バスケW杯で活躍が期待される“桜木花道” 川真田絋也の異色な経歴、プレーと「愛されキャラ」
半年前は「練習生」だった
昨年10月の新潟戦は「スーパーマン」の格好で登場 【(C)B.LEAGUE】
東野技術委員長は言う。
「将来的な代表入りという狙いはあったし、本人の努力次第ではあるけれど、(メンバー入りは)そんな簡単ではないと思っていました。当時の社長に『将来があるから』とは言ってお願いはしたけど、本当に(今年のW杯で)メンバーに選ばれるイメージは、おそらく本人以外誰もしていなかったと思います」
川真田は徳島県立城南高、天理大の出身で、この競技のエリートコースは決して歩んでいない。今回の代表チームの中で「高校時代に全国大会を経験していない」選手は、アメリカの高校を卒業した3名を除くと、川真田と原修太の2人だけ。川真田は高校、大学で身長が伸びた経緯があるにせよ、プロや代表に絡むような選手としては異例なほど台頭が遅かった。
天理大には同じポジションに外国人留学生がおり、ブレークは4回生になってから。11月のインカレで好プレーを見せ、東野技術委員長もそこで彼の存在に気づいた。(大学生の代表チームで参加する)ユニバーシアードのスタッフは「もっと早く知っていたら呼んでいた」と悔やんだという。
川真田の急成長がおよぼすインパクト
川真田は自らの成長についてこう述べる。
「全く新しい、今までの自分にはなかったようなバスケットをしています。知識的にも成長できていると思いますし、選手が一流なので色々な情報、知識をもらえる。成長できています」
東野技術委員長は言う。
「今このタイミングの開花はギリギリと言ったらギリギリですけど、日本代表は恵まれているなと感じます。あんなキャラの選手が今まで日本にいたでしょうか? もちろん渡邊や八村、河村や富樫といった特別な選手はいますけど、川真田の登場は『SLAM DUNK』に桜木花道が出てきた感じに思えてなりません」