バスケW杯で活躍が期待される“桜木花道” 川真田絋也の異色な経歴、プレーと「愛されキャラ」

大島和人

半年前は「練習生」だった

昨年10月の新潟戦は「スーパーマン」の格好で登場 【(C)B.LEAGUE】

 ただ1年前、いや半年前に川真田が代表入りすると想像していた人はほぼ皆無だろう。今年2月の代表合宿には日本代表候補でなく練習生として参加していた。

 東野技術委員長は言う。

「将来的な代表入りという狙いはあったし、本人の努力次第ではあるけれど、(メンバー入りは)そんな簡単ではないと思っていました。当時の社長に『将来があるから』とは言ってお願いはしたけど、本当に(今年のW杯で)メンバーに選ばれるイメージは、おそらく本人以外誰もしていなかったと思います」

 川真田は徳島県立城南高、天理大の出身で、この競技のエリートコースは決して歩んでいない。今回の代表チームの中で「高校時代に全国大会を経験していない」選手は、アメリカの高校を卒業した3名を除くと、川真田と原修太の2人だけ。川真田は高校、大学で身長が伸びた経緯があるにせよ、プロや代表に絡むような選手としては異例なほど台頭が遅かった。

 天理大には同じポジションに外国人留学生がおり、ブレークは4回生になってから。11月のインカレで好プレーを見せ、東野技術委員長もそこで彼の存在に気づいた。(大学生の代表チームで参加する)ユニバーシアードのスタッフは「もっと早く知っていたら呼んでいた」と悔やんだという。

川真田の急成長がおよぼすインパクト

 天理大4年次には当時B2だった佐賀バルーナーズで、まず特別指定選手としてプレーした。ルイス・ギルヘッドコーチ、保田尭之コーチとともに滋賀に移り、今季で3シーズン目となる。2022-23シーズンは外国籍選手の負傷もあり、1試合平均12分22秒とプレータイムを伸ばしていた。最終的にチームはB2降格となったが、川真田の奮闘や成長は光っていた。そして今回、代表合宿で一気に評価を上げた。

 川真田は自らの成長についてこう述べる。

「全く新しい、今までの自分にはなかったようなバスケットをしています。知識的にも成長できていると思いますし、選手が一流なので色々な情報、知識をもらえる。成長できています」

 東野技術委員長は言う。

「今このタイミングの開花はギリギリと言ったらギリギリですけど、日本代表は恵まれているなと感じます。あんなキャラの選手が今まで日本にいたでしょうか? もちろん渡邊や八村、河村や富樫といった特別な選手はいますけど、川真田の登場は『SLAM DUNK』に桜木花道が出てきた感じに思えてなりません」

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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