進化を続ける早田ひなは「パリで勝つ」 五輪選考対象の女子シングルスで快勝発進
バックアップメンバーだった東京五輪を経て、パリ五輪出場争いで首位
五輪出場のポイント争いではトップを走る早田だが、後続には強力なライバルたちが続いている 【写真は共同】
早田は強敵から狙われる立場にある。しかし、パリ五輪の切符は譲れない。東京五輪の代表争いでは、当時の代表選手選考の基準だった世界ランクで伊藤や石川に及ばず、ダブルスの実績から候補の一人と目されていた団体戦要員でも平野が選出された。早田は、バックアップメンバーとして日本代表をサポートする役割で東京五輪に参加。次は自分が五輪を戦うという思いを強くした。
目指すは世界の頂点「中国に勝つまでに進化していないといけない」
根本に、夢をかなえるための飽くなき向上心がある。五輪を目指していた以前の自分にはない、強い欲求がある。精神面、戦術面に落ち着きと選択の幅が出てきていることに触れると、早田は次のように話した。
「パリ五輪の切符を獲得したとしても、パリ五輪に出るとなったときに、中国に勝つまでに進化していないといけない。私の目標が選考レースで勝つことというより、パリ五輪で勝つために日々やっているので、常に進化させていくことが大事。海外の試合とか選考会で、強い選手や中国人選手と試合をした中での反省を生かして、課題を練習する。技術もメンタルも体力的にも。常に考えながら『チームひな』で話し合いながら行動しています」
女子シングルスは、26日の4回戦を終えて上位32人の顔ぶれが決まった。27日に4、5回戦を行い、28日以降は準々決勝、準決勝、決勝と1日1試合で進められる。対戦相手のレベルが上がる中、女子ダブルスでも頂点を狙う立場の早田としては、最後まで勝ち切るため、スムーズに勝ち上がりたいところだ。試合の中での改善能力を高めていることが、その中で生かされるはずだ。強豪ひしめく全日本で、早田は3年ぶりに女王となれるのか。世界の頂点へと走る、その中で進化を続ける対応力で激戦を勝ち抜くつもりだ。