芹澤信雄&林菜乃子ステップアップレッスン(10) 片方の手で打つ
◆ゴルフ界の名伯楽・ 芹澤信雄プロがシングルプレーヤーに近づくアプローチの片手打ちドリルを伝授
林 私は結構ハードルが高いと思います。
芹澤 そうなんです。練習マットの上だと多少ボールの手前にクラブヘッドが下りても、そのまま滑ってくれますが、芝の上では難しいでしょう。クリーンにボールをヒットしなければボールはクラブフェースの上には乗りません。
林 仮に芝の上からうまく打てたなら?
芹澤 間違いなくシングルプレーヤーになれますよ。もしくは既にシングルプレーヤーの方です。芝が薄いライやベアグラウンドのように悪いライからでもボールを拾えますし、通常のライならトップもダフリもしません。なので、林プロに挑戦してもらいましょう。
林 結構プレッシャーですが、右手1本からやってみます。
芹澤 おっ、さすがプロ。うまく打ちますね。解説しますと、林プロが成功したポイントは2つあります。一つがスイング中に右手首の角度を変えなかったこと。
林 その結果、ダウンスイングでヘッドが下がり、ボールの手前を打ってしまうわけですね?
芹澤 正解です。体でクラブを引っ張り下ろしてくる感覚がほしいですね。次に、左手1本で打ってみましょう。
林 左手の方が苦手なんですよね。
芹澤 おっとこれもうまく打ちましたね。やはり左手首の角度をキープしながら、体の回転でクラブを振ったことが成功の要因です。左手1本でもアベレージゴルファーは手だけでクラブを振ろうとするので要注意です。さらに、インパクト後は手元を目標方向に出していかないこと。左脇が開いてしまい、シャンクが出ます。左脇をしっかり締めて体の回転でクラブを引っ張り下ろしてくると、フェースの上にボールが乗ってきます。
林 私は特に左手首の角度が変わらないように気をつけました。
芹澤 少しでも甲側に折れてしまうとミスショットになりますからね。左右それぞれの片手打ちが成功したら、両手でクラブを握り、同じイメージでアプローチしてみましょう。ボールがゆっくりと飛んでいくので、距離感のイメージも出しやすくなるはずです。普段から練習マットの上でドリルを行い、機会があればコースのアプローチ練習場で実践してみましょう。
(取材協力・チームセリザワゴルフアカデミー)
◆芹澤 信雄(せりざわ・のぶお)1959年(昭34)11月10日、静岡県御殿場市生まれの63歳。公式戦の96年日本マッチプレーなどツアー通算5勝。指導者として高い評価を受け太平洋クラブ御殿場コース内で「チームセリザワゴルフアカデミー」を運営。門下生に藤田寛之、宮本勝昌、西山ゆかり、林菜乃子らがいる。2022年から日本プロゴルフ協会の副会長も務める。TSI所属。
◆林 菜乃子(はやし・なのこ)1997年(平8)5月17日生まれ、神奈川県出身の25歳。6歳でゴルフを始めクラーク記念国際高3年時に神奈川県アマ、関東高校選手権4位。18年プロテスト合格。20~21年に6試合でベスト10に入りメルセデス・ランキングで52位と飛躍。昨季は同ランク57位。ツアー自己最高位は6位。ユピテル所属。
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