頂への挑戦 負け続けた末につかんだ「勝者」の思考法

ジョッキー・川田将雅の“負けからのスタート”だった若手時代 そんな流れを変えたきっかけとは?

川田将雅
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第68回皐月賞を制しファンの声援に応える川田将雅騎手 【写真は共同】

 マカヒキでの日本ダービー制覇やラヴズオンリーユーでのブリーダーズカップ フィリー&メアターフ勝利など数々のG1レースを制してきた、日本を代表するジョッキー・川田将雅。
 2022年には最多勝利・最高勝率・最多賞金獲得の三冠を実現し、史上4人目となる「騎手大賞」を獲得。9年ぶりの「JRA生え抜きリーディングジョッキー」となった。
 その活躍の原動力といえる負け続けた末につかんだ「思考法」を綴った書籍『頂への挑戦 負け続けた末につかんだ「勝者」の思考法』(KADOKAWA)の一部を抜粋して公開します。

「俺、このままじゃ消えるな……」からの打開策

 新人恒例のアンケート用紙には、「初年度の抱負」を書く欄もありました。
 僕がそこに書いたのは、「40勝して新人賞!」。
 この40勝の根拠は、父の厩舎に所属していた騎手が僕の乗馬クラブの先輩で、その先輩がデビューの年に36勝したからです。
 中央競馬の厳しさ、層の厚さを知りもせず、「初年度から36勝した先輩より俺のほうが上手いから、40は勝てるだろう」と、今思えば、まったくもって浅はかな根拠でした。

 結果、同期のトップランナーは藤岡佑介。佑介は35勝を挙げて、JRA賞最多新人騎手賞を受賞しました。
 一方の僕は、新人賞獲得の最低条件である30勝にも遠く及ばず、16勝しかできませんでした。
 そのときに思ったのは、「俺、このままじゃ消えるな……」ということ。たくさん乗せてもらえて、たくさん勝っている佑介に対し、自分は依頼数が少なく、そして勝てない。そんな現実を知って、このままでは生き残ることができないと強く感じました。
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