今年もマリーンS組が最有力か!? エルムSを占う
2023/7/8 函館 11R マリーンステークス 1着 10番 ペプチドナイル 【Photo by JRA】
■表1 【エルムSの前走レース別成績(過去10年)】
福島ダート1700mで行われた3勝(1600万)クラスの安達太良S組【2.0.0.2】が意外と好成績。13年はフリートストリートが3番人気、16年はリッカルドが7番人気で勝利している。また前走3勝クラス組は、17年コスモカナディアン(前走安達太良S1着)4着、19年レッドアトゥ(前走東大路S1着)4着、22年ブラッティーキッド(前走報知杯大雪ハンデ1着)4着と惜しい競馬も多い。前走3勝クラス組は全体的に注意した方が良さそうだ。
後は前走平安Sや東京大賞典など、ダート重賞(JRA+地方)組から好走馬が出ている。
■表2 【前走マリーンS(H)組の着順別成績(過去10年)】
■表3 【前走JRA重賞組の着順別成績(過去10年)】
■表4 【エルムSの年齢別成績(過去10年)】
【結論】
それでは今年のエルムSを展望する。出走予定馬は表5の通り。
■表5 【今年のエルムSの出走予定馬】
注目のマリーンS組はペプチドナイルが最有力だろう。2走前に勝利した大沼Sに続き、前走マリーンSは1番人気に支持されて逃げ切り勝ち。ハンデ57.5キロを背負ってマークされながらも、そのまま押し切り3馬身半差で完勝した内容は強かった。今夏の勢いは目覚ましく、一気に重賞タイトルを獲得しても不思議はない。
マリーンS2着のルコルセールもデータ的には有力で、逆転もありうる。同レースではペプチドナイルに3馬身半離されたが、この差をどれだけ詰めることができるか。マリーンS3着のセキフウも侮れない。同レースの上がり3ハロンは、ペプチドナイルと同じくメンバー中最速だった。今年のマリーンSの上位3頭は若く、年齢的にも狙い目。
一方、前走重賞組は全体的にぱっとしない印象。近2走以内にダート重賞で好走を果たしている馬が1頭もいないからだ。ペイシャエスは実績上位だが斤量59キロに加えて、今年に入っての成績が良くない。昨年のレパードSを制したカフジオクタゴンは、JRAの古馬重賞では5着が最高成績と伸び悩んでいる。こうした点もマリーンS組にとっては有利に見える。
それならば格下だがワールドタキオンに注目。地方から再度中央に入厩した馬で、前走3勝クラスの甲州街道Sを制して目下4連勝と勢いに乗っている。マリーンS組を相手にどこまで食い下がれるか見ものだ。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ