頂への挑戦 負け続けた末につかんだ「勝者」の思考法

川田将雅にとって「忘れられない1年」 超良血馬たちの鞍上で起きた変化 

川田将雅
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2014年の桜花賞を制したハープスターと川田将雅。最後方から17頭ごぼう抜きという衝撃の末脚で優勝を飾った 【写真は共同】

 マカヒキでの日本ダービー制覇やラヴズオンリーユーでのブリーダーズカップ フィリー&メアターフ勝利など数々のG1レースを制してきた、日本を代表するジョッキー・川田将雅。
 2022年には最多勝利・最高勝率・最多賞金獲得の三冠を実現し、史上4人目となる「騎手大賞」を獲得。9年ぶりの「JRA生え抜きリーディングジョッキー」となった。
 その活躍の原動力といえる負け続けた末につかんだ「思考法」を綴った書籍『頂への挑戦 負け続けた末につかんだ「勝者」の思考法』(KADOKAWA)の一部を抜粋して公開します。

トゥザワールドとハープスターとの出会い

 2013年9月、デビューを控えた1頭の男馬に出会いました。父キングカメハメハ、母トゥザヴィクトリーという超良血馬、トゥザワールドです。

 良血に恥じない素晴らしい背中をしていて、デビュー前から翌年のクラシック(皐月賞、日本ダービー、菊花賞、桜花賞、オークスの総称)に連れて行くことが絶対のミッション。そういった類の男馬にデビューから携わるのは、初めての経験でした。
 そしてトゥザワールドに先立ち、同年7月の新潟で鮮烈なデビューを飾ったのがハープスターです。

 結果論ですが、この2頭は翌2014年の桜花賞、皐月賞の1番人気馬ですからね。そういった馬たちの手綱をデビュー戦から託され、さすがにジョッキーとしてのステージが上がったことを感じ、身の引き締まる思いで2014年を迎えました。
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