連続のトリプルスリーを達成すれば、阪神の福留孝介は中日時代の2003年に続いて史上初の2球団、そして39歳3カ月の最年長でサイクルヒットを達成。その他、DeNAが球団初のCS進出を果たし、大谷は9月に日本球界最速の164キロを計測すると、CSでは1キロ更新する165キロをマークした。

 また、海の向こうではイチロー(マーリンズ)が偉業を達成した。当時42歳。6月15日(日本時間16日)、ピート・ローズの記録を破る日米通算4257安打を放ち、お祝いムードになった。

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2017年

 この年は「侍ジャパン」で始まった。小久保裕紀監督率いる野球日本代表が3月に「世界一奪回」を掲げて第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に挑んだ。しかし、準決勝でアメリカ代表に1-2の惜敗。8回のチャンスで筒香嘉智が放った「逆転3ランか!?」と思わせるライトフライを覚えているファンも多いだろう。

 なお、これまでプロ野球の試合速報のみ対応していたアプリもWBCに対応したことで新規ユーザーが急増。その後のMLBや高校野球対応など、速報ジャンル拡大への一歩を踏み出す年となった。

 迎えたペナントレースでは、巨人の菅野智之が17勝5敗、防御率1.59と出色のピッチングで沢村賞を受賞。だが、優勝したのは広島だった。前年の勢いを確実な強さに変えて、開幕直後から独走態勢で2位阪神に10ゲーム差を付けてリーグ連覇を果たした。

 パ・リーグでは、ソフトバンクが前年の悔しさを晴らし、リーグ史上最速でのぶっちぎり優勝。守護神のサファテが日本記録となる54セーブをマークした。そしてセ・リーグ3位からCSを勝ち上がったDeNAを日本シリーズで下し、2年ぶり8度目の日本一に輝いた。

 その他では、西武の菊池雄星が最多勝&最優秀防御率の2冠を獲得。同じく西武の源田壮亮がプロ1年目で「たまらん」守備を魅せて新人王を受賞した。楽天の則本昂大は4月から6月にかけて日本新記録の8試合連続の2ケタ奪三振を記録し、シーズントータルでも自己最多の222奪三振をマーク。そして中日の荒木雅博は6月に通算2000安打を達成した。

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2018年

 この年も、セ・リーグでは広島が強さを誇示して3連覇を達成。巨人の菅野智之が2年連続沢村賞の働きを披露し、ヤクルトの山田哲人が史上初となる3度目のトリプルスリーを達成したが、緒方カープの優位性は変わらず。大瀬良大地が最多勝をマークし、丸佳浩は2年連続のMVPを受賞。念願の地元胴上げも成し遂げた。

 パ・リーグでは西武が10年ぶりの優勝を飾った。秋山翔吾、源田壮亮、浅村栄斗、山川穂高、森友哉、外崎修汰、栗山巧と続く「山賊打線」が開幕から大爆発。機動力も掛け合わせ、爆発的な得点力とともに勝利を重ね、辻発彦監督が宙を舞った。

 だが、日本一はソフトバンクだった。レギュラーシーズン2位からCSを勝ち上がり、日本シリーズでは「甲斐キャノン」と称される甲斐拓也の強肩が広島の機動力を封じ込めて、下剋上での日本一に輝いた。なお、甲斐は打率.143、打点0という成績ながら、シリーズMVPを受賞している。

 その他の記録では、中日の岩瀬仁紀が9月に前人未到の1000試合登板を達成した。また、この年に大谷翔平がMLBのエンゼルスに移籍。海の向こうでも二刀流を継続し、投手として10試合で4勝2敗、防御率3.31、打者として104試合で打率.285、22本塁打、61打点の成績を残し、新人王を受賞してMLB初年度のシーズンを終えた。

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※後編(2019年~2023年)へ続く

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